第57話 セピテ
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生徒会を後にしたエドバは夜の大通りを歩いていた。
夕食時な事もあってか、朝と打って変わって人が多く行き交っていて、家族で歩いている者や武装した冒険者なども、酒場やレストランに入って行く姿をちらほらと見かけつつ、エドバは自宅への帰路に着いていた。
「(主。跡、つけられてる)」
不意にアルミスが念話でエドバに警告する。
「…その様ですね…」
エドバはアルミスに同意し、後ろにいる者の気配探る。
「(おそらく学院を出てから付けられている…目的は…俺を始末する事か。殺気が漏れ出ている)」
追って来ている者の目的が自身の殺害だと確信したエドバは、次の横道が真横に来る一歩手前でその横道に走り出した。
「!!どこに行った!?」
エドバが走り出したと同時に追っ手も走りだし、エドバが入った横道に入るが、そこにエドバの後ろ姿は無く、あるのは月明かりが差し込む一本道だけだった。
***
追っ手を振り切ったエドバは自宅に着き、玄関を開ける。
「おかえりなさいませ、エドバ様」
エドバが家に入るとプラチナイエローの髪を後ろで纏め、メイド服姿をした女性がいた。
「ただいま、セピテ」
エドバにセピテと呼ばれた女性は顔を上げ、エドバが持っていたカバンを受け取り、エドバの後にリビングに入る。
「朝はお見送りする事が出来ず、申し訳ありませんでした」
「セピテが謝る事ではないよ、急に呼んだ私に非がある。それにあんな美味しいお弁当まで作って貰ったんだ。責めるつもりも無いし、資格も無い」
「セピテ!お弁当!美味しかった!ありがとう!」
エドバとセピテが話していると、突然空中に武器を漂わせる竜が描かれた魔法陣が描かれ、その魔法陣から人化したアルミスが姿を見せた。
「エドバ様、アルミス様。お二人共、勿体無きお言葉、ありがとうございます」
セピテが深くお辞儀をして顔を上げるとぐったりとソファーに倒れるエドバが目に入る。
「ア、アルミス。せめて出てくるなら詠唱をさせてくれ…魔力消費が激しいから」
「あ、ごめんなさい…主…」
ぐったりしているエドバを見てアルミスはしょんぼりと顔を俯かせる。
「次、出てくる時、声を掛けてくれるか?」
「うん!わかった!主!」
少し経ったからか魔力が回復し、エドバは気を取り直してセピテを見た。
「先程、尾行をされていた」
「ご命令を」
その言葉を聞いたセピテは直様片膝を付き、頭を下げた。そんな危機迫る様子のセピテにエドバは首を横に振る。
「今はまだ良い。籠がある限り、好き勝手はさせない。それでだ。セピテ、君を呼んだのは籠の維持を手伝って欲しいからだ」
「至高の一機の名の下に。主の命を承ります」
「…ありがとう。セピテ」
思案する余地など無い。と即座に頷くセピテにエドバは少し顔を曇らせながらセピテを見つめた。
「お話は以上でしょうか?」
一拍置いてからセピテは立ち上がり、エドバに確認した。
「ああ、この話以外には特に無いな」
「でしたら夕食にしましょう。もう準備は出来ておりますので」
「ほんと!?セピテ!あるじ!」
今まで静かにしていたアルミスが夕食という言葉に反応し、尻尾を激しく上下に揺らしながらエドバに振り返った。
「じゃあ、夕食にしようか」
「わぁーい!」
微笑みながらエドバは頷き、エドバ達は夕食にするのだった。
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次回は11月30日の19時を予定としております。




