第20話 その6
「「………なにあれ?」」
空を見上げた正児とフェンリルの言葉に
マキナは天に飛ぶ機械仕掛けの龍を指す
「奥の手、そしてロマン」
「私が理解できたロマンの果てをお見せしましょう……」
マキナの装着したパワードアーム、パワードレッグの一部装甲がパージされ、
何か接続部めいたいくつもの穴が現れる。
「吠えろ、太陰龍砲アルビオン」
機械仕掛けの龍は空をくるりと回り
彼目がけて急襲する。
「太陰………ってまさか!?」
「てか、アルビオン、アルビオン言ったか今」
「装着!」
彼が跳んだ瞬間アルビオンと呼ばれた龍は
数多の装甲となってその身に纏わりつく。
大量の装甲は体に、翼に、推進力に
彼のモノアイはバイザーに包まれ
そしてその両手両足に砲門が現れる。
「接続完了、燃料投下、完全起動」
装甲に走る全てのラインが輝き出し
今、男のロマンの一つ
支援ユニットと人間の合体が成功する。
「龍·装·マキナ!G-X2」
「…………やべぇ、ついていけない」
空でポージングを決めたマキナにフェンリルは空を見上げたままあっけにとられる。
「すげぇ、あのフェンリルが完全にペースを崩されてる」
「正児さん、俺、正直今感動してます」
「惜しむらくは余剰パーツがありすぎることですけど」
「キャラ崩壊もいいとこだな全体的に」
「ロボットアニメに毒されたか?」
「ドッ◯フェニックスみたいなことしてやがる」
「俺的には機空隊っすね、いやぁ〜生で見れる日が来るとは……」
「バディファか、俺あれの究極レアほしかったんだよな……」
「……てか、通じないぞたぶんそれ」
「………はっ!」
「いかん、急展開過ぎてあっけにとられてた…」
「………ま、まぁ?結局は飛べるようになる追加装甲だろ?」
「だが、飛んだところで俺のリーチなら問題がない!」
フェンリルの腕が水晶の槍となり、ジッパーを通り抜け
空の彼を一瞬で攻撃する。
しかし
ビユイン
みたいな聞いたことのない音が聞こえ
その水晶は簡単に砕かれ
フェンリルの腕が消し飛ぶ。
「…………なんと」
「熱光線か!」
マキナの左手の陽炎を生む砲身を見て
自身の腕を砕いた攻撃の正体をすぐに看破する
「ちょっと仕組みは違うらしいですけどね!」
2本のビームがフェンリルを襲う
「そうか、気にするな、説明されたってどうせわからん」
「俺の専攻は生物学なんで専門外だ!」
それを空間に開いたジッパーが飲み
マキナ目がけてそれを送り返す。
「よっ」
そんなことわかってるのでマキナは
撃ったそばから回避行動に移っており
それを回避する。
「………やっぱ同時で撃つよりタイミングはずらすべきですね」
「ちょ!?」
4つの砲門からタイミングを少しずつずらして
連続的にビームが放たれる。
「多い多い多い!」
「………だが!こんな理不尽、対応して見せるとも!」
「まずはテメェを叩き落とす!」
ジッパーで受け止めたビームでビームを相殺する神業を見せながら
ジッパーにフェンリルは腕を伸ばす
ベキン
『………?』
突如した異音にフェンリルを覗く全員がその音の発生源を探す。
『あ』
そして気がつく
(鉄塔……!)
今やこの島には工場地帯にしか無いそれ
地帯全体に大量の電力を送り届けるための巨大な金属編まれの大柱!
根本をジッパーにより分離され
それが、倒れてくる。
「こんなもの!」
マキナは回避行動に移る……が
(………だめだ!この角度、この高さでは隊員にあたってしまう!)
