第22話 とある生徒
お待たせしました!
第22話をお楽しみください。
時間は少し巻き戻り、エドバ達が戦っている時に遡る。
サイド [ララーシェ・セイリット]
私達は今何を見せられているのだろう。そんな考えが頭の中を過ぎったが目をキラキラながら目の前の戦闘を見ているネナの表情を見たら、そんな考えは捨て去った方がいいと教えてくれる。
他の人も目の前の戦闘に集中している。私も変な目で見ないよう気を付けながら氷壁越しに戦闘を観察した。
「ーーーーー《ストームボルト》ッ!」
「ーーー《ソブレン流・覇刃・多乱撃》っ!」
「ーーーー、ーーー《聖剣解放・ドレインストライク》」
話してる言葉はわからないがそれぞれの鍵言だけが聞こえた。レンスレッテさんは混合魔法のストームボルト。ローユさんは有名な流派のソブレン流、覇刃の拡散攻撃。シャバーさんは愛用の聖剣、フェロスビラの斬撃。3人とも自身の得意な攻撃をしている。
「ーーー《エンチャント》ッ!」
一気に状況が魔法と斬撃が乱れて音が聞き取れない中その声だけは鮮明に聞き取れた。まるで昔から聴いていたかのように。
「《ファイヤバレット》《アイスバレット》」
その声は特待生として今日初めて学院に登校して来たエドバさんの声だった。
エドバさんは向かって来る魔法を剣で弾いて?いて、ローユさんの斬撃をバックステップを踏みながら軌道を魔法で逸らしている。
「おお!やっぱあの噂は本当だったんだ!」
「あの噂?」
ネナが目を戦闘から逸らさないまま説明してくれた。まぁ私も逸らしてないけど。
「ララちゃんは魔法喰いのエンチャンターって名前聞いたことある?」
「ない…けど」
全不様からも聞いたことは無い…はず。
「んーじゃあ七剣の剣主は?」
「それってストロレス帝国の七剣聖の事?」
あの国は正直嫌い。特に皇子達が。
「あー、違う違う。アイツらと同じにしたらエドバさんが可哀想だよ」
「どういうこと?」
話が全くわからない。
「あはは…ララちゃんが知らないのも無理ないか。七剣の剣主はっと!喋ってる場合じゃなくなって来たよララちゃん!」
「そうだね」
話を中断されて続きが気になるがそれより目の前で起こっている戦闘に意識が吸い寄せられる。
「ーーーーーーー《聖剣解放・審判の雨》」
「ーーーーー《ソブレン流・二上波撃》ッ!」
「ーーーーーーー《大嵐刃》ッ!」
3人が大技を繰り出した。空中には無数の光、それを迎え撃つ波動の斬撃と嵐の刃。
「さぁ、ーーーーーーー、貴方がーーーーーであるーーーを」
ネナが何か言ってるが耳に入ってこなかった。多分それは私がエドバさんの行動を集中して見ているから。
エドバさんは迫って来る波動の斬撃を高く飛んで回避してシャバーさんが放ったドレインストライクに吸収させた。【その行動を私は知っている。】
嫌な汗が出て来たのを感じるが気にせずエドバさんを観察し続けた、
高く飛んだ彼を追いかけてドレインストライクも軌道を変えたところに彼は降り注ぐ光をドレインストライク目掛け弾き続けた。【その戦闘を私は知っている。】
鼓動が少しずつ上がって行く。
「《氷竜の息吹き》」
そして光を全て弾いた時あの人は剣から氷の魔法を真下に放った。錯覚なのか冷たい冷気が氷壁越しに伝わってくる。【この寒さを私は知っている。】
呼吸が速くなり空気が上手く吸えなくなる。
「《炎柱》」
「あれらが……って!ララちゃん大丈夫!すごい汗だよ!」
次にあの方は炎の魔法をまた剣から放って、その推進力を使って勢いよく地面に着地しその体制からまた魔法を放った。
【ーーー様が次に放つ魔法をーーは知っている。そう、知っている。だってーーはその魔法がお気に入りだったから。】
「ッ!!!」
あとちょっと、あとちょっとで思い出せそうなのに本能がそれを許してくれない。まるで思い出してはいけない。思い出したくないと言うように。
「《ーーーーーーーーーー》ーーーー。《リブート》」
あの魔法が発動した。
一瞬目を瞑っていたみたい、目を開ければエドバさんが炎の軌跡を残して駆け回っているのが見える。空中にはエドバさんが放った炎柱を吸収して高温の炎刃と化したドレインストライクが地面に向かって猛スピードで迫って来ていた。
「《エアキューブ》」
いつの間にか斜め前に来ていたエドバさんが鍵言を紡ぎ、エドバさんを囲うように真空の箱が展開し終わった時にドレインストライクが水に触れて爆発が起きて爆風が少し私達の方に来た。そして結界が破れる音が聞こえ、シルレ先生がエドバさんの名前を呼ぶ。
「勝者。エドバさん」
拍手が鳴り響きシルレ先生の純氷壁が解除された。
「ーーちゃん!ララちゃん!ララーシェちゃん!」
「え?」
「やっと気付いてくれた…大丈夫だった?ララちゃん?」
私何か悪いことでもしたっけ?わからないので聞いてみる。
「何が?」
「え?エドバさん達の戦闘の途中でララちゃんが過呼吸になってて汗を凄く掻いてたから」
「私よりネナの方が汗掻いてない?そもそも私は汗掻いてないし」
「本当だ、気のせいだったのかな?」
ネナってたまにおかしな時あるよねって本人の前では言えない。
「ララちゃん、あっちでエドバさんがクラスの人達と話してるみたい、行ってみたら?」
「ネナは?」
「水分取ってから行くから先行ってて、それでいい順番取っといて」
「ふふ、わかった。いい順番取っとく」
ララーシェが小走りでエドバ達のところに向かって行ったのを確認したネナは水筒の水を飲みながら独りごちる。
「間近で見られたのは初めてかな?でも流石にあれは…うん、怖かった色んな意味で…ゴク、ゴク、よし!水分補給完了っと!」
水筒の蓋を閉めたネナは勢いよく立ち上がり走ってララーシェ達のところへ向かった。
いかがでしたでしょうか。
質問や感想、コメント、改竄点などを頂けると嬉しいです!
下の⭐︎を押して評価、応援、ブックマークに追加をして頂けると幸いです。
次回は9月23日の17時を予定としております。




