第14話 その2
『中央は今回の未確認生物の存在を以前から認知していた、この認識でよろしいんですね?』
『………はい、その通りでございます』
『我々は7月に初めて未確認生物と呼べる生物に相対しました』
『7月?我々の調べでは20年ほど前動揺の生物らしきものが確認されていることは調べがついてるんですよ』
『………えぇ、その件に関しては正直に申しますと』
『わからない、というのが我々の返答でございます』
会場がざわめく
なぜならプライドの高いこいつらが
良くわかんないとは本来言わないからだ
『それは怠慢ではないですか!』
『あなた方はこの島全体の警備システムを掌握しているんですよ!?』
『本当は隠蔽しているのではないですか!?』
『隠蔽は……行っています』
『この過ぎた技術は取り込もうとする魔窟では未知の技術、存在の秘匿性は他の国とは比べることすらできません』
『故に人の技術ならば我々は強く、固く秘匿しております』
『正直に申すなら、これはもはやこの島に住む人々の間では暗黙の了解となっていると思います』
『その秘匿は我々が隅々まで調べてあまりに危険と判断したごく僅かなものに限られます』
『しかし、今回は違う』
『これまでのものとはレベルが』
『どれだけ調べ、集め、観測しようと』
『本当に奴らに関しては良くわかんないのです』
『我々の積み重ねた法則は通じず』
『なんとか討伐しようものならその全ては霧散、拘束しても一部を切り出しても霧散、成分の分析すらほぼほぼできない状況、無論この先我々の技術がそれに追いつく可能性もまたゼロではありません』
『もしくは本当に誰かの技術なのか』
『……しかし現在の状態では関わることすらあまりに危険』
『ここまで非日常的だと万が一のことも起こり得ないためこの情報を一般に公開し、皆さんには関わらないでいただく事を強く呼びかける運びとなりました』
『関わらないで……とは』
『例えば取材、実に危険です』
『……なるほど、まぁ、わからないなら話ではないですが』
『我々にも真実を追求する権利が……』
『権利は命より価値は無いと思いますが』
ボソリとつぶやいた声はどれほどの記者の耳に届いたのだろうか
「なんだこのままごとのような記者会見は」
「文法合ってるか?」
「ただの茶番だからな実際ままごとだ」
「そうなの?」
「僕に聞かれても」
「敬語が苦手なだけでしょ」
「面接のとき困りそうだね」
さすがに思うことあって4人それぞれつぶやく
「記者会見ってどうしてこう長いんだろうね」
「権力と比例して無駄が好きだからみんな」
「大人になると形式と過程が大事になるんだよ」
「俺は違うぞ?」
「お前はガキだろう」
「んだと!?」
「事実だ」
「はいはい、続き見ましょうねぇ〜」
『……では、警戒すべき存在とは』
『それは、この存在です』
モニターに表示されたのは……
「あぁ〜、やっぱり」
「僕か……」
それは銀の姿に青い面
頼りなくて
人外的な
雷光を纏い怪物を殴る怪物
いろんな角度いろんな画質
わりと引きで
『この未確認生物のみ、複数回観測されており』
『おそらく他に比べて強い個体である可能性があります』
「逆に弱いけどね」
「30%だもんね」
『あの〜、質問よろしいですか?』
『どうぞ』
『それらの写真に写っている人々は何者でしょうか』
『写真を見る限りでは怪物と共闘してるように見えるのですが……』
「俺たちのことか」
「写真選べよ……いや、後でバレたら誤魔化しが効かなくなるから事前に適当言ってバラしておく方が良いのか」
『彼らについても報告します』
『彼らは……おそらくはテロ組織だろうと見られる人物です』
『テロ組織?』
『つまりこの怪物はそのテロ組織が操っていると?』
『断言はできませんが我々はその可能性は限りなく低いと考えております』
『理由としましてはそもそも我々ですら回目見当のつかない技術の運用は現実問題難しいこと、そしてそうだとしたら戦い合わせる意図がわからないならということです』
『なら、こいつらは何なんです!』
『おそらくは怪物の破壊活動に乗じて島内を破壊するもしくは、件の怪物が知能の高い個体であり人類に協力を求めた可能性が考えられます』
『それはつまり一種の宗教のような形ということですか』
一人の記者がわざわざ立ち上がって問う。
「仕込みだな」
「仕込みだね」
それを見て大人2人すかさず呟く
『……と、言いますと?』
『その未確認生物……怪物ですか?ってのは人類の域を超えてるんですよねぇ?まぁ言わばこの島じゃ珍しい神秘ってやつじゃないですか』
『………なるほど、考えても見なかった観点です』
『怪物の神聖視……理解はできますが同意はしかねます、奴らは危険分子です、いかに知性があろうと奴らは獣と同等、もしくは力をいたずらに使う分それ以下です!』
「過激だな」
「パフォーマンスってやつですね」
『我々は奴らの掲げる紋章から奴らを十薬会と命名し、発見次第根絶を目指し動き出します!!』
「………ここまでで十分だ」
「ですね、一旦は」
「しかし……やはりそうなったか」
正児は苛立ちながらも少し落ち着いたのか
ため息をつく。
「正児さんはやっぱりスケープ・ゴートにされたのが許せないんですか?」
「………あ?」
「いや、俺たちは別にいい、元よりそういうための組織だし、もとから半グレ組織だ、結局頃合いを見てI.P.によってお取り潰しになることは前から決まっていた」
