第1話 その0
やあ、やあ、ようこそ少年。
……あ、いや、少女……かな?
いや、すまない。
人を見た目で判断してしまうのが僕の悪い癖でね、
直したいとは思うんだけどね、
数千、数百たっても直らないものさ悪癖は。
で……どっち?
……おっと、戸惑ってるね~
そりゃそうだよねいきなりこんな真っ暗な世界に居たら神様だって戸惑うよ。
じゃあ、自己紹介しよう。
落ち着かせるために。
何をって?
もちろん気持ちをさ。
僕はイングウ、
さっき君が拾った……
そう、それ。
その四角いプレートの中にすんでる……
まあ、いわゆる記憶をだよ。
人によっては悪魔だとか魔神だとか言うけど。
一応そういうたぐいでは無いつもりだよ。
まあ、近いと言えば近いことをするんだけど。
おや?知ってたのかい僕らのことを。
そう、その通り。
僕らは願いを叶えてくれる魔法のフィルム……
じゃないよ、悪いけど。
残念ながらそんな万能者じゃないな~
しかもそれを無償で全員になんて……
そんなことしてくれるの、神様くらいだよ。
僕が与えられるのは願いを叶えるための力。
そしてそれを完全に自身の物にするための機会さ。
その代償は君の体。
ああ、乗っ取るというのは近いけど少し違うよ。
それにずっとってわけじゃない。
君はね怪物になるんだ。
短ければ数時間。
長ければ1年間。
その後、君は人に戻る。
怪物化してるときのダメージは残らないし。
死ぬこともない。
その状態の精神は僕でも君でもない。
まあ、例外もいろいろ居るんだけど……
ねぇ、どう?
興味無い?
有る?
……そう、有るんだ。
あ、ごめん。
露骨にテンション下がってしまったね。
別に怒ってるわけじゃ無いんだ。
怪物化なんて君の年齢なら嫌がると思ったんだ、
だから……
いや、まあ良いか。
契約してくれるなら僕としては嬉しいし。
じゃあ、いろいろ説明するね。
下手だからわかんないとこ有ったら質問してね?
まず、僕の自己紹介を正しくし直そう。
僕は電脳No.23:イングウ。
今回僕が与えられるのは『W』を冠する力さ。
どういう意味かわからない?
えっとね……
僕たちが君達に力を与えるとき、
本当はどんな力でも与えれるんだけど……
一応縛りが有ってね。
ある程度叶えられる願いを制限してるんだ。
今回は『指定されたアルファベットで始まる単語』、
僕の場合は前から23番目だからWというわけさ。
というわけでここに書かれているものが僕が与えられる力、
どうぞ、
重いから気を付けて。
で、ルールだよね。
えっと、まあとりあえずは自由に行動できないバトロアだと思ってくれればいい。
参加者は26人、
今回ならA〜Zに対応する参加者がいるはずだよ。
……あ、違うか。
……いや、今はとりあえずいいか。
僕らは願いを叶える力を君に与える。
でも、大抵の人はそこで完全に怪物に変身してしまうんだ。
でもゲームが終了するか、他の参加者に倒されれば力を与えたときの状態に戻るよ。
力もすごく弱まるけど残る。
まあ少しって言っても完全なときの出力がおかしいだけだから、十分だよ。
勝利すれば完全な状態の力を残したまま人に戻るよ。
ゲームの終了条件はいくつかあって、
勝利条件はただ1つ、
全てのプレートを集めること。
うん、集めるだけでいいよ。
まあ、怪物化したら体内に取り込んじゃうから絶対倒さなきゃいけないけど。
勝負無効条件は複数ある。
1、勝利条件を満たさぬまま365日が経過する。
2、誰も契約せず1週間が経過する。
3、勝利条件を満たさずに新しい契約がないまま30日経過する。
4、Sが全滅する。
5、ルール違反が起こった場合。
6、その他ゲーム続行が不可能であると判断された場合。
くらいかな、確か。
……ねえ、ちゃんと聞いてる?
そう……?
じゃあ、なんか質問あるかな?
参加人数のときに僕が言ったこと……?
ああ、あれね。
あれはね二重契約とかもあり得るからだよ。
まあ、普通のは無理なんだけどね。
怪物化の例外…ね、
それはね運が良ければ半怪人化で済むことがあるってこと。
人と怪人を自由に行ききできて精神も残る。
でも、半怪人の場合は怪我を負ってしまうリスクがある。
それに使える力も数段劣るようになる。
あと、こっちの方がもっと確率は低いけど、
怪人化しても精神が消えないこともあるよ、
逆もあるけど、
こっちは人になれないけど完全な力を自由に操作できるよ。
そんくらいかな?
他は?
無い?
じゃあここまで聞いてどうする?
参加する?
参加しない?
……する、か
OK
そこまでして叶えたい願いがあるなら仕方ない。
契約しよう。
君の名前は?
……そう、可愛らしい名前だね。
ああ、怒らないでくれ。
じゃあ、欲しい力を……え、もう決まってるの?
どれどれ……
…………
理由を聞いても?
…………
そう……か、
わかった。
誓おう、君にその力を与えると。
さあ、手をとって。
僕23番目の電脳がここに誓う、
君の安全を、
そして願う、
君がとっても運が良くて……
とっても運が悪いことを。
宣誓!
僕は、リーディングシップにのっとり!
今まで読んできた全ての作品を活かし!
全ての作品へのリスペクトを忘れず、
原作を読んだもののみパロディを行い、
生成堂々とこの作品をやり切ることを誓います!
令和4年10月23日
蒲竹等泰
宣誓しとかないと途中で投げ出しちゃうからね
というわけで以後よろしくお願いします。