第22話 その1
『ORUOooooooOoッ!!!』
「見っけたぁ!」
接近してくることを感知し、
迎撃する気満々だった怪物は
雷を纏った蹴りによって思いっきり出鼻をくじかれ、建物から落ちていく。
………さすがに落下死はしてないだろう。
「………はっ、ここどこだ」
そして首を引っ掴まれてた
「離せや、こらぁっ!」
「ごふっ」
メイスはチェインの腹をぶん殴って拘束から抜け出す。
いつの間にかまた人格をバトンタッチしたらしい。
「あ〜もう、痛いなぁ……」
「僕はそこまで硬くなってないんだ、気を使ってくれ」
「………ほ〜う?そりゃいいこと聞いた」
『ばかもん!今は共通の敵に集中しろ!』
「………わかったよ」
「ただし!俺が前に出る、お前がサポートだ」
「そうすれば俺はお前を攻撃しない」
「………いいよ、別にそれで」
『いいんですか!?』
「いいよ、それより、アルってさバイクからだいぶ離れたけど20%ってどこにいるの?」
『すぐ足元に』
「足元………?」
「うおっ!?」
「ちっさい!」
そこにいたのは小人のような状態のアルドナープ
「え、何でそんなに小さいの?」
「こっちも話せて動き回れるようリソースをこねたらこのサイズが限界でした」
「………まぁ、いいや、話せるならちょうどいいや、通報しといてもらえる?」
「はい………あ、ケータイ忘れました」
「じゃあ、僕の渡しとくね………持てる?」
「はい!パワーはなかなかですよ」
「そ、じゃあよろしく」
手からスマホを実体化させ
それを小人アルドナープに渡し
「じゃ、行こうか」
「………って、もういない」
振り向くとすでにメイスは敵めがけて飛び降りていた。
「オラッ!………オラァッ!!」
ひたすら前へ前へ攻めるような拳
反撃の隙を相手に与えないという戦法としてはたしかに有効そうではあるけれど………
『ORt!』
やはり能力がわかってない敵に不用意に近づくのはいささか無謀だった
現に、今、その瞬間、何故か、メイスの足が消滅した。
「…………あ?あぁっ!?うぁあぁぁぉあ!?」
『落ち着け!足を早く再生しろ!』
「…………」
チェインはのたうち回るメイスに対して敵が行った攻撃を考察しながら
メイスへの追撃をビームでなんとか全て撃ち落とす。
(……敵は人間のように二足で立つイヌ科の何か)
(だがさっきの能力は何だ?)
(噛みちぎったよな、今たしかに)
チェインは足を再生したメイスの立ち位置を確認する。
(………影か?)
(思考の最中に失礼)
(早太君、連絡とれました)
(直ちに部隊を送ってくれるそうです)
「了解」
(………早太君は彼を囮にして能力を探りたいんですか?)
(……いいや、僕がしたいのは彼にサポートを受けることで戦いやすくなると実感してもらうことだよ)
(早速ミスっちゃったけどね)
彼の指から放たれるまっすぐとしたビームが倒れるメイスを襲おうとするたびその狂犬の四肢を射抜く。
それが、不満なのか、不快なのか
紫の龍人は吼えながら立ち上がる。
「………っ!」
修復した足、
不意を撃つ立ち上がりざまの炎を纏った高速高威力の青い尾を引くアッパー
『!?………………』
威力十八分
その炎は敵の顎から
顔半分
全てを砕き燃やし溶かし灰にして削り取る。
しかし
グォッ
その渾身のアッパーを決めて無防備な腕を
襲う存在が現れる
「もう一つの………首?」
あっけに取られたメイスは拳を引っ込めるのを忘れる。
故にその鱗にまみれた肌を
生え揃った鋭い牙が………
ビュイン!
貫く寸前、
チェインの放った閃光で牙が焼け壊され
「オラァっ!」
その隙を縫うようにメイスの青く燃える拳が敵の腹を撃ち抜き、大きく貫く。
「………やったか?」
『TRos!』
彼の呟きを魔犬は否定する
「「うぉあ!?」」
現れたのは大量の蛇
尾のような大蛇とたてがみのような小蛇共
とっさにチェインはメイスに磁力を付与し無理矢理引き寄せる。
「な、なんだぁ、あいつの能力は……」
「き、キメラ……とか?」
「それは、人工物か?それとも俺が探してる空想系なのか?」
「…………ん〜、知性があるようには感じられないけど」
そう2人は呟き、
互いの意見を交わしている間に泥のように黒く染まった敵はその顔を再生させる。
「しかし、あれはキメラって見た目かな?」
チェインはふと首を傾げる
「それにしては要素が少ない……というか蛇の数が多すぎるというか……」
「う〜ん……やっぱりこいつ空想系なんじゃないかなぁ、たぶん」
「…………」
チェインは思考する
深く、黙り込む。
「………まぁいい」
「どっちみちあいつを倒せば俺はさらに強くなる!」
メイスが拳を握り拙く構え走り出す
が、チェインは思考を固め始めていた。
「………大量の蛇、いや、今大切なのは犬?」
メイスが蛇を炎で牽制しながら拳を敵に打ち込もうとするたび、どこからともなく現れた2つ目の首が体を喰らい取りそれを妨げる。
「………そうか、重要なのは2つの頭の犬」
痛みに吠えながらその開いた口の中へメイスはサファイアのように輝く火球を勢いよく飲み込ませる。
『Rooooooossot!!!!』
「うぉぉぉおおぉぉおっ!」
顎を跳ね飛ばすようにその2つの角で魔犬を貫き
持ち上げ
心の臓めがけ
もう一度炎を!
「出し入れこそしてるがところどころで決めてとなるタイミングでも2つまでしか出さないってことはそこに何らかの理由があるはず」
「……なら、そうか」
「あいつの能力………わかったぞ」
チェインは結論を得る
胸からもう1つの頭がその紫の頭を噛み砕かんと出現する……が
メキョ
それを両腕で押しつぶし
青い炎がもろとも焼き貫く。
「あいつは、神話の牛の番犬」
「ケルベロスの兄弟」
「文字はO」
「空想系、オルトロスだ」
『あの……は、早太君』
『もう倒されちゃいましたよ……?』
「え?」
地に倒れた魔犬を見て
アルドナープは申し訳無さそうにそう言った。
セミラミスが出ない
ドレイクを回せなかった!
そういや福袋にドレイクいたっけ?
はい、今回の愚痴は以上!
《怪物紹介》
メイス
能力:Dragon
系統:空想
身長:175cmほど
体重:80kg以上
パンチ:15t
キック:25t
100m:4.5秒
跳躍力:45m
《能力》
·これは神話系全体に言えることだが極めて高い身体スペックを持つ。
·『龍』の力を使用できる、
イメージができる限りここに例外は無い。
·人格を契約者のものと電脳のもので切り替えられる、しかし人格の主導権は我の強い方にあり、なんとか操縦権を奪ってもすぐに奪還される。
なお、マキナに宿る電脳の名前はシンマ
おっとりしている上に忘れっぽく
しかも何故か幼いため
基本的に口出しせず引っ込んでいるが
戦闘中はアームを操作するなどして進んで彼のサポートを行っている。




