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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第23話 ゆくとらしく
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第23話 その4

「みんな…………死んじまぇぇえぇぇッ!!」


「おっと」


これは茨?

………違うな、これは根っこだ

根っこに何か黒い結晶のような物が生えている。

彼女の変化した姿は人と植物が混じり合ったような姿、

蔓のような髪、深緑の肌、枯れ木と葉で作られたような衣服。

しかしその至る所に花のように黒い結晶が咲いている。


(………あの結晶は彼女の能力なのか?)


どうも不自然だ

なんというか共通点が無いんだ

花に見えるのは植物に生えているからであって、単体で見たらただの鉱石、そもそも結晶の花ってなんだよって話だし。


………そういえばあの独特な黒、見た覚えがある。

つい最近、というか昨日

オルトロスに纏わりついてたあの色だ。

あっちは泥みたいだったけど今思えばちょくちょく硬くなってたような気もする。


もし、あの泥とこの結晶が同一だと仮定した場合、あれはけして無視できない。

昨日の敵には違和感があった

幻想系、電脳の意思で動き回る怪物、オルトロスもそうだったはずなのに

昨日の敵からは知性というものを微塵も感じなかった。


そして


「邪魔っ、邪魔ぁっ、邪魔ぁァッ!!」

「邪魔なのよ!何もかも!!」

「ここは………私だけの居場所なのよ!!」


なんか変だよ、彼女

鬱とかヒステリックって言えばそれまでだけど、

なんというか、人間ってこんな短期間でここまで溜め込むことができるのか?

………いや、これは見当違いだな

彼女の鬱憤はこの花壇を作る前から溜まりに溜まっていたものだ、

唯一の心の支えを失えばこうなるのも道理なのかもしれない。

…………道理かぁ?


理解はできないけどまぁ、ありそうな話ではある。


正直苦手なタイプの思考回路だ


まぁ、とにかく!

あの結晶は怪しい!

もはや勘みたいなレベルの発想だけど


だけどどう考えたって中から生えている結晶を取り出す方法は無い

オルトロスを倒したら泥も消えたんだし

たぶんこいつを倒せば消えるでしょ

そう、倒せばいいんだ


「幸いそんな強くないし」


………ごめんなさい、

自然にこぼれてしまったんです

現状を正確に把握したつもりでの一言だったんです

悪気は……というか別に悪いことしてなくない?


「舐め腐ってぇッッ"!!」


結晶がさらに肥大化する


感情に呼応してるのかこれ!?


急に伸びるものだから咄嗟の回避が少し遅れる、


「……やっぱり体が重く感じる」

「チェインIIに慣れすぎたかな」

「………あ、なるそど、ヒーローが常に最強フォームを使わないのはもし使えなくなったとき見るも無惨な結果にならないようにするためか〜、納くっ!?」


コンクリートを貫いて生える強靭な根が

コンクリートをズタズタにするほど鋭利な結晶を生やして襲ってくる。


「言葉だけなら強そうなんだけど……」


僕はうねり跳ね上げた根を踏み飛び

次の根から次の根っこへ

ピンボールのように跳ね回り


「隙はある」


おそらく彼女は自身の得た能力の使い方をわかっていない。

しかも頭が硬い

あのコンクリに植え込まれた足、

おそらくこの根っこはあの足から伸びている

コンクリの中に無から種を生み出し育てくるとか、周りの花を怪物に変えたり操ったりしてこない。


その上で僕とは経験値が違う。

使っているあれが色は違うものの僕の知っているプロジェクターシステムと同じならば、

あれは彼女の命を喰らっている

2度は使えない、使えないはずなんだ。

そんなもの、使うなんて


使うほどに彼女は追い詰められていたのか?


「………そうか、時間が無いや」


クリスマスの日、華家来さんから聞いたプロジェクターシステムの説明を思い出していく。

たしか、20前半の場合後遺症無しで持つのは1時間だっけ?

成長期な彼女なら生命力は高そうだしもうちょい保つとは思うけど、早く倒すことに越したことは無いに決まってる。


僕は拳を構え殴りかかろうとして


「………待てよ?」


それを止める


本物ですら強制解除は魂にダメージがすごいんだぞ?

