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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第11話 ステラ・マリーゴールド
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第11話 その1

「うっわ、気持ち悪い」


ヘリから下げられたワイヤーに乗って上に上がったチェインは思わず本音をこぼす。


眼の前にいる小さな物体が

そこらの瓦礫に取り付き、

溶かしすするように金に変えては飲み込んでいる。


あれを人にもやったのかと思うと流石の彼も顔が歪む。


(………あ、僕今表情筋無いや)


頬に手を触れてもただ硬い感触しか感じられない。


(まぁ、僕も今は人じゃないからな……)

(あぁ……めんどくさい)


金属バットで小さいうちに何も無い空に打ち上げ


「……重っ!?」


急な重量の変化でバットに力が入らない。


(打てない、やっぱり当たった瞬間金化するな)


正真正銘の黄金バットを持上げ心の中で呟く。


「重い」


ソレを上下させた後グリップエンドからヘッドを覗く。


「ほんとに柔いんだな、曲がってる」


『おい本郷!逃げたぞ!』


「あっ、やべ、逃がすか!」


スタンガンを起動状態でロックして投擲する。


「あ、避けた!」


『まだ電気は有効そうか?』


「わかりません」


『能力はほとんど解明できている、コアを発見しなおかつ破壊する方法さえ見つかればいいんだが……』


「まぁ、能力は触れたものを金に変える」

「それを操る……だけ、ですよね?」


『まぁ、それも推測に過ぎない油断するな』


「しませんよ、操る能力だけで万能すぎますから」





「…………チッ、どこ行った?」


想像以上の素早さで、

クレータから遠く離れはぐれゴールドは瓦礫に消える。

拳によって破壊されたあらゆる家屋の成れの果ては、

見上げる山の様で、

重さで崩れもしない、


それなのにその瓦礫は

だんだんと、

溶けていく。


固体でなどはじめからなかったかのように、

金色に染まり、

水面になりは、

そしてその中心で

歪み絡まって、

人を成していく。


王冠を被り、

ローブを纏い、

金塊でありながら布のようにそれはたなびいた。

瞳も、

口も、

姿も、

人だ、

人だ、

ちょっと色が違うだけのただの人、

………いや、



王だ



コーン


手の杖が地を貫く。


「!?」


金色に染まった地面が針と化す。


とっさに上に跳ぶ、

しかし辺り一帯が針の山、


(着地地点が……!)


『本郷!』


ヘリから垂れてきたワイヤーを掴み空中で静止する。


ドロリ


針の山は1分と形も保たず溶けて平らになる。


(形状の維持にもエネルギーを消費するからな)

(そう長くは維持できないんだな)

(でも、本体は形を保ってる)

(あの巨人だってそうだった)

(共通点は明らか)

(コアから離れれば離れるほど形状維持が難しい……ってところかな)


冷静な思考と共に瓦礫の上に着地しようとしたとき

ふと、真上を見つめる


………別に何かいるわけじゃない。


本当になんの考えも無く何気なく、

一瞬目を、逸した。


一瞬、

たったコンマ数秒、


その瞬間に


「…………え」


(なんで、ありえません!?)

(魂のある物質ならいざしらず、ただの床が……)


「戻ってる」


地面は黄金からただのコンクリートへ戻っていた。

あの光も何もかもを鬱陶しいほどに反射していた金色は今や輝きもくそもないくきれいな灰色へ染め直されている。


「…………」


着地音も違和感はない。


「…………いや、違うな」


地面に数度足を擦りつけて彼はすぐ違和感に気づく。


「これは……」


(早太君!)


体が下から貫かれる。


(壁に意識を向けすぎた、こいつどこから…!?)


金の触手の根っこを探す、


(……排水口か!)


触手は溶けて流れるように引き返していく。

今更掴もうにももう遅い、


(………なんでだ?)

(今のは明らかに千載一遇のチャンスだっただろ?)

(ただ、横薙ぎに動かすだけでも良い)

(触手に無数の針を出すのだって有効だ)

(なんで……いや、流石にそこまで細かく考察してる暇は無いか)

(できなかったことが大切なんだ、共通点なんて後で考えれば良い)

(今1番気になるのは……)


「正児さん、何か長めの刃物ありませんか」

「薙刀とか、両手剣とか」


『ねぇよ、そんなもん現代の兵装は皆銃火器だぞ?』

『トランクに入ってないのか?』


「ない……ですね、ナイフとか長くて15くらいです」

「コレだとちょっとリスキーかなと……」


『ん〜ちょっと待て、なんかないか探すから』


「はい、お願いします」


なお、こんな会話のさなかでも敵からの攻撃は絶え間なく続いている。


幾十もの触手が瓦礫の隙間、排水口などから不意を打つように襲いかかってきていた。


金は電気の通りがいい、

お陰で彼は不意打ちだろうがなんだろうが

周囲10m以内に入ったあらゆる角度、位置の攻撃を即座に察知して全て斬り伏せる。


「がっ…!?」


それは金相手だからできる話である。

頭に何か当たったのか急な力によって体勢が崩れ、

脳もないのに何か反射のようなもので意識が断ち切られかける。


(瓦礫をそのまま投げたのか!)


崩れた体勢からもなんとか躱しつつ起こったことを整理、先程までなかった崩れたコンクリートブロックから攻撃方法を推測する。


(なんでこんな方法を?)

(金だと避けられると理解したのか?)

(でもこんなので致命傷には………!)


そんな余裕を


「つっ!?」


敵は物量で吹き飛ばす、


投擲と触手、

連続する攻撃は360度全てから襲い来る。


(せめて槍があれば……)


短いナイフしかない彼には礫の対処はできない。

貫く触手も避けて斬る以外できない、


(プロトさんはまだか……!?)


まとまった攻撃を躱す、

その瞬間背中に何かが衝突する衝撃を感じた。


「流石避難所、ここだけ無事か」

「もしかしたら人がいるかも」


『………いや、無理だな』

『裏にぽっかり穴がある、避難した人も金にして喰われたんだろ』


「………ですか」


彼も流石に歯をきしませる。


(無闇矢鱈に無関係なもんに能力使わねぇんじゃねぇのかよ、こいつ自然だろ?)


(全てにおいて優先順位があります)

(自分の維持、防衛は最優先事項です)

(そしてその次が文明の維持)


「っ、人も文明だろうが!」


そう叫んだ瞬間彼の体は背中から縦3本貫かれる。


「な……これは」


足元にあるのは一本の金の道、

壁の棘に繋がり、

そしてもう一方はあの、怪物の杖に繋がっている。


威力は十分、場所も自在、

随分奇襲性能の高い攻撃だ。


「っ……やべぇ、危なかった、偶然姿勢を下げたからよかったがあと数cm低かったらデバイス貫かれて死んでたな……」

「しかし、速いな……」

「存在を探知したときには貫かれてた」

「………て、あれ、やばい、これ、抜けない」


外に開くように貫いた茨は制御体、みぞおち、上腹をそれぞれ貫いており、体を前にすることでは抜けない。


(まずい、まずい、まずい!?)

(早く抜かないと修復が………っ!)


焦る僕をよそに、

敵は、

王は、

無慈悲に杖を振り下ろした。

初手更地にしたせいで攻撃のバリエーションが無さすぎる……ライブ感で書くもんじゃないですね。

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