第30話 異常な実力
お待たせしました!
それでは第30話をお楽しみください。
サイド [氷河の森・東側]
「《フェイムアーツ・業炎刃》ッ!」
業炎を纏った刃が灼熱の火花を撒き散らばしながらエドバに振り下ろされた。
だがその刃がエドバに届く事はない。エドバと刃の間には1本の剣が溶けながらアフニの攻撃を受け止めていた。
「ック!」
苦虫を噛み潰した様な顔をしたアフニは「諦めてたまるか!」と言う様に無詠唱でウインドバレットをエドバの目の前に生成し、少しでも氷竜の息吹の範囲が背後の仲間に届かない様にウインドバレットを解き放った。
「ふっ」
「なっ!」
詠唱は既に終わっているエドバはウインドバレットを下から受けれるようにその場でジャンプをし、解き放たれたウインドバレットの風圧を利用して高さ約10メートルまで飛び上がった。
「《氷竜の息吹》」
上空から放たれた氷竜の息吹は否応に数刻前の記憶を思い出すには十分な光景。だがエドバはその氷竜の息吹をシャバー達がいる方に放つのではなく、森側に放った。
闇夜回帰の副次効果も重なってか氷竜の息吹は通常の倍の範囲になり、その場にいた者を一瞬で凍結させた。
「…なんで向こうに?ッ!」
安堵と困惑が混じった疑問の言葉をシャバーが言い切った瞬間、氷竜の息吹が当たった所から赤の光が7つ立ち昇った。退場が起きた証だ。
「…1人躱されたか」
スタッと地面に着地したエドバは淡々とした様子で1人躱されたと言った。それをシャバーは末恐ろしいと思った。
「(一気に赤を7枚エリア・アウトにした…この空の影響もあるだろうがそれに余りある実戦慣れと技術。実戦でこの攻撃をしたら途轍もない成果が出る事は想像に難くない。各国の権力者達が挙ってスカウトしたい人材。だが…なぜそんな者が無名で尚且つ名前すら聞いた事が無い?…」
そんな思考に入るシャバーにお構いなく戦闘を再度開始したエドバとネナのせいでシャバーはその思考を中断せざるを得なかった。
サイド [氷河の森・南側]
「《チャイン・ロック》ッ!」
「よっ」
「《フレイムウィップ》ッ!」
「ほっ」
「《アイシクルボックス》ッ!」
「甘い甘いっと」
絶え間ない魔法の攻撃を華麗にウェッナは避け続けて隙が出来た瞬時に反撃。
「《インパクト》」
「【精霊よ。跳ね除けよ】」
当たれば数メートル吹っ飛ぶ衝撃波は1人の生徒に当たるかと思ったがその直後の言葉で打ち返された。
「おっと」
「もう簡単に倒せるなんて思わない方がよろしいですよ」
「サネット…」
サネット・メルサント。その人物はこの国に置いて5本の指に入る治療師であり、多くの有名な治療師を輩出して来た、名家メルサントの血筋。その医療の技量は若くして国王であるラングラットが認めている程に才覚がある。その上努力家で真面目で美人。本人は嫌がっているが巷ではこの国の聖女と呼ばれる様になっている。
実力は学院内トップクラスで単独でAランクモンスターで倒せる。その要と言っても良いのがスピリチュアルフィールド。発動までに多少時間が掛かるものの発動したら最後サネットに手出し出来なくなる。何故ならスピリチュアルフィールド内にいる精霊がサネットを守っているからだ。普通ならそうはならないがサネットは精霊に愛されやすい体質をしているらしくスピリチュアルフィールド内では精霊がある程度言う事を聞いてくれるらしい。
「しょうがない…か…【割かれ渡れ、空間よ。次元を超えずして法を破り、我が望みを叶え給え】」
ウェッナの詠唱に呼応し空中に白色の魔法陣が出来ていく。
「ッ!来ますわよっ!」
「よそ見は禁物」
「ですよ」
「ック!《エアリアル・バースト》」
ウェッナの詠唱に気付きレンスレッテは仲間に伝達する。その時に出来た隙を見逃さないララーシェとソフィラスが挟み込むがレンスレッテは進む方向に向いて足裏に爆発的な風圧を意図的に発動させてララーシェとソフィラスから一瞬で離れた。
「《呼び声に応え、顕現せよ》クカルナッ!」
鍵言が紡がれ白色の魔法陣が完成する。そしてウェッナは自身の契約した存在の名前を呼んだ。その呼び声に応じて魔法陣から半透明な姿の女性が出てきた。その女性は紛れもなく精霊だった。その精霊は静かにウェッナの横に降り立った。
「クカルナ。ホライゾン・ブレイド。出来る?」
「了」
「ッ!伏せてッ!!」
クカルナと呼ばれた精霊は徐に手を横に振る前にサネットは嫌な予感がし大声で叫んだ。その声を聞いたレンスレッテ達は即座に地面に伏せた。その瞬間レンスレッテ達の後ろにあった木々が1つ残らず倒されていて更地同然となっていた。
「…なんて馬鹿げた威力をしているんですか…」
いかがでしたでしょうか。
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次回は1月6日の17時を予定としております。




