第59話 初日のトラウマ?
お待たせしました!
第59話をお楽しみください。
ミレーセの問いにサネットは首を傾げた。
「貴族として、時間は守らねばなりません。ですので早めに来るのは当たり前では?」
早く来るのがもはや当然だと思っているサネットは「それに」と続けた。
「朝の誰もいない静かな教室は絶好の読書空間ですし、私は待たれる方より、待つ方が好きなので」
柔らかく微笑むサネットはエドバとミレーセに「本当にこの方は読書が好きなんだな」と思わせる嬉しそうな表情を浮かばせた。
「確かに、朝の教室は誰も居ませんから読書するには最適ですね。それにしては早過ぎる気がしますが…」
サネットが早く来ていた事に納得しつつ、ミレーセは2人が座っている席の1つ前の席に持っていた荷物を置いた後、振り返りエドバにサネットと同様の質問した。
「では、エドバさんはどうしてこんな時間に?」
「私は…」
ミレーセの問いにエドバは僅かに口籠る。それによって少しだけ間が空いた。その少しの間だがミレーセとサネットに緊張が走るには十分な時間だ。
少女2人が見つめる中、エドバは恥ずかしそうに言葉を紡ぐを。
「…実は学院に来て、初日の出来事が原因でクラスの皆さんより、遅く来るのがトラウマになってしまいまして…」
「初日?」
頭に疑問符を浮かべるミレーセとは反対にサネットは実際に見ていたこともあり、その事に思い当たった。
「確かに…あの出来事が初日でしたら、私もトラウマになっていたかもしれません…」
「初日に一体何があったんですか!?」
この場に置いてミレーセだけが、国王であるラングラットがドアを蹴り倒して、そのままエドバを踏み台にした事を知らない。
「国王陛下がドアを蹴破って、そのままエドバさんを踏み台にしたんですかっ!?」
一部始終を聞いたミレーセの第一声が教室中に響いた。
「その後、国王陛下はどうなったんですか?」
誰でもその後は気になる。ミレーセもそれに漏れず、その後を聞いた。
「それは…」
「私が学院長室まで連れて行きました」
「え?」
言い淀むサネットの代わりに当事者であるエドバが答えた。
「国王陛下と共に学院長室まで行き、アルメリア学院長の前まで国王陛下をお連れしました」
「そ、そうですか」
容易にその後の結果を予想出来たミレーセはこの先を聞くのが怖くなり、ここで話を聞くのを辞めて、自身のカバンから折り畳んである1枚の紙を出し、エドバに渡した。
「1ヶ月の予定表ですか?」
紙をミレーセから受け取ったエドバは折り畳んである紙を開き、その紙が予定表だと知った。
「そうです。アルメリア学院長からエドバさんに渡してと、頼まれまして」
頼まれた時の事を思い出してか、ミレーセは疲れた表情を浮かべる。
「わざわざありがとうございます」
「お気になさらず、これも生徒会の仕事ですから」
言葉に覇気が無くなって行く、ミレーセにエドバとサネットは苦笑しながら労う事しか出来なかった。
***
時間は経過し、時刻は今8時59分。
もう直ぐ授業が始まる時間である。早くに来ていたエドバ、サネット、ミレーセの3人は話しづらいという事で一緒の席に座っている。
順番はドアがある左からエドバ、ミレーセ、サネットの順に座っている。
理由はエドバに両手に花状態をさせないため。ただでさえ今、エドバはクラスから浮いている存在だ。
そこに火に油という様に聖女と言われているサネットと生徒会メンバーのミレーセの間に座っていたら男子生徒が目の敵にするのは明らかだ。とミレーセがサネットを説得した結果、この順になっている。だからかわからないがサネットは少し残念そうにしていた。
「なんかサネットさん元気無くない?…」
「そうか?それより俺は今日もミレーセさんの隣に座っている特待生が解せん!」
そんな会話を耳にしたエドバは何とも言えない気持ちになり、頭を軽く抱えた。ちょうどその時チャイムが鳴り、シルレが教室に入って来た。
「皆さん席に着いてくださいね」
シルレがそう言って教室を見渡す。全員が席に着いている事を確認し、シルレは授業内容を言いながら授業を始める。
「今日の1限目は世界情勢の振り返りです」
いかがでしたでしょうか。
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次回は12月28日の19時を予定としております。




