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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第10話 ミダス・テゾーロ
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第10話 その3

「まじ、ざっけんなよ!?」


「早太!」


迫り上がってくる金の膜に突如爆音と共に大穴があく。


「ありがとうございます!」


小木によって開けられた穴を急ぎくぐり抜け飲み込まれるのを回避したチェインは着地と共に感謝を告げる。


「でかいな」


「はい、でも案外薄いですね」


2丁の小型ランチャーをリロードしながら呟く彼にチェインも自分の意見を交えつつ答える。


「飲み込んだ分全部金に変えてるってなるともう結構な量だよな?」


「……そうですね、少なくともこんな規模では済まないはずです」


閉じられた大口は見上げるほど、

だけどこれくらいの大きさなら、もう少し口壁が分厚くても良いようにチェインには思えた。


いや、彼とて物体の体積など目計りできるわけじゃない。

もしかしたらこの程度なのかもしれない。

そもそも、これが全てとも限らないのだから。


地面から無数の槍が生えだし、

襲い来る。


跳んで、

切って、

撃って、

対処する。


「どうしましょうね、またも攻め手がないです」


「つくづく相性が悪いなお前は」


「やっぱり凍らせるのが1番ですかね?」


「敵は固体と液体を自由に行き来してんだ、たぶん無駄に終わる」


「じゃあやっぱり、少しずつ削ってくしかないですね」


襲来した無数の触手を斬りバラす。


「まぁ、お前はほぼ不死身だからな」


小木もまた拳銃で撃ち千切って落とす。


「そうでもないですよ」

「僕、彼女からエネルギーをなくなるたび供給する形になってるんで大きな欠損は複数同時に修復できません、いや、正しく言うとできないわけじゃないですけど治りが遅くなってその間に限界迎えて契約破棄(バン)です」


地面からの攻撃、

その反応は小木の方が早い。

チェインも遅れてなんとか回避する。


「そもそもデバイス(コア)破壊されたら再生できないしその場で敗北なんですよ」

「ご都合主義で当たってないと思われるかもしれないですけど割りと気遣ってるんですよ?」

「ときには部位1つ消し飛ばされる覚悟で」


両足、絡め取られたが容赦なく片足をナイフで切り離し、デバイスに当たりそうになった槍をなんとか回避する。


「あ、あと長時間首と胴を切り離されてもダメです」

「近くというか視界にあればゲームみたいな感覚で操作もできるんですけど……」

「それこそ前回、迷宮戦で上下斬られて、その瞬間蹴りかパンチでどっちが遠くに飛ばされたら終わってました」


最後の一本を切断した瞬間攻撃が止まる。


「………また、地響き」


「また口か?」


「一応、下がりましょう」


2人は、敵に背を向けて走り出す。


「……って、ちょ、正児さん!いくら強化使ってないとはいえ何で僕と並走してるんですか!?」


「短距離走が得意なだけだ!」

「すぐに並べなくなる!」


地面が揺れる、

地割れが起こり始める、

大地が波打つようにアスファルトが剥がれ、砕け、流れてくる。


「この感じ……何か出てきます!」


「何かってどんくらいだ!」


「わかんないですけど……デカい」


ズゴォン!


土煙と共にそれは現れた、

握られた拳が天に掲げられた。

曲げられた腕の先、

左拳は奴の耳のあたりで構えられている。

それはあまりの巨体、

クウォーツだ何だは話にならない。

その大きさは40、


金キラキンの像のような、

彫刻のような出で立ち。


それはまるで


「ゾーフィ……?」


首が痛くなるほどに見上げる。

その色、

その大きさに思わず彼は呟く。


「何で大きくなった?」


「いっちょんわかりません!」


「しかし、金なんて重くて柔らかいもんでできているんだ、どうせ動きが遅くってだんだん自重で潰れ


ズドン!