「なら、消し飛ばす!」
それは危険と判断し
空中で縦に一回転し
足の砲身から放ったビームで電柱を4つに溶かし切り裂く。
「これなら!」
「周りを気にし過ぎて、相手の能力見誤ってるぞ!」
「!?」
鉄塔から伸びる千切れた送電線が蠢き出し
マキナを襲う
「………あれは、針?」
送電線の先にあるのは光の針
「Needle、縫い針の能力!」
「ずいぶんと家庭的ですね!」
「他の能力でできないことをやってんだよ!」
長さ数百mのそれの間をすり抜けるように回避、
「翼刃放熱!」
ヒートダガーとなった翼がすれ違うたび少しずつワイヤーを溶かしていく。
「くっ……やはりまだ定着してないのか精度が低い、実物で縫い付けようと思うと結構難しいな」
「………おっと」
「チッ」
ワイヤーを操作するため空に意識を取られていたフェンリルを奇襲した正児は
その攻撃が容易く回避されたことに舌打ちする。
しかし実はフェンリルもまた、彼の攻撃には
「………あんたまじで何なんだ、気配とかどこおいてきてんだよ」
「おそらくフラスコの中だな!」
「そりゃ、かわいそうに!」
「うるせぇ!」
フェンリルと正児は怒鳴り合いながら攻防を繰り返す。
(………しかしなんだこいつは、なぜあんな重そうな斧でこうも正確に防御が取れる?)
(化け物か?)
(………化け物ならもう殺す気でいった方がいいかな)
フェンリルがそう思考しているとその隙を突く攻撃を正児はくり出す。
「点火!」
「うぉ!?」
ブースターで加速した斧を
フェンリルは腹にジッパーを取り付け開くことで回避する。
「キモい!」
「うるせぇ!」
(………まてよ、こいつに組み付いてりゃあいつもビームを撃てねぇんじゃねぇか?)
(実際、今のところ撃ってこねぇ)
(………いや、それは負け犬の思考だ)
(経験則だが守りは負ける!)
フェンリルが後ろに跳んだ瞬間
地面から良く透き通った水晶の柱が大量に生成される。
「邪魔邪魔邪魔ぁ!」
「長物振りにくくしたいのか?」
「なら、くれてやるよ!」
「投げんな!」
フェンリル飛んできた斧を何とか上に跳んで回避
さらに
「な……!?」
いつの間にか空中に縫い付けていた水晶の破片を踏み
こっそり砲身を冷却していたマキナを奇襲する。
「つ!?」
とっさにマキナは両手に付いた装甲で攻撃をガードしようとするが
残っていた内最も長い電線が腕を縫いマキナの腕を引っ張ることで無理やりそのガードは緩められ、その隙に滑り込んだフェンリルの手がガードをこじ開けその腹を蹴りぬく。
「熱っつい!?」
砲身に触れてしまった手を払いながらフェンリルは
「………やっぱ、そう連続して撃てなかったのか!」
自身の仮説を断定し
大きな水晶の礫を投げ落とす。
「撃てますよ!撃てますけど壊れるんです!」
マキナは背面ブースターで落下を抑え
4門同時ビームで水晶ごとフェンリルを溶かす
そして着地してその結果を見ると
「………いない!」
「いい能力だよな、これ」
「っ!?」
耳元でした声
ジッパーによる空間転移で不意を打たれたことで背中のブースターが破壊される。
「てめぇっ!」
「想像力足りてねぇぞ!」
「ぐっ」
またも腹を蹴り飛ばされ吹き飛び
それにより背面パーツのパージが間に合わず爆発により背中に大ダメージを負う。
「おっと、行きすぎるなよ」
「ここで決める」
その吹き飛ぶ彼を水晶の壁でキャッチ
フェンリルは飛び蹴りの構えをとる。
「させるかよ!」
正児は時間を稼ぐため閃光弾を放つ
「ぐっ、また目眩ましか!………だが怪物相手なら位置がわかる!無駄だァ!」
「怪物なら、だろ?」
「っ!?」
フェンリルの足の付根がえぐられる。
(狙撃か!)
(修復、早く!)
