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電光怪人チェイン〜ヒーローになりたい僕と26のチートな力〜  作者: 蒲竹等泰
第22話 アンダーゲート·キーピングハウンド
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第22話 その2

「………どうだ!どうだ銀色!俺がたおしたぞ!」


メイスは心底嬉しそうに倒れる魔犬を指差す

しかし、


「………!」


チェインは突如何発ものビームをその地に倒れる怪物に放つ。


「何すんだよ!」

「まさか今のが決め手になったからお前の手柄になるとか思ってんじゃないだろうな!」


犬のように吠える龍を無視して

チェインは良く敵を観察する

その目はまるでその死体の奥の奥を透かして見るように………いや、


見えているのか?


可能なのか?


可能なはずだ


理論を知らずとも

彼はその未知の塊である体を、

X線検査機により検査されたことがある。

その時その機械内で起こった出来事を

電気と電子の流れを

彼は見ていた。


ならばそれを彼は再現できる

だからこそ追撃したのだ

だから今度こそ確実

コアをメッタメタに打ち砕いた

はずなのに


「…………!」

《Overuse》


チェインはメイスを引き

蛇による攻撃を無理矢理躱させる。


「核が再生してる!」


「はぁ!?」

「核を壊せば倒せるはずだろ!?」


「………2つの可能性がある」

「1つはあれが核では無い……つまり、本来の核が別の場所にある場合」

「2つ目はあの核が全部ではない可能性、つまり本来一つのものを2つとかに分担してるとか、もしくは、核の破壊には何らかの条件が存在する場合」


「核は1つのはずだろ?」

「2つあっていいのか?」


「わかんない」

「首が2つあるわけだし有り得るかもって話」

「実際、あいつの核の形は、不自然なことにみぎ半分しかない心臓の形をしてた」


「………つまり首が2つある状態で倒せってことか?」

「それとももう1つの首を引っ張って2体に分裂させるとかか?」


メイスは珍しく顔を見ながら素直にチェインに問う


「………いや、その必要は無いかもしれない」


それに対して

怪物から目を離さないチェインは

ボソリと呟いた。


その先にいるのは影

もしくは泥

死体が腐敗したように溶け

混ざる


「何あれ、混ざってんなら今がチャンスじゃねぇの?」


「……ゲームでよくあるでしょ?」

「第2形態に変身しようとしている奴は無敵状態かつ活動開始したら付近に手痛いダメージを与えてくるじゃん、ああいうのは触んないほうがいいよ」


「……俺、ゲームやったことないから知らねぇ」


『同じく』


『私もです』


「………あ、見てほら足元、なんかアスファルトが腐ってるよ、だから近づかないほうがいいよやっぱり」


「じゃあ最初からそっちを言えよ、格好つけて例え話したって伝わんなきゃ意味ねぇぞ」


『………なんかこんな話題を以前聞いたような』


とりあえず何もできないからと

メイスはチェインに首元を掴まれたまま辺りを見回す。


「………結構人がいるな」


「いるねぇ」


見ればビルの窓や街の角から

結構な数の人がこちらを覗き込んでいる。


「避難しねぇのかな」


「危機感足りてないんでしょたぶん」


「………もしかしたら俺らがヒーローに見えてるとか」


「街路樹を燃やし、吠えて、指からビームを出したと思えばコンクリ、アスファルトに穴を開ける化け物を見て君ならどう思うかな?」


「………関わりたくないって思う」


「だよね」

「たぶん大抵の人はそう」

「そして、彼がさっさと逃げず一定の距離から見てきているのは………あれが原因じゃないかな」


「あれ?」


メイスは強化された視力で何階も上の人を見上げ、その手元に注目し、あるものに気がつく。


「………スマホ、みんな持ってるな」

「なんでだ?」


「いや、なんでも何も」

「今頃あの人達の投稿でSNSではどんちゃん騒ぎなんじゃないかな、怪物が一度に3体、しかもその内の1体は中央が討伐したと公表した怪物だし」


「そうなのか」


「………ねぇ、君ってさ」


『早太君、来ます!』


チェインが彼に何かを問おうとしたとき

アルの声が警告する


『RoooooooOooッ!!』


泥が吼えた

腐食して生まれた黒い穴から

鋭い爪を携えた毛むくじゃらの腕が現れる。


「「………うわぁお」」


『でかい……』『これはちとやばいかもな』


現れたのは神話に聞く姿の怪物

泥にまみれた2つの首

その付け根は獅子のような無限とも思える毛並みは、全てが蛇

その尾は大蛇

その体躯は街路樹を越え見下ろし

ビル3階の人々を睨む程に巨体


「………アル、視覚共有、20%にマップを見せて」


『了解しました』


「………よし、真司君ここからちょっと先は開けた公園がある、僕がそこへ敵を追い出す」

「アル、SOCDOの皆さんは?」


『現在周辺一般人の避難を行っています』

『が、公園はまだ人がいるかと』


「優先してもらって!」


『わかりましたがこれからとなると……』


「………了解、なんとか抑える」

「というわけなんだけど、僕も前に出る」

「君との条件を破ることになるけど、協力してもらってもいいかな?」


チェインはメイスに問う


「………」


返事は無い


「………あっそ、まぁ、いいけど」

「勝手にやるだけだから」


それを見つめ

その無言を拒絶として

チェインはメイスとの共闘は不可能だと判断して走り出す。


「アル、避難までにどれくらいかかるって?」


『えっと……15分弱!』


「ならその15分は敵を倒すことを忘れる!」

「ビルの防衛を最優先にする!」

「ビーム等、サポート頼んだ!」


『了解!』


暴れうねり伸びて踊る蛇共を

蹴り返し

殴り返し

ビームで撃ち落とす。


「………くそ、多すぎだろ!」


蛇は数百を超える


「やっぱり打撃じゃ効果が薄い……!」

「武器がほしいなぁ……っ!」


そもそもこいつら蛇共にコアは無い

潰しても潰しても再生するだけだ。

殴る蹴るしたところで対して意味は無い

もし、チェインが放つビームがサーベルのように長さ一定で振り回せたらどんなに楽か。


『この角度ではビームで切り落とすとビルを巻き込みますね……』


「ビルを巻き込めば僕らに対する世間の心境はより悪いものになる」

「それは避けるべきだと思うから」


『あ、そういう感じなんですね』


「そういう人間なんでね、僕は」

「だから僕は彼の事情も聞かず、真司君の復讐を全否定してるわけだ、怪物が人を巻き込む形でなく、殺したというニュースは、僕にとって迷惑だから」

「………たぶん、なんとなく気がついてるんじゃないかな、彼は僕のそういうところを」

「だから信用されないんだ」

「………もう少し、歩み寄ってもいいかもしれないな」


彼はポツリと呟いた。





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