表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第15話 起動せよ夢見る機械
96/246

第15話 その1

これは記憶

私の記憶

走馬灯のような「 」の記憶





「07番、なんだその姿勢は!」


白き剛腕のしなるムチが誰か()を叩く

呼ばれた彼は僕の隣の番号で

叩かれた彼はいつも僕の隣に座っていた


椅子が倒れ

大きな物が地面に落ちる音がする。


思った以上にムチの当たりどころが悪かったらしい

以前僕があのムチを受けたときは

白い服が赤く染まってしまったのを覚えている。


常に隣な彼を見る

僕は、その顔を知らない

彼は僕を見つめ返す

彼は、その顔を知らない


双方小さく空いた穴から世界を見つめている。

生まれたときからかぶる頭巾は薄っぺらくて

ざらつくような感触が常に肌を這うような感覚を受ける。


その生活がどれだけ続いたのだろう

生み出されたそのときからだ

もはや考えたってわからない。


箱詰めされたような僕らはいつも同じ


同じ服

同じズボン

同じ頭巾

あぁそうだ、

いつも

同じ

同じ同じ

同じ同じ同じ

同じ同じ同じ同じ


きっと頭巾の下すら同じなのだろう


「おい、08答えろ!」


「は、はい!ぼ、僕ですか?」


その瞬間僕は声にならない声で

「しまった」と呟く


鋭い痛みが肩に走る


「貴様、今なんと言った」


「な、何も……」


「ぼくぅ、なんて聞こえたのは気のせいか?」


「そんなことは……」


馬鹿にしたような口調


「貴様らに許された一人称は『私』だけだ!」

「次、1度でも言ってみろ」

「追放だ」


「す、すみません!」


その言葉1つに僕は体を震わせる、

僕は机に頭をぶつけんとする勢いで深く頭を下げる。


「貴様らは主の御言葉をいただきそれを全うする機械である」

「それは楽園を守る天使のごとくありがたく尊い存在、主のお力によって作り出されし者達である」


僕らは楽園の守護者

僕らは尊き存在

僕らは代行者

心から歓喜するほど喜ばしいことに


私達は天使

私達は神々しき存在

私達は人に近き機械

只人のように

汚れた父も醜き母もいない

我らは醜き父にも汚れた母にもならぬ存在

主よりのみ創造されし存在


然るべき教育を受け

然るべき鍛錬を受ける

物心付いたその日から。


「本日は聖育を行う」


夕方

白き老爺が述べる


「02、汝聖育の説明は可能か?」


「はい」

「聖育とは私達の普段の修行を活かし、私達の宿す奇跡をより高きものにする儀式です」


「その通り、君達がこの庭園に入るときに行った選聖と似ているがその違いは、03」


「はい」

「選聖は200の天使全てが同時に儀式を行い77となるまで終わらないのに対し、聖育は2の天使が相対しどちらか一方が喰われるまで終わりません」


「その通り、良く覚えておる」

「では、09その儀式の達成方法は?」


「天使の心の臓を食らうことです」


「お見事」

「さすが2度の儀式を達成し33体、優秀じゃな」

「さて、あとは何か質問はあるかの?」


「あの、天使が一体余るのですが」


「ほっほ、そうじゃの」

「1人余るのでな、わしが相手することになっておる」

「そうじゃの、ちょうどいい相手はお主としよう33」


「はっ!光栄です」

「今からですか?」


「そうじゃ、皆のもの下がれ」


その言葉から1秒せず

円陣に皆下がる。


「ほっほ、わしの心の臓喰らえればわしと同位となる」

「本気でかかってくるが良い」


「はい!」

「参ります!」


33の拳が老爺の顔へ放たれる

しかしそんなもの当たりはしない

頬も掠めず

一歩下がるような見切りで

回避する

力いっぱいふるった隙を

老爺の手のひらがが33を抉るように撃つ


「ぐぇっ」


「ほほ、決まりじゃの」


よろける体を蹴り

老爺は33に馬乗りとなる


「ほっほ……」


ほだらかで優しげな笑みで老爺の拳が

33の頭巾へと何度も何度も振り下ろされる

その数は数えることすら面倒になるほど

やがて頭巾は赤く染まり

ピクピクと彼は震えだす


