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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第2話 中央議会とこれからのこと
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第2話 その1

「動くな!」


その声で早太(はやた)の動きはピタリと止まる。


「言葉が通じているな?」

「なら、手を頭の後ろに組み膝をつけ」

「そうしたら苦しませず殺してやる」


「はぁ?」


言うことを聞いて膝を突こうとした瞬間、

思わず出た素っ頓狂な声と共に動きが止まる。


「え、何、殺されるの、僕」

「な……何で?」


拘束こそされるとは思っていたがまさか殺されるとは思っていなかった早太は思わず告げた男に尋ねる。


「………さっきの戦いを見ていた」

「鳥の怪物が死んだ瞬間、人に戻ったな?」

「ということはお前も元は人間」

「殺せば戻るんだろ?」


なるほど一理ある、

と、わかりやすくポーズを取りながら頷く。


(……でも、どうなんだ?)

(さっき、頭突きとかは普通に痛かったぞ?)

(半怪人の場合、死んだらそれまでの可能性だって)

(十分にあるよな……?)

(でも……逃げれるか?)

(電気エネルギーはもう殆どゼロ)

(近くに摂取できる場所も無い)

(う~~ん)

(どうにか人間の状態に……)


『なれますよ?』


(ん?)


人に悩みまくっていると頭に声が響く。


『アルか?』


『アル……?ああ、はいアルです』


『無事?』


『はい、無事です、傷一つ無いし、今のところ彼らに目を付けられてもいません』


『そう、で、人に戻るってどうやって?』


『腰に機械が付いてるはずなんですけどあります?』


『あるよ、このカメラみたいなのでしょ?』


『はい、そうです』

『それのシャッターボタンを押せば人───


「早く突け!」


ドン、ドン、ドンと、

3つの音が辺りに響き、

右足を囲むように三つの穴が地面に空く。


スレスレだ、しかし、かすっていない。

狙ったのならすごい技術だ。


「あの~」


「何だ」


「もし、人と怪物自由に行き来できるって言ったら信じてくれます?」


「無理だな」

「ノーモーションでできるなら様子を見ても良いが」

「自由に動かせてやるわけにはいかない」


(そりゃそうだ)


そう彼は心の中で呟く。

動いた瞬間雷でも撃たれたら彼らは対象できない。

極力敵に動きをさせないのは対象としては当然だ。


しかし、


(融通きかないなぁこの人……)


仕方ない、運に任せるしかない。


そう、彼は腕を頭の後ろでくみ、膝を突く。


「それでいい、動くなよ……」


彼は目を頭を下げる。

その目は閉じれない。


ただまじまじと地面を見つめる。


そして今引き金が───


「止めろ小木(こぎ)!」


女のような声がする。

男……小木の後ろから一段階防具の少ない挑発の覗く、

おそらく女であろう人が現れる。


「意志の疎通が可能なら拘束しろとの命令だったはずだろ!」


女は小木の肩を掴む。


「……人間なんだぞ?」

「そのままにしろと?」


「戻れるはずだ、そうだろう?」


女はこちらを見る、

どうやらこっちの力を知っている、

そう示すかのように彼女は告げた。


「……はい」


早太はゆっくりとシャッターをきる。

その瞬間体がフラッシュの如く輝き人に戻る。


「………拘束する」

「ベルトを外しこのケースに入れろ」


小木は地面に置いてたケースを蹴り飛ばし彼によこす。

それは彼の前に止まると同時に四角のロックが外れ、

ゆっくりとそれが開く。


彼は言葉に従いゆっくりとベルトを……


(あれ、外れない)


(上です、スライドして)


(あ、本当だ)


するりと本体が抜ける、

そしてその瞬間、ベルトが霧となって消える。


そして、


バシュン!


「うわっ!?」


横の隙間からあのプレートが飛び出す。


「あ、何だ途中で止まるのか……」


プレートを引き抜き、クッションの隙間に。

本体をクッションの上にゆっくり収める。

そして蓋をする。


その瞬間、


プシュゥゥゥ


「え、な、何っ!?」


突如自動ロックと共にケースからガスが噴き出す。


(……煙っ!?)

(っ……てか、眠い……)


それを真正面から受けた瞬間、

彼は泥のような眠気の中に沈んでいった。


「……いやな仕掛けだ」


銃を下ろした小木は呟く。


「最も安全な拘束、無効化手段だ、文句を言うな」


ゆっくりと歩み寄る女はケースを持ち上げる。


「直ちに二名の身柄を拘束しろ!」

「特に怪物だった方は目覚めると同時に再び怪物化する可能性がある」

「封印ケースに入れて運べ」


「「「ハッ!」」」






『本日のニュースです』

『本日午後12時半ごろ、第7区の夢の森学院高等部校舎にて身元不明の男性1名による校舎破壊事件が起こりました』

『男は複数の爆発物を所持しており、主に東校舎の4階を破壊したと思われており』

『逃走中に駆けつけたイースランド・プロテクターズにより拘束されそうになったところ所持していた爆弾で自殺したとのことです』

『中央議会は「この事件においてテロの可能性は限りなく低い」と発表しながらも今後不審物や不審な人物を発見した場合は速やかにイースランド・プロテクターズに通報し、決して近づかぬよう呼びかけました』

『なお、この事件による被害は死者0名負傷者2名』

『建物は捜査終了次第修復工事が行われる予定であり』

『生徒の安全も考慮し明日より2週間、生徒は自宅授業となる予定です』

『では次のニュースです』

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