表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊男の罪償い  作者: ふわとろかに玉
1/2

審判の時

目が覚めて起き上がる。寝起きのぼんやりした頭を

横に振ると、目の前に人がズラリと並んでいるのが見えた。

思わず身構えると中心の男(と思われる)奴がニヤリと笑った。


「起きたか、小僧。」

「ここは…?」

見回すと法廷のような場所だった。ただ、テレビとかで

よく見ていた法廷とは全く違う内装をしていた。

俺がいる椅子を取り囲んで、一段高い場所に席がズラリと

並んでいる。


「お前は死んだんだ。」

「何だって…?」


昨日はいつものようにストロング○ロを飲んで、

床についたはず…


「死因はどうでも良かろう。重要なのはお前の処遇だ。」


死後と言ったらやっぱり天国と地獄だろうか。

さしずめ、ここは生前の罪を審判する場と言ったところか。

悪いことはしていないから天国のはずだ。


「天国ですか?」

俺がそう言うと一同が呆れたような反応を見せる。


「バカ言うな。お前は自分の人生を振り返って何かあの世界に残すことはできたのか?」


そう言われるとグウの音も出ない。


「でも、悪事はしていません。」


「確かにそうだ。外界との接触を断ち自分が生きるためだけに行動した。善行もまたしていないのだ。」


男が諭すような口調で言う。


「このままでは、お前は転生も許されないで一生幽霊と

 して過ごすことになる。」

 

「そんな…。」


引きこもってポテチばっかり食らってたのはやはり罪だったか。


「そんなお前に一つチャンスをやろう。」

「チャンス?」


俺が聞き返すと男の横にいた女が小さな端末を投げて寄越した。


「それは、お前の魂の記録を見ることができる端末だ。画面をタップしてみろ。」


画面に触れると、文字がパッと映し出された。

書いてあることはシンプルだった。識別番号と思わしきもの

の横に、カルマ値というものが書いてある。


「お前のカルマ値は0だ。見事だな。」


マジで何もしてなかったのか俺。自分でも恥ずかしくなってきた。


「簡単なことだ。そのカルマ値を1万貯めろ。そうすれば転生させてやる。」


多いのか少ないのかいまいち分からない数字だ。


「何かヒントは…って!」


俺の周囲が禍々しく光り出し、目の前の法廷がすうっと消えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