隕石とも見惑うような拳が襲来する。


早い、

想像以上に速い。

人間ボクサーの拳と大差ないぞあの巨大なのに。


先程よりも大きな被害が街を襲う。


爆撃のような一撃よって生じた揺れは亀裂を生じさせ、せっかく無事だった家屋のガラスは粉微塵に砕け散り、砂利だ破片だが煙のようになって波として襲い来る。


そんな一撃にチェインは、


「ぬうぁぁぁぁ!?」


拳をなんとか回避して同時に展開した水晶の壁、

直接の衝撃はなんとか防いだが風圧の凄さに今、飛ばされようとしていた。


「やばい、やばい、落下死はまじでやばい!」


なんとか耐えるチェイン、

それに対して小木はというと、


「危なかった」


2本の手持ちナイフを地面に突き刺し、

宇宙海賊のように靴の隠しナイフも地面に刺して、

どこから取り出したかもわからないテントの外膜ほどの大きさのマントを防塵シートの代わりにして身を包んでいる。


もはや1つの貨物のようだ。


これによって砂塵による被害を完璧に


「マントが薄すぎる、痛ててて……!?」


完璧……ではないようだが防いでいる。


聞いたこともない彼の口調にチェインは思わず笑いそうになる……が、一応現在は大ピンチ。

笑いを飲み込んで全力でしがみつこうと決心した瞬間。


「あ」


結晶壁が地面ごと剥がれる。

僕はそのまま風に乗って飛んでいく。


「おい、どうした!?」

「くそ、見えない!」

「って、あ」


それに慌てて小木も固定を解いたがために、

マントが風を受け、膨らみ、彼の体を大きく浮かばせる。


離陸


「「のわぁぁぁぁぁ!?」」


2人して風で飛ばされる、

というか奴め、いくら何でも闇雲に殴りすぎだ、

連続で起こった3度の揺れ、

それはきっと奴が拳を3度振るったが故だろう。

それでもこの2人、

この程度でくたばる男達ではない。


「ちょ、正児さん大丈夫ですか!?」


「……っ、大丈夫だ!  ってペッペッ」

「やべ、口内ズタズタだジャリジャリする」


「……どうします、次」


「…………はぁ、撤退だ撤退」

「こんな巨大なの爆撃くらいの火力でないと相手にすらなんねぇだろ」


「ですよね、了解です」


敵は何でか知らないがこちらを直接殴っては来ない、

この砂塵も撤退にはピッタリだ。


ありったけの煙幕を焚いて風に載せ、

彼らはこっそりと撤退する。


全力で敵に背を向け走る、

途中転けそうになったチェインが支えられ、

途中足を痛めかけた小木をチェインが防ぐなんて事もあったが、敵だってじっと見てるほど優しくない。


「………あ、まずい!」


締めの一発、

拳を解いたパーによる一撃。


砂塵の波、

礫のナイフ、

爆風のようなものが迫り来る。

薙ぎ払われた手によって掬い取られた家屋が雨のように降りしきる。

……これ僕はいいとして正児さんは危険だ


「………正児さんなら大丈夫ですよね?」


「あ?」


バコン!


僕の足によってこじ開けられた暗いマンホールの底へチェインは小木を放り込む。


「ちょ、まっ!?」


ちょっと歪んだマンホールを無理やり蓋として穴に捩じ込んで叫ぶ彼を無視して保護する。

彼にとっさに結び付けたワイヤーと、

蓋に通したワイヤーが彼の落下死を防ぐ。

横に叩きつけられて多少の負傷はあるだろうがまぁ、

そこまで大きいものにはならないだろう。


この下が道路行だったか搬入路行か、はたまた水路移動用だったかは彼には分からなかったがどちらにせよ上よりかは頑丈だし、

砂塵で失明などを考えたら下の方が安全だ。


《Include》


そしてチェインはその後急いで全身を強固な結晶へ変質させる。





「くっそぅ……あいつ、無茶しやがって」


道路封鎖によって動けない車達を見下ろし、

たった一本のワイヤーに命を預けながら、

今頃瓦礫に固まったまま埋まってるであろう青年に彼は呆れながらも毒づいた。

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