(くっそ、スタグレのせいで耳までいかれてやがる!)
(匂いは………くそ、あたり一面鉄と廃棄とエンジンの匂いで判別つかねぇ!)
(…………何か来る!)
あらゆる鋭敏な感覚が封じられ焦るフェンリル
それでも肌と毛で感じ取った気配を頼りに
爪を振るう
「………!」
その大振りな爪は、1人の戦士の盾によって防がれた。
「正児さん!この怪力、俺3秒持ちません!」
「………十分だ」
(胸に……銃口!?)
(コアの位置はチェインのせいで相手にはある程度割れている)
(サイズ感、拳銃?いや、もっとでかい、有効打?ブラフ?)
(何にせよまずい……!)
貴人·改から大きな銃声がする
銃口は煙を登らせ
正児は
「くそが!?」
その結果に毒を吐いた。
あの一瞬
引き金を引くほんの一瞬
フェンリルの体から突如生えたとても細い水晶の串が正児の握る銃を押した
それによりただでさえ反動で照準のずれるこの銃弾はコアを外れフェンリルにただ、傷を与えたという結果だけを残した。
(2発目………!)
「させねぇよ!」
構え直そうとした拳銃をフェンリルは爪で切り裂き2人を蹴り飛ばす。
「………あのビーム野郎が来る!」
「くそ、まだ見えねぇ……いっそのこと!」
フェンリルは自分の目をえぐり出し高速で再生
荒療治で回復した目で敵を捉え
煙を吐き、壊れかけの残されたブースターで加速しながら襲いかかってくるマキナの迎撃に移る。
「うぉぉぉぉぉおぉっ!」
ビームを乱射しながらマキナは特攻
「雑だし遅えんだよォ!」
そのビームをジッパーが呑み
特攻するマキナへ
振り下ろされたフェンリルの迎撃は
正確、完璧、確実
敵の動きをしっかりと捉えている。
………が
《Install》
「おんりゃぁ!」
《Booster》
マキナが地面に足の砲門からビームを放ち
それによって得た推進力を強化
自身を無理やり持ち上げたことで
回避
(まずい大振りにし過ぎた、体勢をすぐに立て直せない、水晶で迎撃……いや、ここは)
「これで……死んでください!」
2つの砲門が輝き限界出力でビームを放つ
「うぁ!?」
そのビームを最後にその銃身とブースターはついに限界を迎え爆発
地面に落下しマキナは投げ出されるように転がる。
いや、今はそんなことはいい!
「フェンリルは……!?」
砂煙が晴れる
黒煙も晴れる
敵は………
「ふ、ふはははははっ!」
顕在!
「あっぶなかったぁぁぁあははははっ!」
「ちと耐久が足りなかったから自分の腕を、足をえぐり再生させた!その間2秒、自己犠牲バフと自身の巨大化による照準ずらしだ!俺は賭けに勝った!俺に勝利の星は輝いている!」
「この目覚めが、俺の最後だぁはははっ!」
最高にハイになったオオカミは
先程よりも大きく
肉体は分厚くなり
ビームによって空いた穴は貫通ぜず
そしてその着弾点はコアがあると聞いた部位から若干ずれている。
しかしその傷だって敵は容易く修復し
自身を強化する。
(傷を……負ってくれるからと勘違いしていた)
(私の、私達の目の前にいるは)
(難攻不落の能力、痛みに耐える執念、何百もの理不尽から得た思考を持った)
「さぁ……」
(怪物……!)
