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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第12話 誰が日常を守るのか
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第12話 その5

「……ん〜、治った……かな」


体温計を机に置いて僕は起き上がる。


ほとんど動かなかった分体が軋んで困る。


しかし……まさか治すのに4日かかるとは、

人生最長記録だ。


ご飯とか洗濯とか毎日やってくれたアルには感謝しないとな。


しかし、やっぱ上手だよな料理

昔の人と現代人の間にはそう味の好みは変わらないのかな?


風邪でも飲めるチキンスープは絶品だった。

レモンとか卵が乗ってるやつ。


あれのおかげで風邪でも無理なく肉を食えた。

やはりスタミナ回復には肉、肉である。


しかし、今回の風邪はたちが悪かった。

まさか2日間何も食えんとは、

ありゃなれないことをしてる疲れもあるのかね。


時刻は夕方、

まだ18時までまだまだ時間があるというのにもう日暮れ、

日が沈むのがせっかちにも程がある。


ブーブブ


ケータイが揺れる。


(友崎かな……?)


画面をつけるとチャットアプリにメッセージが届いている。


『早太、いい加減に治ったか?』


「うん、治ったよ。っと」


返信早い


『そうか、それはよかった』

『………で、病み上がりのお前に悪いが』

『良い知らせと悪い知らせがある』

『どっちから聞きたい?』


「………既視感のある(フィクションでしか)人生初の(見たこと無い)選択肢だ」

「えっと……」


シュポ


返事を送ろうと入力しているとそれより早く追加のメッセージ


『と言っても、別に良いニュースってわけじゃないんだ』

『というか実質ニュースは1つしかねぇ』


ニュース……?


『今朝のニュースの事件の影響でクリスマス会は中止になった、明日のためにプレゼントを用意する必要はないぞ』


………どこに良いニュースがあるんだ?


「そうなんだ、わかった、ありがとう……っと」


メッセージを送って数秒後、

ラインスタンプが送られてくる。

これが彼のメッセージ終了の合図らしい。


(けど……クリスマス会中止かぁ)

(みんな毎年楽しみにしてたんだけど……)

(………にしても今朝の事件ってなんだ?)


僕は立ち上がってテレビの主電源を点ける。

リモコンを探すのも面倒なのでそのまま本体のボタンでチャンネルを変えていく。


『サービスサ『さーて『イヤンバカん『だめだこりゃ『続いてのニュースです』


あ、点いた。


『先日、脱税の容疑で調査の入っていた間森秋御容疑が現在行方をくらましていると関係者からの情報でわかりました』


「………ちがう、よな?」

「今朝のニュース番組でやってた事件って言ってたしもう終わったか、そもそもやってないとかかな?」


『続いて、以前から計画されていた地下真空管亜音速高速ライナー:ハレーテイルが計画中止となったニュースです』


「新聞、新聞……」


『ハレーテイル計画中止の理由として計画の代表者、ターキウ・カーチ氏はさらなる高速移動の技術が確立され、それにラインを使用する事になったと発表しておりさらなる高性能な期待に皆期待を膨らませています』


「………無情だなぁ、作った線路を流用するとはいえテスト運行は成功してたのに」


流れっぱなしのニュースへの感想をのべながら、

アルによって積まれていた郵便物の山から新聞を引っ張り出す。


「えっと……………」


パラパラと捲っていく、

それらしいニュースは………


「っと、これかな?」


4ページ目、デカデカと書かれた記事を見る。


「………通り魔事件か」


事件が起こったのは昨日の夜、

ちょうどクリスマス会をする会場への一本道のところに建っている貸コンテナ屋さんの付近、

男女2人が体を斬られ血を流して倒れているのがあとから合流予定だった同僚によって発見された。


被害者は

…………夢の森学院中等部教師のヤレラ・クヤ(37)

同じく夢の森学院高等部教師、イ・ルンデシ(29)


犯人は刃物のようなもので斬りつけたと見られ、

2人は腕や足、腹が欠損、いまだ重体。


犯人はいまだ捕まっておらず、

付近はI.P.によっては今朝から封鎖状態か……


「怪物の仕業だな、これは」


時刻はもうすぐ17時

どんなに遅くともホームルームは終了している。

部活をやってない人ならもう帰っている時間だ。


「アル」






(……はい)


すごい間を置いて返事が響く。


「きみ、今どこにいる?」


(………答えなきゃだめ、かな?)


「いや、別に答えてくれなくてもいい」

「貸しコンテナ屋なんかにいないなら……ね?」


(………はい、そうです)

(私は今貸しコンテナ屋上空にいます)


「怪物なんだね?」


(はい)


「勝てそう?」


(…………正直、今の私達の戦力では不可能です)


「………そっち、行く」


(私としては来ないで欲しいんですが)

(あなたの正義感には感服します)


違う


「………クリスマス会」


(………?)


「クリスマス会、中止になったんだってね」


(そう……ですね、犯人が捕まるまで開催とはいかないでしょう)

(他の場所でってのも夜間の安全性から考えて不可能です)


「誰かのやりたいって気持ちを、守ってあげなきゃ駄目だ」


(?)


僕はいつだって母さんの正義に沿って歩いている


僕が母の正義は正しかったのだと証明する


………そう思ってた、はずなんだけどなぁ


「難しいなぁ……」


子供の頃掲げた目標なんて、

世界も、その難易度も知らないのだから。


僕は机の中の奥底の、

一冊を取り出す。


コピー紙と厚紙をホチキスで留めただけの旅のしおりのように簡素な、稚拙な品。

すでに古く、10年も立って角は曲がり始めている。

花に飾られながら丸みを帯びた字で記された

その題は、


『おかぁさん法典』


僕はゆっくりと、

もう何度も読んで暗記したページを捲る。


第3条第1項、その4


「自分が恐怖に囚われたとき、解き放ってくれるのは自分じゃない誰か」

「その時のために誰かの怖いに立ち向かえる人間になりなさい」


その3


「誰かのやりたいって気持ちを守ってあげられる人間でありなさい」


その2


「怖いときはとにかく動きなさい」


その1


「誰かを泣かせる人は馬に蹴られて転んじゃえ」


何度読み返してもひどいもんだと苦笑する。


それでも、

この本があったから、

僕は行くんだ。





「はぁ、つくづくヒーローにはなれないなぁ……」


コートを羽織って僕は行く、

雨の降りそうな夕闇空を。

オリジナル……というかプロット?

とりあえず最終回までの大まかな内容をまとめたものを友達に読んでもらったら、

「プリヤ」と「仮面ライダー」をごっちゃごっちゃにして悪化させたような作品とお墨付きを貰った。

実に的確だったんであらすじとタグ考えてって言ったら断られた。


誰かあらすじ代わりに書いてくれたらいいのに。

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