13-アバン
「もしもし」
『ああ、よかった、やっと繋がった』
『聞こえるかい?』
「……?」
「何故お前が?」
『不思議かい?』
『説明すると長いんでね、端的に還元して言うと』
『これでも僕ぁ中央のお偉いさんとはコネだらけでね、定期連絡の時間を少しお借りしたというわけだ』
「お前が?使ったのか?親のコネを?」
『なんだいその以外そうな声色は』
『僕だってね、必要とあればプライドだ何だだって捨てられるんだぜ?』
「にわかには信じられないな……」
『まぁ、大人になったってことさ』
「そういうもんか」
『君だってそうだろう?』
「どうだろうな、まだ子供なままな気がするよ」
『はは、君らしね』
「それで何のようだ?」
『いや、じつはね』
『君の能力が近々、使われることになるかもしれない』
「………そうか」
「まったく、相変わらず拗らせてるのか?」
「今回の一件は僕と同じように自分を見つめ直すいい機会だと思ったんだがなぁ……」
『うう〜ん、今回はまた別の理由だと思うんだけど』
『君、彼に何か変なことした?』
「変なこと?」
「いや、覚えがないけど」
「変な呪術の宿ってそうな小物ならいくつか渡したが」
『そういうオカルトチックなもんじゃなくて……』
『いや、まぁ、そうだよね、よりにもよって君がするとは僕も思えないし……』
『いいや、そこら辺は僕が調べるから』
『悪いけど頼むよ』
『君のためのシステムはほぼほぼ完成している』
『20年前のスペックを一度だけなら完璧に再現できるはずだ』
『その後の面倒事も僕がなんとかするよ』
「………そうか、そういうことになるのかぁ」
「やっぱこうなるんだし、断るべきだったよなぁ」
『えぇ〜、僕ぁそんなことはないと思うけど』
『一日でも出たいと思っている人は万といるんだ、君は幸福だよ』
「………ん〜、まぁ、そういう言葉はまた今度受け取ることにする」
『悪いね』
「ううん、こっちこそ」
「これからも息子を頼むよ」
『約束はしない、しっかり守んなよ』
『正義の騎士君?』
「その枕詞は遠慮するよ」




