第48話 フィスカスのネックレス
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「フィスカスのネックレスね」
エドバの視線を追って、ウェッナとララーシェは1つのネックレスに行き着いた。
そのネックレスはケースに入れてあり、ネックレス自体は黒のチェーンに真ん中には黒銀色の宝石が嵌め込まれていた。
「フィスカスのネックレス?確かフィスカスって神様の名前だった様な…」
「良く知ってるわね」
ウェッナは少し驚きつつララーシェに振り返った。
「昔、故郷の長様から聞いた」
「なるほどね、確かにあの方なら知っていてもおかしくないわね」
ララーシェが知っていた理由を聞き納得しつつ、ウェッナは今もネックレスを見つめているエドバに話を振った。
「あのネックレスが気になるの?エドバ」
「いえ、ただ…幼い頃、調べたことがありまして、その時の事を思い出していました」
そう言うエドバはどこか悲しそうな顔をしてウェッナとララーシェに振り返った。するとどこからか声が聞こえてきた。
「フィスカスのネックレスを昔調べた事があると言ったな!なら原初の神フィスカスも調べたのでーー」
「《空間連結》《ショックインパクト》ッ!」
「アガガガァァア!!!…」
声が聞こえて内容を察したウェッナはすぐさま魔法を連続発動して声の主を黙らせた。
「今の声は?」
「魔道具作成サークルの会長さんの声だよ」
エドバの質問に答えるララーシェは少し後ろに下がっていた。
「あんの会長!原初時代の神の話なんて今は求めてないっていうのに!」
「毎度ながら酷いなぁ…最後まで喋らせておくれよ〜」
憤りを隠さないウェッナはふらふらになりながら降りて来る人物を睨んだ。
「やぁ、ララーシェちゃん。そして初めましてだね、エドバさん。僕の名前はタイン・グラハム、よろしくね」
「こんにちは」
「よろしくお願いします」
タインの身長は150センチ弱、体格は少し細く、一回り大きいコートを羽織っていた。
「タイン先輩は原初時代の神に詳しいんですか?」
「人並み以上かなぁ…なに?聞きたいの?良いよ、教えてあげる!」
「結構ですっ!行くよ!ララーシェ!エドバ!」
エドバの言葉でスイッチが入ったのかタインは離れても付いて来て喋り出した。
「まず、原初の神は7柱いて、その中の1柱がフィスカス。権能は貯蔵と言われていて、その権能に由来して魔力が貯蔵出来るあのネックレスにはフィスカスのネックレスって名前が付けられたんだよ」
「権能に由来して名付けられたんだ…知らなかった」
「そうとも!ララーシェちゃん」
「いつ話が終わるのやら…」
ウェッナが溢した言葉に苦笑いしながらエドバはウェッナの後に着いて行った。
その後、道具倉庫。魔道具に刻印を刻む刻印室。その向かい側の付与魔法のエンチャントを行うための付与室の順に紹介され、最後に実験室でウェッナが作った魔道具の実験を見ることになった。
「今回は何を作ったんだい?」
実験室に入り、タインがウェッナに質問すると「その言葉を待っていました!」というように目を輝かせて喋り出した。
「良くぞ聞いてくました!今回、私が作成した魔道具は魔法の同時並行発動を自動でしてくれる手袋!今時杖なんてナンセンスなのよ!折られれば無になる魔道具を大きくして目立たせるなんて!敵に折ってくださいって言ってるようなものよ!」
「今回も熱が入ってるね…」
「「(いつもあんな感じなんだ…)」」
他の魔道具作成者に向けて怨念じみた言葉を吐きながら、ウェッナは実験を開始したのだった。
いかがでしたでしょうか。
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次回は7月27日の19時を予定としております。




