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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第10話 ミダス・テゾーロ
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第10話 その5

「爆弾のセットを行う際は万が一を考え絶対に敵に触れるな!」


「第5、第7小隊、位置がズレている、マップをしっかり確認しろ」

「他の隊も億が一も無きように入念なチェックを行え、わざわざ小隊を組ませた意味をしっかり理解しろ、全てはこの作戦の確実なる成功のためだ!」


テキパキとした神座市の指示に基づき複数の部隊は正確な連携を持って動いている。


その迅速さは凄まじく、

完璧に計算された複雑な配置の計46個の爆弾は寸銭のズレ無い状態まで1時間もかからず完了した。


「退避確認」

「作戦を開始する」


さて問題です、

今僕はどこにいるでしょうか?


探知の範囲外?

まぁ、その通りなんですけど。



きっと真下の神座市さんも僕を見上げているだろう

何故って?


………ふふ、それはね?

なんと僕は今、


「上空4000mに来ておりますぁぁぁっ!!」


ほ、頬が風で裂けて引っ剥がされるかと思った……


激しい突風のなか、

最新型のヘリコプターはほとんど揺れを起こすこと無くその高度を保っている。


「高度が高けりゃこんなもんだ」


「だったらあんときも高くしてくれりゃよかったのに」


「お前は射程1kmの狙撃銃で4倍の距離をスコープ無しで撃ち抜けるつもりなのか……?」


雑談というか軽口を言い合う2人

そんな2人に聞こえるように僕は大声で問う。


「あの!落下傘は!?」


「そこのリュックだ!」

「使い方はわかるか!」


「たぶんですけど!」


正児さんは、僕に落下傘を背負わせある程度の使い方を説明する。


「作戦は覚えたか!」


「はい!」


「よっしゃ、行って来い!」


「いってきます!」


ヘリの縁を蹴り、

僕は大空へ飛び降りる。


まだ怪人態にはならない、


いつものキャリーは今真横を飛んでいてくれている高所高速運送用ドローンがしっかりと運んでくれる。


だから安心して僕は遠く離れた自分の住む町並みを見つめる。


「…………うわぁ」


絶景……ではないな。


コンクリートとビルと、アスファルト。

遠くに見える気晴らし程度にしかない樹木が逆に僕を不安にさせる。


この街の山も川も海も、

自然発生したものなど1つもない、

この景観に人の手の加わらない場所など無いのだ。


……まぁ、これは今さらなんだって話なんだけど。

空から見下ろすなんて初めてだったからちょっと期待外れだったのかもしれない。


何より真下はそれすら無い平坦、

たぶん不安感の大元はこっち、

瓦礫だなんだでもはや残されていた家の多くも

もう家とは呼べないものへと変貌している。


夜景であればもう少し増しであっただろうに、

残念ながら現在は前戦闘からきっかり24時間後の真っ昼間。


………いやいや、そもそもこんなくだらないこと考える必要がない。


さっさと降りて、

極力早く、終わらせる!


空気抵抗を減らし、

直通でスピードを落とすことなく……

いや、それどころか加速、加速、加速!


ピコン


「!」


ドローンのランプが青に変わる、

残り1500m





………今!


僕は思いっきり紐を引く。

勢いよく封は解かれ、

リュクにギチギチに詰められていた落下傘が開放される。


「ガッ!?」


急な反対方向の力に胴が千切れるのではという衝撃を受ける、


なれない力に胃がひっくり返りそうになるが歯を食いしばり耐える。


まぁ、何も食べてきてないからひっくり返っても胃液以外何もでてこないけどね、




距離、500!


敵がこちらを探知、

顔を上げ、

視線が交差する、


今まで不動だった敵が動き出す。


しかし、いくら大きくても流石に3桁離れていれば攻撃もでき……るな、拳の風圧とかなんとかで。


だが、


ズドン!

ズドン!

ズドン!

!!!


絶え間ない46の爆発!


