番外F
「なるほど……彼らの動機はそういうものだったんですね」
「うん」
「まぁ、それに気がついたのはどれくらいいたんだろうね」
「……万に千人いたとしても」
「僕の日常は、結局何も変わってないね」
僕らはデパートの屋上
あの時と同じクレープを食べながら街並みを見下ろす。
「良くも悪くもって感じだね」
歩道には介護用ロボットがいる。
このデパートだけ見たって
屋上遊園地にはマスコットキャラクターを模したロボットが踊り
通ってきた宝石店やなんだの前には
あいも変わらずガードロボットが立っている。
どれだけ恐ろしくても
結局僕らはもうAIのいない生活を送れないほどに暗に退化してるのだろう。
そんなふうに黄昏ていると
「ん……うおっ!?」
突如背後からボンって音がする。
どうやらクレープ屋さんからだ
「大丈夫ですか」
「あ、あぁ大丈夫大丈夫」
「こないだのドローン攻撃の時凹んだレンジを使い続けててね」
「どうやらどっか壊れちゃったみたいだ」
そうは言いながらも
彼の髪がちょっと焦げている。
「それ、捨てるんですか?」
僕はやっぱり思うことがあったのか
思わず反射的に聞いてしまう。
「ん?」
「ん〜」
「捨てないかな」
「もったいないし」
「直すのも好きだしね」
「お〜」
僕らは思わず拍手する
「そんなにかな?」
「ちょっと最近思うところがありまして」
首を捻る店員に僕は答える。
それを同じく考えていたアルが
「なんでこの街の人たちは高い技術を持っているのに修理をしないんでしょうか」
と首を捻る。
「う〜ん、人の生涯の本質が破壊と創造だからかな」
「「?」」
ゆるふわなクレープ屋さんの同い年くらいの店員とは思えない返答に
僕らは一瞬何を言っているのかわからず首を捻る。
「つまり僕らが人間だから直さず壊しては作ってるってこと?」
「神様みたいな長期目線でならね」
「俯瞰して見てってことですか?」
やっぱりなんかよくわかんないや。
「おや、もう7時だ」
「未成年だけの入店は7時半までだよ」
「気を付けてお帰り」
「「は〜い」」
「……あれ、そういえば未成年のバイトって7時までじゃなかったっけ?」
ふと気になったことを僕は問う
すると定員さんはハハハと苦い笑いをして慣れたように答える
「よく勘違いされるけどね」
「僕は君よりかはずっと歳上なんだぜ?」
「意外だった……」
「ですね、ちょっと気になります」
「帰ろっか」
「はい」
「……あ」
「?」
「テスト行くの、忘れた」
「お、落ち込まないで!?」
「ほ、ほらあそこ!」
「かわいいですね、わんちゃん!」
「野良でしょうか!」
「珍しい」
路地裏に飛び込んだわんこ
闇に消えたわんこ
わんこは僕らには見えない
遠吠えが聞こえる
「ようやっと同属が現れたようだね」
「師匠あれならば戦ってもいいんだよな?」
「ふむ確かに君の願いを叶えるためならば同属は最適だろう」
「良かろう、一戦交えよう」
月下ビルの屋上
二つの影が交わり一つとなる。
それは2本の角を持つ影
紫に浮かび上がる姿
「さぁ、復讐の第1章を始めようか」




