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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第7話 Question the Question
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第7話 その7


何故だ、

何故だ、

何故だ、

何故だ!?

勝てない、

勝てない、

勝てない!

ああ……どうすれば

どうすればいい?

どんな姿なら、

どんな能力なら………


そうだ

(あれ)になればいい。

奴の体型、

奴の腕力、

奴の能力……は無理だが

まぁ、大丈夫だろう。

何もかも同じなら




私に利があるのだから。




泣き声がする。

それが届くより速く、

無数の礫が飛来する。


(岩……いや、水晶玉か!?)


斧をヘリのように回転させそれを防ぐ。


(重い……球速も速い)

(けど、狙いが絞れてないというか……雑というか……)

(たぶん数で押し切ろうとしてるんだ)

(でもそれで攻めきれないならすぐに別の手段に移るだろう)

(………正直妙だ)

(本当にこいつらには理性が無いのか?)

(いやまぁ、知性が無いとは言ってなかったけど……)

(何か……隠してる気がする……ッ!?」


現実は漫画のようにはいかないらしい、

連続する砲弾によって斧が弾かれる。


「まずい!?」


飛来する礫


『邪魔です』


「うお!?」


プロトはチェインを蹴ってどかしタチバナから回収した盾を地に立て防ぐ。


『収まる様子がありませんね』


「……じゃあ、雑には雑でいこう」


起き上がったプロトは盾の後ろに転がり込んでプロトに言う。


「合わせて」


『………ふむ、なるほど』

『了解しました』


ハンドルを肩に刺し全力で回し、

生み出されたエネルギーが足へと集約、

そしてチェインの足に電光がまとわりつく。


「いくよ、せーの!」


2人同時の蹴りにより壁のように大きな盾は倒れることなく的に向かって飛んでいく。

それを前に敵は、


「飛んだ!」


「狙いを集めろ」

「全員一斉掃射!」


チェインの言葉、

それを耳にした分隊長の声に合わせて隊員達が一斉に銃撃を始める。


「…………!?」


怪物はとっさに腕で身を守る。

やまない銃声、

防御を捨てたか敵は何とかといった様子で1球投げる。

踏み込まない分か球速はだいぶ遅く、


「そりゃ!」


その大斧で打ち返すことに大した苦労は無かった。


「っ!?」


打ち返された球は真っ直ぐと敵の肩を射抜く。

貫きも傷つけもしないながらもそれは敵のバランスを崩すには十分。

体勢を戻せなかった敵はそのまま彼の目前に落ちる。


これは好機とチェインは倒れる敵目掛けて斧を振り下ろす………が、


「!?」


久方ぶりの水晶攻撃、

大地から生えた無数の水晶柱が斧を防ぎ、

彼を襲い、

斧を弾き飛ばす。


すぐにチェインはその場を離脱、

自身目掛けた水晶柱を足場に上へ跳び、

斧の持ち手を踏み刺さった刃を無理やり引き抜き、

その斧を掴み地を突き水晶突きでさらなる追撃を躱す。


ラスト一本踏んで跳び、

体ごと漫画のように回転し斧を振り下ろす。


『避けられるぞ!』


「………点…火!」


握る持ち手に電気が走る、

その一瞬黒鉄一色だった斧に白い回路が走る。

無骨な後部が開き、

火と煙を放ちその速度が加速する。


奥の手その1

ジェット噴射


急な加速に回避が間に合わず、

肩から腿へとその重い刃が一刀両断する……はず、


「ん?」


そうなるはずの重い刃がクウォーツの肩を掠める。


(…………避けられた?)


加速した刃は勢いを失うことなく地に突き刺さる。


(いくら何でも掠るだけってことはないだろ普通)


そんなことを考えながら斧を持ち上げ……


(………抜けない)


アスファルトに変に引っかかったのか斧はピクリとも動かない。


(どうしたもか………ってうぉあ!?」


もちろん敵が抜けるまで待ってくれるわけもなく

水晶の槍がチェインを襲う。


2度3度、

回を分けて追撃、

しかし回避に徹する彼の目はっきりと違和感を感じ取っていた。


(………!)

(この感じ、敵に制限が増えたな)

(あいつ今は水晶を発生するとき一歩踏み出さなきゃいけないんだな?)

(……なら自由に敵が動ける状態は不利)

(というかこんな大雑把な攻撃ばかりなら……)


近接戦闘がベスト!


拳が交差する。

石のように……というか石そのものな硬い拳がチェインの頬を殴る。

そしてチェインのサックを握った拳もまた敵の顔面を穿つ。


「硬ったい!」


仰け反った体を起こし、

反動で痛む拳を払い吐き捨てるようにそう言った。


(思いっきり合わせてきやがった……)

(拳が重い、受けて打つじゃ押し負ける)

(避けて打つ……いや、打たせず打つ格闘技(ボクシング)で行こう)


見様見真似、

知識のない戦法を選び、

構え、

少し跳ねる。


(正直漫画ですら読んだことないけど……)

(………あ、1人いるな蝦蛄の人がボクサーか)


繰り返し拳を放つ、

互いスレスレに躱しながらも攻めの姿勢を示すチェインの前進によりクウォーツは踏み出すことができない。


地に足が付き間があればその足を払い、

徹底的に敵の前進を防ぐ、

手裏剣やナイフ、

持てる全ての武器を浪費して時間を稼ぐ。


長い、

こちらの戦法を真似るように敵もただ拳を放つ。

当然のようにチェインもその全てを躱す。

この拮抗した状態、

それはあまりに妙な展開だった。


(おかしい、何か変だ)


振るう拳を止めぬままチェインは訝しんでいた。


(攻撃を避けられる、これはまぁいい)

(全部わざわざ避けてくれるおかげで足元からの攻撃を防げてるからな)

(………だが、こうまで避けれるものか?)

