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S1作品集

なろうテンプレを進化させよう!大喜利

作者: うおざる

コンセプトは、鼻で笑える小話です。

 

 なろうテンプレについてはエッセイでもさんざん投稿され、賛否が飛び交っていますが、このなろうテンプレについて、違った視点からも考えていった方がいいのではないかと思っています。


 すなわち『なろうテンプレはどう進化して行くのだろうか』という考察ですね。


 これが分かれば、人より一歩前を進めます。流行の先読み。

 流行に乗って行くんじゃない。

 自分が流行を作って行くんだ! 

 その気持ちが大事ですよね。



「もう遅い」

 この流行は長いですよね。ランキングを見ても長い間ずっとこの「もう遅い」がタイトルに入った作品が多く、タイトルに入ってなくても内容は「もう遅い」だったりします。

 ゆえに読者からは飽きた、同じような作品ばっかりだと言われています。

 そろそろこれを変化、進化させなければなりません。

 では「もう遅い」を進化させるとどうなっていくのか考えていきます。



「もう遅い」→「まだ早い」→「ちょうどいい」

 こうなりますよね。流れ的には。

 遅いときたら、早い。遅い早いときたら、ちょうどいい。自然の流れですね。

 すでに「まだ早い」は、ちらほら見かけます。ここまでは簡単ですね。

 難しいのはここからです。


「ちょうどいい」→「今ならいい?」

 聞いてきますね。もう遅いからの流れで、いつなら良かったんだと思いますから。

 そりゃ聞いてきます。


「今ならいい?」→「今何時?」

 具体的に時間を気にしだします。


「今何時?」→「そうねだいたいね」

 ええ。……はい。


「そうねだいたいね」→「今何時?」

 いったん戻ります。合いの手、掛け合いですね。

 ここまで来たら――

「今何時?」→「ちょっと待ってて」→「今何時?」→


「まだ早い」

 戻って来ます。

 ええ。……はい。笑……すいません。笑

 この流れは2、3回ループしますね。

 流行は巡ると言いますから。サビですから。


「まだ早い」→「いい加減にして!」

 キレられますね。そりゃキレられます。いつまで待たせるんだとなります。


「いい加減にして!」→「うちのこと嫌いなん?」

 ここにきて急激に進化していきます。

 関西弁になります。


「うちのこと嫌いなん?」→「嫌いちゃうけど」→「けど?は?なにそれまさか……浮気?」→「……してへん!」→「……!?ちょっスマホ見んなや!」→「……何これ。最低」→「……いや。ちゃうねんこれは」→「無理。無理無理無理無理」→


 真冬の中、部屋を飛び出したカナ。追いかける俺。掴んだカナの細い腕は小さく震えていた。この震えは真冬のせいじゃない。俺がカナに与えてしまった悲しみだ。痛い、離してと言われているのに離したくない俺。どこまでクズなんだろうか。よりを戻したい為に言い訳をしている俺。涙ながらに罵倒してくるカナ。好きでいてくれたのだ。こんな俺のことを好きでいてくれたのだ。この幸せを汚してしまったのは他ならない俺だったのだ。もう二度と手に入らない幸せを自分で手放すように俺はカナの腕を離した。俺は忘れることができないだろう。去り際に涙ながらに放ったカナの言葉を――


「もう遅い!」


 ……はい。ええ。笑……はい。

 あえて主人公sageで。主人公ageは見飽きてるので。逆の「もう遅い」で。



 次に「悪役令嬢」を進化させていきましょう。

 なろうテンプレ四天王の一角です。手強いですね。残りの三つは知らんけど。

 ランキングでも親の顔より良く見かけますね。


「悪役令嬢」→「悪役淑女」

 そのままですね。年を取るので。


「悪役淑女」→「おばば」

 さらに年を取ると善や悪は関係なくなります。

 そんな時代もあったわねぇと悪役だったことも忘れて笑い飛ばしますね。


「おばば」→「冷やしおばば」

 冷たくなりますね。人間だもの。


「冷やしおばば」→「冷嬢庫(れいじょうこ)

 人間でもなくなります。……はい。

 読者いるのか分かりませんが……作者はひとり楽しんでます。


「冷嬢庫」→「業務用冷嬢庫」→「キャタピラー付き業務用冷嬢庫」→「巨大冷嬢庫」→


 カナにフラれた俺は、自暴自棄になり、あれから職を転々としていた。流れついた職場は巨大冷凍庫内での仕分け作業だった。寒い、痛い。あの真冬の日を思い出す。カナはもっと寒くて心が痛かったんだろうな。

「……俺君?」脳内にカナの声が響いた。

「俺君!」「カナ?」目の前にカナが立っていた。

 冷気状で透けてたけど紛れもないカナだった。

「うち、冷嬢庫になってもうてん」

 なんのこっちゃ分からんけど、もしまたカナに会えたなら言うことは決めていた。

「ホンマに悪かった……許してくれ、カナ!」

「うんん……もういいねん。ずっと想ってくれてありがとう」

「カナ……もう一度やり直したいねん!」

「うち、冷嬢庫やで?」

「……構えへん!」

「……俺君!」「……カナ!」


 それから俺たちは語り合った。別れたあの真冬の日からのことを。カナは異世界に行ったこと。悪役令嬢として生きたこと。冷嬢庫として現実世界に戻って来たこと。俺は自暴自棄になってしまったことを――


「でもこうしてうちら巡り合えた」

「せやな。ありがとう……カナ」

 俺たちは見つめ合った。


「せや!書いてや!……うちと俺君の物語」

 俺は(うなず)いた→


『小説家になろう』


 ……はい。ええ。笑……はい。

 ご通読ありがとうございました!!



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