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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第9話 アリアドネの弾丸
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第9話 その2


「まじか、いつだ?いつここに紛れ込んだ?」

「うわぁ、手抜きせず随時地図を確認しとくんだった……」


頭を掻きむしりながら彼は鞄を片手であさり、

中からスマホを引っ張り出す。


「最後に曲がったのいつだ?15分くらい前?」

「わかんない、今2時37分だから全体ではかれこれ1時間半は歩いてたことになる……はず」


慌てたせいで揺れる指がパスコードを打ちそこねる。

5度の失敗、

スマホは15秒の入力不可状態となる。


「…………だめだよね、焦っちゃ」


暗くなった画面に映る自分を見つめながら呟いた彼は

ゆっくりと息を吸い、

吐いて、

そして再びゆっくりと息を吸ってそのまま止める。


漫画で学んだ落ち着き方だ。


「曖昧なことに悩んでも仕方ないよね」

「今はまず……………いや、うん」

「まず、どうしようか」


早太はう〜んと考える、

何だが思考が纏らない、

……いや、元より人の思考など加速しなければこの程度だ。


「とりあえず……」


入力制限が解除されたスマホを起動して落ち着いた手先で例のマップを開く、

するとそこには最初よりも遥かに増えた無数の印がはっきりと点灯している。


「………発振器の位置は確認できるんだ」

「更新するたび増えてるからこの空間に入ってしまった瞬間の状態で固定されてるわけではないってことがわかるから……僕が今試すべき行動は」


加速しない思考と、表に出さないながらもうちから襲い来る焦燥感に苛立ちながらも彼はどうにか方法を考え出す。


「……起動して僕に付けてみよう、僕の位置はどうなってるか知れるかもしれない」


さっそく早太は鞄から取り出した1つを起動して自身

の胸にバッチのように貼り付ける。


「………お?」


ピコンと光が1つ増える、

神座市さんに教えられた座標、

件の間夜井摘夢里の家の真上に。


「どういうこと?」


早太は首を捻る。


「隊員の誰かが家に押し入って発振器を付けた?」

「う〜ん、考えづらい……かな?」

「なら……」

「ここは間夜井家の中?」


彼は首を捻る、


「いや、まぁ、ありえなくはないけど……」

「あ、もしかしてこの異空間にいる人は全てここに表示されるとか?」

「………ん、そもそも発振器がしっかり反応してるってことは電波が通ってるってことだよね?」

「なら……」


その瞬間、

スマホの着信音が鳴り響く、

その画面に映し出された名前は


「あ、もしもし小木さんですか?」

「ちょうどよかったです」


繋がって良かったと胸を撫で下ろしてから早太は電話相手である、小木へと語りかけた。


しかし、


「……正児さん?」

「もしもし!正児さん!正児さん!」

「聞こえますか!」

「緊急事態です!応答してください!」


反応が無い


電話の向こう、

コール音も留守番電話のボイスもない、

ただ無音が電話の向こうにあるだけ、


「……これは」


電話がブツリと切れる。


「向こうの音を受け取れない……?」

「……いや、違うかな」

「それなら正児さんは絶対に電話を切らない」

「お互いの声が聞こえてないんだ」


スマホをしまい、彼は頭を悩ませる。

数秒唸りながら考えた後、


「うん、やっぱりここは彼女に連絡が1番かな」

(アル、聞こえる?)


彼は声に出さず、

極力強い思念を送れるよう集中する。


(…………アル?アル!アルドナープ!!」


(はっ、はい!)


思わず声に出してしまった瞬間、

彼の頭に急に彼女の声が響く、


(な、なんですか急に!?)


「あ、いや、ごめん、通じなかったから」


(そういうときは声に出してください!)

(そっちのほうが聞き取りやすいんですから!)


「そうなの?」


(仕組みを説明しましたよね!?)


「そうだっけ?」


(……はぁ、それでどうしました?)