威力はかなり抑えめだが地面を壊すのには十二分、


『Gooooo!?』


地面が崩れ足場の無い武道家など宙の魚、

踏み込めず、

届かず、

僕に触れること無く落ちていく。


40mの巨人の腕も掠ることすらできないほどの規模のクレーター、


もがき深く、

誰もいない穴に落ちていくさまはどこか孤独と、

哀れさを感じさせる。




でも、大丈夫。


僕がいる。


「変動!」


落下傘のもう一本の紐を強く引く、

リュクごと開放された僕は同じ穴へと落ちていく。


すれ違うドローンから分離したキャリーを引っ掴み、

シャッターをきる。


体に走るラインは金の光を放ち放出するエネルギーと共に、僕はここにいるぞと敵に教え込む。


故に奴は意識を全て僕に向ける。


着地地点に仕掛けられた罠に気づかずに、



『…………!?』


突如敵が光りだす、

あのときのように。


わざと千切られた送電線は水道管断絶による流水の助けもあって、人ならば3桁回死ぬような電圧が敵に絶え間なく流れ続ける。


「おんどりゃあぁぁぁ!」


水晶をも切断する大斧が右肩を切断する。


………違う、これには無い。


限界強化の蹴りを打ち込むと同時に落下の力を軽減。

そのまま回転と共に高圧電流流れる水の中へ着地する。


「ふぅ、生きてる?生きてる!」


さっきの強化で消費した電力も足から満タンまでチャージする。


「………でかすぎてよく見えないな」

「やっぱりちょっと削るべきか」

「作戦、うまくいくといいけど……」


そんなことも考えるが、

わかんないことを考えるのは時間の無駄なので斧を構えて攻撃に集中することを決める。


「よっ」


電流を浴び続けるせいか間抜けなポーズで動けないでいる敵の左足首を切り上げるように斜めに切断する。


「ん〜、こっちも外れか」


バランスを崩して降りてきた右足を膝裏から切断する。


「常にフル強化ってのはいい気分だね」


僕から発生した熱で足元の水が沸騰を始める。

でも僕自身はあまり暑さを感じない。


今までの火力不足による苛立ちを発散できる現状が、

正直楽しく思えてくる。


「…………良くないな」


そんな感情も僕には一瞬で過ぎ、

冷静に左足も切断する。


『Gold!』


この一瞬、

そう、この一瞬だ。


腕も足も、すべてが水から離れたこの瞬間。


このほんの数秒だけが奴の自由に動ける時間となる。


敵は吠え、形を高速で変える。

ハリネズミのように変わり

無数の金の針が壁を突き刺す。


クレータはかなり大きい。


巨人の長い手も届かないほどに。


故にその針一本一本の長さは自ずと長くなる。


しかも奴は金の塊、

本来柔いし重い。


あんな巨体を支えるには並の本数じゃ叶わない。

槍を生み出せば生み出すほど敵は薄く小さくなっていく。


数十の槍がもう巨人とは呼べないその巨大を吊るす。


『よし、計画通りだ』


通信機から声がする、

神座市さんの声だ。


『小隊、いくつ残っている』


『A小隊、全員生存』


『B小隊、隊長がやられたがコードは無事だ』

『任務は第8番の膳橋が引き継ぐ』


『C小隊、こちらはコードが駄目になったすまない』




『E小隊、全員生存』


『F小隊、俺1人だがなんとか生存、コードも無事だ』


『……………すまない、全員動けそうに、ない』

『だがコードはなんとか刺せた、起動は……できる』








『………了解、全隊コード設置』


『『『『『完了』』』』』


『よし、送電開始!』


その瞬間、


『GOOOOOoooold!?』


怪物に高圧電流が流れ出す。


先程とは違う、

コードを通して、

直接、本体へ。


危険も顧みず動いてくださった皆さんのお陰で

その輝く巨大にノイズが浮かび上がる。


「そこだぁぁぁぁっ!!」


新機能分離(パージ)

薄くなった体表、

捉えたその一点を狙い刃を失った斧は

石突きを槍の先端として全力で放つ。


鋭い矢となった槍は敵のノイズを穿ち、

その体を突き破る。


「届け!」





「届いたぞ、早太」


一発の弾丸が放たれる。

穴を越え、

届けられたコア、

それを彼は上空3000mより射抜く。


脱出ポットにも似た白く幾何学的な球体は射抜かれ……


「は?」


……いや、射抜かれない


コアは即座に槍を金化して吸収、

飛来した弾丸を飲み込んだ。


「まじかよ」


触れられたら金に変えられてしまう怪物から、

なんとかコアの位置を発見し、

金に変えられない何らかの方法で、

一撃で仕留める。

仕留められなかったら振り出しへ、


そんな無理難題が今課されていると

その瞬間、

ソレを目撃した者達は皆理解したのだった。



-----うわ、何この無理ゲーと



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