フェンリルはマキナめがけて距離を詰め
その頭、その胸へ爪を振り下ろ……
「終わりだぎゅふぉん!?」
そうとした瞬間勢いよく黒いバイクにフェンリルは轢かれる。
「は?」「え?」
死を覚悟していたマキナと無力感に唇をかんでいた正児は素っ頓狂な声を上げた。
「なんだてめぇは!」
そして弾き飛ばされ転がった狼は
バイクにまたがる金と銀のライダーに吠える、
「………え、早太君?」
それを見てマキナは誰より早くその男の正体に気がつく。
「………ごめん、遅くなった」
「本郷早太、覚悟を決めて現着しました」
「え、いや、バイク!?」
「お前トラウマは!?」
「乗り越えた!」
「は!?」
「いや、もっとこう……なんかあるだろトラウマって、乗り越え方って!」
「そもそも道路に対するトラウマはとっくのとうに解消してます!そのために教習所に通い詰めたんだから!」
「えぇ……」
「それにドラマチックなトラウマの乗り越えはもう済ませてきました」
「そ、それじゃぁその姿が新形態か……?」
正児は早太の姿を見て問う
確かに普段の裸体のような、ウルトラな人間の姿とは違う体各所に装甲が張り付いた、ライダースーツを纏ったような姿をしてちいる。
「いいえ、これはこのバイクを操縦するための姿」
バイクから降りた彼は見たことのない怪人態を解き人に一度戻る。
「………なるほど、オメェだったか」
「それで?ここに来たってことはお前が俺を邪魔する理由が決まったってことか?」
「聞かせろよ、お前は誰で、誰に、何をする?」
すでに2mを超えた狼は彼を見下ろしながら問う
「………あぁ」
「僕は本郷早太」
「今日から僕は」
「あんたらの敵、そして……人類の敵」
「電光怪人チェイン」
「今、お見せしよう」
バイクと、
彼から漏れ出した光の線がアルを織りあげ、
早太の手には1つのアイテムが握られていた。
………なんかノリで書くの極地が出た気がする。
おかしいな……マキナに飛行機と合体する能力なんてなかったはずなんですけど……
いや、でもどう考えたってフェンリルに対して火力足りないし……
いやでも、このフォームってどう考えたって最近のライダーあるあるの使い捨てフォームじゃん
というかマキナの最終フォームになる予定のやつと特徴もろ被りしてるんだけど……
ていうか書いてれば段々人同士の掛け合いもうまくなっていくかなって思ってたけどそんなこと無いすね。
………あ、早太が道路にトラウマがあるってこと覚えていましたか?
私は覚えてはいたけどこの状況どう考えても道路で戦ってるよな?ってシーンもまぁいいかで書いた人です。
もう伏線とかめちゃくちゃですねw
《怪物解説》
マキナGX-2
·マキナのあらゆる機械に接続使用できる能力を最大限活かせるよう太陰を回収した飛行用ドローン、アルビオンとマキナが合体した姿。
パワードアーム、パワードレッグを使うことで人間でも一応使用可能だが反動や熱に耐えられない。
肩、足、背面にブースターを搭載
最大マッハ1で飛行可能な他、
マキナの関節を利用することで可能となる飛行形態ではマッハ3.5に到達する。
合体前の状態だともっと速い。
チェイン暴走態を撃ち落とすのに使ったビーム砲を小型化したものを両手両足に一門ずつ搭載。
連続照射可能時間は最大10秒
これを5秒以上超えると砲門が融解、使い物にならなくなる。
翼にはヒートサーベル機能を搭載しており様々なものを溶かし切る他、
一部取り外して剣のように使用することも可能。
砲門と接続することで使い捨てとなってしまうが超巨大ビームサーベルのように使用することも可能。
肩ユニットには小型ミサイル
足ユニットには小太刀と大太刀が収められており
奥の手としてそれを使用することも可能。
………つまり、ドットフェニックスと烈風零式·蒼天とメリュ子を足して足して足しまくったあと現実で割ってロマンとノリを足したような機体。
燃費悪すぎてアルビオン単体で活用するのは残念ながら現実的ではない。
なお、GX-2の読み方はジーエックス-トー
ギアクロス←→GX
2号機←→2
つまりはパクリである。
あぁ、フブキマユズミ究極レア欲しかったなぁ……外見的にはリサナナミのほうが好みだったけど。
通じますかねこの話題




