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広瀬千香子の非日常  作者: 飛鳥
第一章 始まり
2/9

誘い

二話目です。今回は短いです。

「広瀬さーん!オカルト研究会に入ってくれないか!」

「断る」


 今日もまた、小野寺の勧誘を断り自分の席に着く。そしてイヤホンをして、チャイムが鳴るまでスマホをイジる。うん、いつも通りだ。

 しかし、昼休みになったところでいつもとは違うことが起こった。クラスの中心の一人で、女子のリーダー的存在である遠山さんに話しかけられたのだ。


「ねえ広瀬さん、ちょっといい?」

「え、うん」


 遠山さんはいつもの通り二人の取り巻きという名の仲のいい友達を近くに待機させながら私に話かける。


「あのね、今週の土曜日に、クラスの皆で学校の裏山で肝試しをしようって話てるの。広瀬さんもどう?」


 何かと思ったら肝試しか。私がナニカに悩まされていると知っていての誘いなのか。こんなくだらないことの発案者はどうせ小野寺かな。


「肝試しの発案者は小野寺?」

「違うよ、発案者は私。誠吾君はむしろ夜の山は危ないって止められたけど、広瀬さんも行くなら俺も行くって」


 何言ってくれたんだ小野寺。巫山戯んな。巻き込まれるのは御免だ。

 

「あー、ごめん遠山さん、私今週の土曜日はちょっと用事があって…」

「えー、そんなこと言わないでよ広瀬さん!」

「そうだよ、一緒に行こうよ!」

「ね、お願い、広瀬さん!」 

 

 私の拒否を被せるように遠山さんの取り巻き、もとい友達と遠山さんがしつこく誘ってくる。

 二年生に進級するときのクラス替えで仲の良かった友達と別れてしまった私は、自分から友達を作りにいくタイプでもないので、すっかり一人になってしまった。友達とはそのまま疎遠になり、今では廊下ですれ違ったときに会釈をするくらいだ。別に一人が苦になるわけじゃないし、このまま一人でいてもいいのだが、中心的存在である遠山さんに逆らって、イジメなどに発展すると不味い。遠山さんはおとなしくて可愛いと思わせて結構やることは容赦がなく陰湿だと、誰かからは忘れたが聞いたことがあったので、私はしょうがなく誘いに乗ることにした。


「分かった。参加するわ」

「わー!ありがとう広瀬さん!」


 まったくありがたく思ってなさそうな棒読みと、笑ってない目を見せた遠山さんは、そのまま取り巻きと一緒にさっさと自分の席に戻って行く。クラスの中には関わりたくない人が数人いるのだが、その人たちも来るのだろうか。せっかくの休みなのに、私は一生来なくていいと思ってしまった。


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