(もう間夜井さんの家に着いたんですか?)


「う〜ん、着いたといえば着いたし」

「着いていないといえば着いていないというか……」


(?)


「えっと、何かまた別の空間に閉じ込められたみたい」


(え、いつ、どうやってです!?)


「……わかんない」

「そっちは?延々とまっすぐの道が続いてたりしない?」


(しないですよ!さっきからいろいろ曲ったりしてみてますがそんな気配一切ありません!)


「そう……わかった、とりあえず探索は中断して何で入ったか考えてみることにするよ」


(お願いします、私はとりあえず隊員さんと合流します)


「わかった」

「……あ、あともう1つ」


(何ですか?)


「君に電話してもいい?」





「さて……」


道路にあぐらを出座り込んで彼は首をかしげていた。


(いつのタイミングで入ったんだ?)

(何か兆しはあったか?)

(う〜ん、とりあえず今はわかることをまとめよう)

(通信はできる、発振器だって反応がある)

(つまりここが何であれ電波は通じてるってことだ)

(けど、音が出入りしない)

(通信者の声はもちろん、風の吹く音すら)

(今通信できるのはアルとだけ、それはたぶん通信の仕組みが電話とは違うからだ)

(彼女の声を出してるのはあくまでも僕の中に宿っている彼女だし、僕の声を聞いているのもあくまで30%ぶんの彼女だ)

(僕と彼女との会話では一切外への通信を挟まない)

(つまり……)


彼はスマホを取出し、

ポケットのくしゃくしゃの紙を開く。

あまりなれない手付きで操作し……


「…………!」


『あの、もしもし、どちらさまでしたでしょうか?』


(通じた!)

(やっぱり空間内なら音を届けられる!)


「もしもし、聞こえる?華家来さん」

「僕は本郷、本郷早太です」


『え、あ、はい聞こえました』

『お願いです助けてください!』


焦った声が聞こえてくる、


「………落ち着いて聞いて」

「まず、大前提だけど僕もここの出方はわからない」

「いくつか考えられるけど時間がかかる」

「それに情報が足りない」

「まず、君と合流したい」

「そこから動かないでくれ」


『………そうでしたね、慌てたってどうにもならないんでした』

『わかりました、ここで座って待つことにします』


「うん、ありがとう」


『あの、せめて聞きたったんですが……』


「何かな?」


『他に巻き込まれた子は大丈夫でしたか?』

『それがずっと、心配だったんです』


その言葉を聞いたとき、早太へ驚き、目を細めた後笑顔で、


「大丈夫、君以外は全員保護されたよ」


『そうでしたか、良かった……』


「しばらくかかるかもしれないけど、頑張って」


『はい、待ってます』



電話が切れる、

彼はゆっくり、倒れ込むように壁によりかかる。


「………まさか?」

「いや、それには理性的すぎる」

「でも、もしも……」


彼は暗い顔でぶつぶつと呟き続ける、


「まぁ、いいや今は」

「彼女を探すとしよう」

「………まあ、目前で解除すればいいよね」


彼女は彼が半怪人だということは知らされていない、

それでも先を急ぐならば使わないわけにもいかない。


「変動」


早太がチェインとなる、

辺の気配に変化はない。


「………うん、大丈夫そう」


彼は走り出す、


(急がないと、彼女がずっとここに閉じ込められていたとしたら3食抜いてることになる)

(携帯食料は無い、でも水だけでも届けないと)


自然と足に力が入る、

アスファルトにくっきりとヒビと足跡を残して彼は先を急ぐ、

加速した思考と共に。



前はまとめて投稿してたんですよね、

受験が終わったら戻すつもりだったんですけど忘れてました。

正直書くペースもわかりませんし、「何ヶ月投稿してません」とか表示されたくないので戻さないことにします、すいません。

平日の登校時間の電車で今は書いているので3日に一度くらいのペースで投稿していきたいです。

(もう、この話自体が6日ぶりとかですけど…)

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