複製品でしかも生命力を消費するようなものを強制解除するのはあまりに危険じゃないか?


「……どうしろってんだよ」


時間経過もダメ

強制解除もダメ


もはやできることは

説得するもしくは倒さない程度に殴り続けるとかして自身に解除させることしかできない。


となるとまず言うべきは……


「君、知ってるのか?!」

「君が使っているそれの危険性を!」

「その力は君の命を消費してるんだぞ!?」


やはりこれだろう


「それがどうした!」

「私はすでに自分から命を断とうとした!」

「もう、未練が断ち切れるなら命なんて!」


絶句する


そうか、この子はそこまで追い込まれていたのか


「………聞いちゃ悪いと思うけど、なんで?」

「なんで命を断とうとしたの?」

「何があった?」

「まさか………いじめ?」


暴走している彼女からなら本音を聞けるかもしれない、怒らせるだけかもしれない

それでも問う

だって、これしか説得できる場所が無い

命を捨てるほど追い詰められた人間に

命の大切さとか

人を傷つけることの害悪さを訴えたところで大して効果などありはしない。


できることは

寄り添うか踏み込むこと

時間が惜しい以上、踏み込むしか無い。


「いじめ?」

「いじめ…そうね、いじめよ」

「私はいじめられたのよ」


もはや笑っているように聞こえる声色

狂気ってやつを感じさせる。


「……誰に?」


でも、怯まず踏み込む


「全、人、類!」


……………は?


「全人類、全て全て全て全てよ!」

「家族、クラス、先生、ご近所のおばさま、お店の店員、道を歩く人類全て!」

「私を無視し、冷遇し、拒絶し、憐れむあの目!」


辛いと言いながら笑い

笑いながら他者を貶す彼女の挙動が


「私………耐えられないの」


ピタリと止まり、そう言った。



…………やべぇ、理解ができない

言ってる言葉が理解できない、共感もできない。

全人類にいじめられる?