(拳や足払いはまぁいい)

(だけど急に手の中に現れたナイフを避けれるか?)

(手裏剣も避けられる)

(いや、そもそも何故避ける?)

(ナイフの刃が通らないことに気づかないほど知性がないなんてことはないだろうに)


(………まさか未来視?)


(水晶→水晶玉→占い……無理やりだが無い話ではない……よな?)

(となると怪しいのは僕のコアを模した()()

(あれが核か?)

(それなら狙撃してもらうが……)

(………いいや、それはないな)

(わざわざ新しい形態になったのに今まで隠してた急所を丸見えにするなんてありえない)

(核じゃないなら壊してもすぐに治る、弾の無駄だ)


「プロト君、例のあれあとどんくらい?」


『………チャージ完了、しかし現在使用許諾取得に難航』


「なんで!?」


『市街にての使用は危険とのことです』


「……っ、何を今更!」


嫌悪感の混じった声と共に拳を放ち続ける。

無駄だとしても今は時間を稼ぐしかない。

ただがむしゃらな攻撃、

掠ることなく敵は全てを避けていく。


(………未来視、水晶、占い、第5地区)




「…………あ」


『?』


契約者(中身)は彼女か」


『誰が契約者かわかったのですか?』


「たぶんね」


『誰です?』


「ごめん、名前は知らない」

「RIONの階段下で占いをしてた女の人」


『検索します』

『…………?』

『該当無し』

『そんな人いませんよ』


「………そう?」

「じゃあきのせいかも」


追求されても答える暇が無いので1人思考する。


(もしあれの契約者が本当に彼女なら能力のヒントがある)

(あの詠唱と彼女の言動だ)

(怪物の能力は契約者のイメージが大きく影響する)

(思い出せあの小っ恥ずかしい言動を………)

「あ」


思考に意識を裂きすぎた、

拳と共に敵の前進、


「させるか!」


すかさず懐に入り込みその腕を掴む、

足を強化した横薙ぎで払い、

胸の球と胴の隙間に指を掛け、


(投げ………ッ!?)


掴み返された腕が硬化する、

いや、それどころではない。

触れられた場所から順にその腕は透き通る石へと変化していく。


(………っ、力が入らない)

(けど、この体勢からなら………)

(このまま投げれる!)


力に任せない流れるような術、



「「うまい」」


柔道を収めるある隊員が思わず呟いた、


外見を裏切るような重量を誇る鉱石の塊が、

地を離れ、

天をまたぎ、

その体は地面へと叩きつけられた。


「あ」


と、同時に枯れ木のような水晶樹が彼を包み串刺すべくアスファルトを破って襲い来る。


「させるな!」


「おう!」

「耐えろよ本郷君!」


付近が手榴弾で爆ぜる、

肌に熱を感じる、

砕けた水晶樹の破片が肌で跳ねる。


「!」


それにより地面がひび割れ、

斧の囚われが崩れ開放されたのが目に映る。


彼は転がるようにそれを目指し、

立ち上がると同時にその大斧を拾い構える。


「すぅ………ふん!」


水晶化した腕を斧で断って再生することにより無理やり水晶化状態を解除、


「………っ!」


(反射的に斧を取りに動いたけど敵から距離を取るべきじゃ無かった!) 


水晶柱を躱しながら彼は内心後悔していた、


「プロト、許可は!?」


『下りません』


エネルギー温存のためビルに隠れているプロトとに通信で問う。


「くそ上司共が!」


生成した水晶槍の投擲を弾き、

振るわれた水晶剣をスライディングで回避、


「市街での使用が危険って厳密には何が駄目なんだ!?」


『………どうやら付近にある重要施設が破戒される可能性を危惧しているようです』 


「それは何処にあんの?」


じれったくなったチェインは無理やり攻めへと移る、

攻めては躱され、

攻めては躱され、

攻めては防がれ、

攻めては躱される。

力任せに振り下ろす大斧など、

今更敵に害を為せるはずもない。


『こっから南西に1.5kmほどです』


「んな遠くならいいじゃん別に!」


『それほどの威力ということです』


「……………そりゃ期待できるね」


商店街中を駆け抜けながら攻防を繰り返す、

ゆいつ切らない手と足裏の感覚がだんだんと彼に限界を感じさせる。


(攻撃せず回避に徹っしてるからまだ保ってるけど電力ももうすぐ底を尽きそうだ……)


「プロト君、他に破壊されたら困る場所は有るか確認して!」


『確認中………』

『確認完了』

『北西のビル群と、南の美術館、東の塔、北の神社などが射程に入っているとのことです』

『……つまり全方位発射不可能です』 


「………それ全部、本当に壊しちゃいけないのか?」


『再建不可能に手間のかかるものがここには密集していますからね』


「他には?」


『…………とくには』


「ok、それに危害を加えなければいいんだね?」


『はい、そう申しております』


「言ったね?」


『………はい』


「じゃあ、こう伝えてくれる?」




『………正気ですか?』


「それしかないでしょ」


『………了解、作戦を中央へ伝達』

『……………………』

『………承認確認』

『発進準備完了、発進、到着まであと12分』



「よっしゃ!」

「了解、皆さんここで決めますよ!」


「「『了解!』」」


小さくガッツポーズをすると共にチェインはまた斧を構え直した。

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