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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第10話 ミダス・テゾーロ
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第10話 その1

「率直に言おう、金が無い」


局長机でゲンドウしている局長がおもむろにそう述べた。


「それはあの給金を返せってことですか?」


長机に座る者の1人、早太が首をかしげる。


「そんなはした金など焼け石に水程度だ」

「問題なのは開発費の未払いと予算の減少だ」 


「未払いって誰の何のだ?」


「HA-08のタチバナ代だ」


「タチバナってぇとあれか、あの昆虫みたいな」


「そうだ、あれのオプション等合計開発費が35億」

「大量生産しようにも一式安くて1000万だ」


「そんなかかるんですか」


「当たり前だろう、あの武装1つ1つに使われてる技術は表の技術じゃ再現できない品ばかりだ」

「それをゼロから作る、しかも複数」

「無茶をいった割にこれは協力してやることの対価だとか向うは言ってくるしで……」


局長は大きなため息をつく、

胃は痛くないのだろうか。


「それが初戦で壊れたのか……」


水晶戦を回想しながら複雑そうに早太は呟く。


「あの、予算の減少ってのは……」


「結果不足だそうだ」


「は?」「え?」「ん?」「あ?」


ちょっと想定外の返答に4人全員首をかしげ、

変な声が出てしまう。


それを局長横の綱持もわかるわかると首を縦にふる。


「え、結構倒しましたよね僕ら」

「W、V、B、Q、M……」

「5体」


「………その内こちらでトドメを刺したのは?」


「………2体です、けど…え?」

「上って馬鹿なんですか?」


「実戦でトドメを刺せない部隊はいらない…らしい」

「まぁ、おそらく本音は金がないからだろうな」

「前回に比べて怪物共による街の被害が大きすぎる、ガス会社への詫び金だけでも目が回るほどでな」

「建物の修理費だ何だも上持ちだからな……」

「お陰でトドメを刺したものが権利を持つの一項にこっそり特別予算の権利も含んであったという……」


「詐欺みたいな話ですね同情はできるけど」


「というわけで君には決定力を身に着けてほしい」


「………と、言われましても」

「殴る、投げる、放電するの3つしかできないですよ僕、燃費も悪いし」

「何なら正児さんのほうが多芸です」


「どうにかならないか?」


「現状どうにも……」


全員う〜んと頭を悩ませる。


「………あ、じゃあこれ使ってみたらどうです?」


アルがどこからか取り出した物を早太に渡す。


「これって、どれ……………」

「………おい、何だこれ」


一瞬絶句した彼はなんとか平常心を取り戻してアルに尋ねる。


「もう、何って分かりきってるでしょう?」

「そうだな、うん、それじゃ言い方を変えるよ」

()()()()()()()?」


それは1枚のプレート、

写真フィル厶のような模様に囲まれ、

中心に大きく、

形状を模したアルファベットが刻まれている。

そのアルファベットは



契約者と共に行方不明とされていたプレートである。


「行方不明じゃなかったのか?」


「言ってませんよそんなこと」


彼の問にキョトンとした表情をアルはする。


「………」


それを聞いて急いで以前の会話を思い出す。



『そうですね……私達より先に連れ去った誰かが居た』

『もしくは珍しいケースですが契約者がすぐに目覚めて自分の足で立ち去った』

『この2つてすかね』


「………たしかによくよく聞くと契約者の行方についてしか言ってないな」


「ね?」


「ね?じゃないだろ!?契約を破ったら暗部の連中がなんて言ってくるか……!」


「なぜです?トドメを刺したものが身柄を自由にしていいって契約ですよね、ならプレートは身柄じゃありません」


「屁理屈だ」


「予算のことだって屁理屈なので問題なしです」


「………まぁ、そこは私がどうにかする」

「向こうも契約者がいないのではプレートだけあってもどうにもならないはずだ、問題なかろう」


「……で?」

「それをどうすんだ?」


小木が話の流れを戻す、


「……まさか心臓にぶっ刺すとか言わねぇよな?」


冷や汗を流す彼に彼女はデバイスの各機能ごと使用方法を説明する。


「えっと、皆さんカメラカメラと言うのでカメラに例えて説明すると、まずシャッターに当たる部分が人間態と怪人態を切り替えるスイッチです」

「あ、この横のよくわからない部品は先日早太君が華家来さんに預けたときに追加された契約が破棄されそうになったとき強制変身解除装置です」

「正面から見て右側面、この隙間」

「ここがプレート挿入口」

「前面左のグリップに刻まれた紋章が使用者の器に溢れてるエネルギーの属性を表示する場所です」

「1度刻まれるともうその属性の人しか使えません、外して対応のものに付け替えれば別の属性の人も使えます」


「フェイスプレートみたいだな」


「?」

「あ、でこの裏の画面みたいな場所これが心の器から送られるエネルギーを最適化……まぁ、人間でも耐えられるものへと変換する装置です」

「ベルトの本体はへそ辺にある心の器からデバイスにエネルギーを供給します」

「そしてこのレンズの奥にあるパーツがプレートにエネルギーを供給し、怪人態を維持します」

「このときプレートに流れきらず漏れ出たエネルギーが存在します、そこに他の……属性が同じプレートをかざすことで数秒、もしくはかざしてる限り他の能力も出力は大幅に下がりますが使えます」

「まぁ、実際に見たことはないですけど」


「ふむ、早太君試してみて貰えないかね?」


「ここでですか?」


「あ、椅子が邪魔だね小木、端にどかしてくれ」


「え、局長、まじてすか?」


「まじだ」


「いや、やめてください局長!?」

「万が一備品が壊れたりしても補填できませんよ!?」


局長の急な提案、

それを補佐役である綱持が慌てて止める。


「だめかね?」


「だめです」


「どうしても?」


「どうしてもです」


「はぁ……融通が効かんね」


「金が悪いんですよ金が」


「それ以前の問題だと思うぞ?」


「………はぁ、純金の雨でもふらんかなぁ」


「そんなことしたら傘も人間も穴だらけですよ」


「皆さん大変です!」


ハッハッハハと笑う部屋に局員が飛び込んでくる。


「なんだね?」


「金による大災害です!」


相変わらず怪物どもの進撃は間を知らないらしい。

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