そんなことあるわけないじゃないか


実際問題、僕は彼女を知ってすらいなかった

噂話ですら聞いたこともない

存在すら……って、まさか


「私は1人が好き」

「だってみんなくだらない行間を読みあって馬鹿みたいなんだもの」

「みんなで意見を合わすことの何が正しいの?」

「自分で考えて、自分で結論を出す方が良いに決まってるじゃない」

「他人に媚びる下卑た奴も、他人に自分の意見を通そうとする下卑た奴も」

「私にはいらない」

「そう、いらないのよ」

「私は私1人で生きられる」

「だから私は自分で、好きで、1人でいるの」

「なのにみんな私を憐れんだようにッ!」

「笑うなッ!自分で自分を選ぶことすらできない馬鹿共が、私を!!」

「そして、最後には、私の唯一1人になれていた場所すら奪った!」

「許………せないッ!」

「許せないのよぉォッ!」


……………やべぇ、これ説得とか無理なやつだ


僕は遠慮なく彼女の顔面を殴り飛ばす


「いっ…………死ねッ!」


「うるさい」


薙ぎ払う攻撃を踏み越え敵を殴る

敵の中身なんて一旦無視

僕はもう決断した


こいつはここで止めなければならない


たとえ、その命を奪う結果になろうとも


「邪魔するな、邪魔するな!」

「出ていけ!」

「私の前から、消え失せろ!!」


肥大化する結晶

それを纏ってうねり回る根っこ達は

僕に避けられたことで無意味に地面を削り取っていく。


「無理だから」


僕は腹を蹴り飛ばし

拳を打ち込んでいく。

できればこの手で殺したくは無い

力を込めずただ痛みを敵に打ち込んでいく。


「1人で生きるとか、無理だから」


僕は頬を殴る


「そんな生活山に籠もるとかしないと無理」

「そしてこの島にそんな人のいない山なんて存在しないから絶対に無理」


アッパーが顎に命中


「その年でそれを求めるのはさすがに贅沢すぎ」


根を体を捻って回避する勢いのまま肘で殴る


「君の1人が好きって気持ちはわかる、すごいわかる、最近取れてないけれど僕だって1人で本を読んだりプラモを作ることに幸せを日々感じている」

「だけどね、無理なものは無理なんだよ」

「1人になるとか子供には無理」

「僕もいろいろあってね、学校でも1人、家でも1人なんてことは多々あったけれど他人の存在を感じなかった瞬間はこれまでの人生一度もないよ」


僕は絶え間なく殴り続けながら

否定するつもりもなく

ただ、自分なりの意見を相手に言う

別にもう説得するつもりは無い

だけどなんでだろう、言わないと気がすまないんだ。


「君は朝1人で起きれるかい?」


「起きれるわよ!」


「朝ご飯は自分で作ってるの?」


「………土日くらいは」


「パンは作れる?」


「………作ったことはあるわ、それに私はご飯派よ」


「あっそ、じゃぁ、米は作れる?」

「卵は?」

「豚とか育てられる?」


「…………」


「1人で生きるってそういうことだよ?」

「まさか、自分は他人に何も与えないくせに他人からは全てを与えてもらおうなんて贅沢なことを考えていたんじゃないだろうね?」


………だめだ、なんか説教臭い

そんなつもりは無かったんだ

僕が言いたかったこと、

もっと端的に

本心をうわべで隠さず言うと………


「クラスの人を嫌いっていうぐらいならあぁ、辛いんだなって寄り添う気にもなるのだけれど、さすがに全人類とか言い出すと、あ、こいつ厨二病なのかなって悪いけど思っちゃった」

「ごめん、悪いけどもう寄り添う気にはなれないや」

「えらべ、死ぬか、その願い諦めるかだ」


僕は拳に電気を迸らせる

バチバチとした音は威嚇となり

敵の恐怖心を煽りに煽る。


「……………じゃぁ、この苛立ち、どうしろっていうのさぁッ!!?」


まだ言うか

根性あるな、

なんでこんな性格してんだこの子


「………なら、歯を食いしばって目を閉じろ、ショック死したくないならなァッ!」


「こっから出てけぇぇぇぇえぇぇッ!!」


拳に絡まる蔓

結晶の手甲

肥大した一撃

今攻撃は…………


「だめ‥…です!」



「「!?」」



突如間に現れた花音ちゃんに戸惑い

拳同士をぶつけ合おうとしたのにそれがずれて互いの拳が花音ちゃんスレスレで交差して互いの頬にめり込む。


「「………」」


僕の顔面が半分、貫き削り、抉り取られる。

敵は………強化はとっさに解除したけど当たりどころが良かったか気絶、崩れ落ちる。


「…………」


脳がぐらつく

口が再生しない

複雑にズタズタにしやがって、


………結晶が砕ける、やはり感情が影響してるのだろう。

しかも幸運なことに怪人化は解除されていない。

動かないでくれるならプロジェクターシステムを手動で電源を切ってしまえばいい。


「‥…‥だめ」


彼女に手を伸ばそうとすると花音ちゃんがその前に立ちはだかる


「殺させない……です、私が、彼女を説得します、私たちが彼女を、追い詰めていたんです、だから」


真っ直ぐとした瞳

雷に焦げた髪

結晶で傷ついて血が出る肌

人が入り込めるはずもない間に割り込んだのに

震えてすらいない


きっとこれは彼女が心からやりたいことなのだろう


………はぁ

いつまでも怯えさせては悪いので

怪人態は解除し僕はデバイスを外す


「殺さないよ、僕だって救える限り救うよ、僕はやりたいことしかもうしないんだから」


プロジェクターシステムのスイッチを押して怪人態を解除、

僕は輸送班を呼ぶべくケータイで連絡をとった。




なんか納得いかない

意思ある奴が相手って相手の言い分を出してそれを主人公が否定してとかやらなきゃいけないことがあるのに最近の早太の性格が「その人が自分が心からやりたいことをやること=その人の正義」って性格だから他人がやりたいことをやっているかぎり「まぁ、それも君がやりたいなら勝手にやればいいんじゃね?まぁ、邪魔だから倒すけど」ってなるから他人の意見や主張を聞く気がさらさら無いという……

書き直すこと4度、最低週1を目指してたからもう諦めました。

難しい。

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