第56話 また明日
お待たせしました!
第56話をお楽しみください。
「それでエドバ君、本当に魔道具製作サークルに入ってくれるのかい?」
「会長…説教が終わって直ぐに聞きたかった事を聞かないでもらえる?…」
ムツラの数十分に渡る、今までやらかして来た数々の注意と言う名の説教が終わって直ぐタインはエドバに聞くが。その行動をウェッナが頭を抱えながら止める。
「何を言ってるんだい!この事以外聞く事がないのだから、仕方ないじゃないか!」
「空気を読めって言ってんのよ!」
「ドゴンッ」と鈍い音が生徒会室に響く。
「うわぁ…」
「痛そう…」
「…エドバさん、本当に魔道具製作に入りますか?」
ウェッナの拳で頭を殴られ、ダウンしているタインを見ながらエドバに再度、加入するか確認を取るユネセシア。
「はい。ますます、興味が湧きました」
「そ、そうですか」
「あれで興味が湧いてくるってどういう事!?」と内心で呟くユネセシアの事など気にも止めず、エドバはウェッナが右手に着けている手のひらが空いた手袋に目を向けていた。
「あ、エドバは目が良いわね」
エドバの視線に気付いたウェッナはエドバの近くまで行き、手袋を見せた。
「これも私が作った魔道具で、手を握ると自動的にインパクトが発動される仕組みよ」
そう言ってウェッナは右手の手を握った。すると白色の薄い膜が手袋を覆った。
「なるほど、この白い膜がインパクトと言う事ですね」
まじまじと手袋を見るエドバを見て、本当に魔道具に興味があることを知るユネセシア。
「その通り!あ、触れたら吹き飛ばされるから。こういう風に」
「フゴッ!」
何を思ってか、ウェッナは後ろに振り返った。するとちょうど手が当たる範囲に頭をさすりながら立ち上がったタインがいて、タインの顔に直撃し、後ろに吹き飛んだ。
『………』
立て続けにインパクトを受けるタインに同情するエドバ達。
「なにも2発も喰らわせなくたって良いじゃないか!」
「さて、加入が本当だった事も知れたし、私は帰るわ」
「無視!?」
タインの文句を無視し、満足気な顔をしてウェッナはエドバ達に手を振りながら、「また明日」と言って転移を使って生徒会室を後にした。
「日も完全に落ちてしまいましたし、今日は皆さん帰りましょう」
「わかりました」
「そうですね」
各々返事をし、自身の荷物を持つ。
「僕も帰るとするよ、はぁ」
その溜め息に物凄く疲れを滲ませながら、タインは生徒会室のドアを開け、生徒会室を後にした。
「さぁ、お姉ちゃん立って、寮に帰るよ」
「やっと解放された〜」
終始、縛られていたエクリテは伸びをして、エドバに誤った。
「ごめんね、どこまで自己紹介すれば良いかわからなくて」
「限度ってものがあるの!このっど天然お姉ちゃん!」
「ちょっと姉妹喧嘩はそこまでにしてくださいよ〜」
エクリテはミレーセに押されながら生徒会室を騒がしく出て、それを宥めるべくフォカも一緒に出て行った。
生徒会室に残ったのはユネセシア、ムツラ、ララーシェ、エドバの4人。
「ムツラ先輩は確かララーシェさんの寮に近かったですよね?」
「近いな、ちょうど聞きたい事もある。ララーシェさんはボクが送って行くよ」
「すみません、ムツラ先輩」
「いや、良い。歩きながら話したいから、早速出よう」
「わかりました。それじゃあ、エドバさん、ユネセシアさんまた明日」
「会長、明日、生徒会室で寝てないでくださいね」
そう言ってムツラは居残りをする癖があるユネセシアに釘を刺しながら、ララーシェと一緒に生徒会室を後にした。
「それでは、私も帰ります。今日は色々とありがとうございました」
「いえいえ、お役に立てて何よりです」
今日のお礼を言い。エドバは退室する時に「また明日もクラスメイトとして、よろしくお願いします」と言って生徒会室を後にした。
残されたユネセシアは自身の机に座り、灯を消して窓の外の月を見上げる。
「さて、残りの仕事を片付けまーー」
「決行日が決まった」
「っ!」
灯が付いていない生徒会室に機械音の声が響いた。
「ーーーーーこれが以上だ」
「これが終われば…あの人に会わせてくれるんですよね?…」
「ああ、契約は契約だ。成功したら、お前の探し人に会わせてやる」
その言葉を最後に機械音は途絶えた。
「もう直ぐです。もう直ぐ…貴方に会えます」
そう月に向かって言うユネセシアの顔は決意に満ちていた。
いかがでしたでしょうか。
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次回は11月16日の19時を予定としております。