「1度に動ける人数が減るくらいでしばらくは何も変わんねぇよ」
「俺が気に入らねぇのは……」
正児はゆっくりと早太を目指し告げる
「お前がその代表格にされていることだ」
「……?」
「………あ、ほんとだ」
間抜けなその言葉に思わず正児はずり落ちる。
「ピント来てなかったのか!?」
「いや、そんなことは…?」
「正直怪物全ては滅ぼすべしって論調になったんなら僕は最後まで隠れてればいいんじゃないかなって思ってだんですけど……」
「難しいだろうな、怪物は付近に同族がいないと動き出さねぇ奴もいる」
「パトロールは避けられない」
「それは私が1人で行えばいいのでは?」
アルは首を傾げるが
「いざというときお前の戦闘力はゼロだ」
「こっちとしては変えの効かないお前を単独で前線に置くのは困る」
「まぁ、契約してる手前僕だってアル1人ってのはちょっと罪悪感が……」
「だよなぁ……お前はそういうやつだしなぁ……」
机に突っ伏し長い正児のため息が聞こえるなか
それを横目に思い出したように早太が気になった事を問う。
「あれ、そういえばプロトさんは?」
「これまで通りロボットってことで通すんですか?」
その言葉にアルは首を捻る
「といいますと?」
「え、だからさ」
「HA-08は結局は人間なわけじゃん?」
「てことは一応怪物って呼べるわけだし……」
「あ〜、なるほど確かに……って、え!?」
「?」
「え、今何て?」
「一応怪物って呼べる……」
「お約束はいいんですよ!」
「そこじゃなくて!その、前!」
「ん?」
「あれ、気づいてなかったの?」
「プロトエンジンことHA-08は本当はパワードスーツをまとっただけのただの人間だってこと」
「感覚共有してるなら気がついてると思ってた」
「知らないよ!?」
「え、お二人はご存知で!?」
「……私は説明を受けたが」
「俺は機械ではないことは動きで何となく」
「わかってはいたが」
「「身の安全ためにも黙っていた」」
「へ?」
「なるほど、本郷君それが確信に変わったのはいつだ?」
「え、いつって……」
「前回、キーパーと戦ってたとき」
「血溜まりができてて……手にこう、べっとりと」
「なるほど、それが決め手になったということか」
「本人もさすがにその時にバレたと報告しただろう」
「なるほど、このタイミング……謀られたか?」
「謀られた……?」
「つまりは隠蔽とスケープ・ゴートを両立してもらおうって算段ということだ」
「つまり?」
「あれですか、僕は口封じに殺されるってことですか?」
「………まぁ、そうだな」
「なんで?」
「一応僕、協力者でしょ!?」
「……わからない、わからないが」
「まぁ、HA-08が人間は人間でもまともな人間じゃないってことだろうな」
神座市の言葉に早太は動揺する
「まともって……?」
「……あるんだよ、強化人間とかクローンとかデザインとかいろいろ黒い出生を持つ人間ってのが」
「下手すりゃ子供を洗脳教育、なんてこともある」
毒づくように正児は告げる。
「……つまりなんですか、信頼が足りないってことですか、僕が知ったことを世間にペラペラ話す可能性があるから殺しちゃおうって!?」
「そんなことって……!」
僕とアルの憤り
しかし、それを超えて憤る男が1人
「ああ、許されていいわけがない」
「許されるわけがないんだ!」
「こっちが巻き込んで、あっちが勝手に作って、知ったら殺す!?ふざけるな!!!」
机が強く揺れ
いくつかの物が落ちて砕け散る。
その姿に2人は逆に少し冷静となり
疑問をぶつける。
「お二人は信頼されているんですか?」
その問いに2人は
「俺は……まぁ」
「私達はそういう人選がされている」
「事前調査で出生から現在まで余さず調べ尽くされ勤務態度などから適性を調べ編成されている」
「問題は無いはずだ」
「殺されない方法はないんですか?」
「………ある」
「それは?」
「討伐隊を全て返り討ちにすることだ」
「………あの、そういうのじゃなくてですね」
「もっとこう、根本的なのを」
「……これしか方法がないんだ」
「相手を完膚なきまでに倒し、自分の戦力は変えが効かないぞっとアピールする他無い」
「……利用価値を示せってことですか」
早太は自分の想像力をフル回転させて持ち出してきそうな戦力を予想する。
「無理」
「いや、さすがに世間の目があるからそこまで大事は来ないと思うぞ?」
「どっちかというと問題は殺し屋とかの方で……」
「まぁ、怪物のときよりその前のほうが仕留めやすいですからね」
「いや、ないな暗殺は」
しかし、ここで割って入るように神座市は断言する。
「なんで言い切れんだ?」
「いかに利用価値が無い……といっても怪物と人間のハイブリット、奴ら研究したいはず」
「どうにか拘束してデバイスをつけたままバラすはずだ」
「うぇ、想像したくねぇ……」
「………あぁ、あともう1つ可能性がある」
「プロトエンジンが変えの効かないの存在になることだ」
「?」
「そうしたらわざわざ利用価値のあるお前を殺す必要も無いだろ」
「そうなのかな………?」
不安だけが募る中、
今ミーティングまでの時刻が迫る。
書くことがあるはずなのに思いつかないな……
でも何もないのは寂しいし……
なんか決まり文句ないか探してみます