「何と素晴らしい」


私達は喜ばしくも

上位天使と同化する名誉を得た同士に

惜しみない拍手を送ると同時に

敬愛せし白き老爺に絶賛の言葉を送る。


「さすが主の守護者が一柱……」


いつの間にか拍手は止まり

私達はそのあまりの神々しさに

いつの間にか手を合わせる。


「さて……」


「ぐっ、がっ……うっ………やめっ


ボキボキと音がする

老爺の人差し指にはめられた

金の爪が服を切り裂き僕らを切り裂き

突っ込まれた御手

取り出された赤い果実


「さすが白き老爺様」


「白き剛腕様の圧倒たる力とは違う技の洗練」


「尊く素晴らしい……」


「ほっほ……そうも言うでない、お主たちも儀式を繰り返せばいつかはわしらと同等となる」


ズルリと飲み込んで

美しいことに赤く染まった長い髭を撫で

仮面で見えないながらも

きっと優しいであろう瞳が私達を見回す


「では各々配置につけ、わしに習い儀式を開始する」


その言葉に応え

私達はぞろぞろと空いている陣に入る

私がそこに入ったとき

すでにそこには1人が立っていた。


「君は………どれ?」


儀式の相手

私の眼の前に立った彼に

悪いと思いながらも質問する。


「24です」

「お相手、よろしくお願いします」


「こちらこそ」


双方頭を下げたとき

全ての陣に2体、配置が完了する。


「では、始め!」


振り下ろされる手

始まりを示す声

それと同時に


「うおぉぉぉ!!」


全員雄叫びのような声とともに相手に殴りかかる

僕だって同じだ


適当で

乱雑で

本能に任せたような

そんな戦い方


「ふん」


「離して!」


「捕まえましたよ!」


「させません!」


掴んでは蹴って突き放すの繰り返し


私達は自身の今の役目

儀式を成功させることに全力となる。


別に負けたくないわけじゃない

勝ちたいだけだ


別に心の臓を奪われることは恐ろしいことじゃないって私達は教わってる。

だから怖くない


そうだ

怖くない

怖くない

怖くない


僕はただ、上位の存在になりたいだけ

………きっとそうだ。


「何ぼけっとしてるんですか!」


24は私の肩を掴み

私に頭突きをかます。


ぐわんと揺れるような不快感と

鼓動を打つたびに何度も何度もしつこいくらい

繰り返す頭への痛み


しかし


「ふんなっ!」


負けじと私は頭突きを返す


「………っ!」


相手の頭巾がほんのり赤く染まる

相手の頭を割った……?

いや、違う

この痛み、

この伝う感覚、

割れたのは私の方だ


「………うっ」


グラッとくる


でも、

それでも

もう一歩踏み込んで

その顔面を殴り飛ばす。


この一撃で相手は倒れる

そう思った

しかし


「ふんっ!」


相手は倒れそうになったはずなのにそのまま体勢を立て直してボケっと突っ立ってた私の顎を殴り飛ばす。


「がっ……!?」


揺らぐ

歪む

溶ける


地に伏せる


意識は………まだ、大丈夫

私達は人とは違う

この程度で何秒も気絶したりなんてしない

しかし立てない

足が震える


「………はぁ、はぁ、トドメ、いきますよ」


相手は私に馬乗りになる

ポケットから取り出した銅の爪を指にはめ

突き刺すように……


あぁ、負けるのか

これと一体になるのか

私は……

私は………

………なんだこの感情



僕は


()の振り下ろす爪より早く

僕はポケットの爪をその首に突き刺す!


「…………あ?」


白い服

白い頭巾が真っ赤に染まる。

吹き出し

浄化し

敷かれた僕も……染まる。


「なんなんだよ、クソが」

「俺の勝ちじゃねぇのかよ……


倒れる彼

動かない同士

止まらない赤


なんだ

なんだ

なんなんだ

この気持ちは……

当初の予定通り書き進めたら尺が足りなそうなので急遽HA-08の過去話をぶっこむことにしました。

正直まったく考えてなかったため駅も考えずリアルタイムで書いてます、続きどうしよう。

ちょっと時間かかるかもです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