表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/673

スキルシートが届いた

* 2019/08/11

 長さの単位を変更しまいた。

 冒険者組合に出かけた翌日、私は葛町(かずらまち)の集荷場に出勤したのだが、机を掃除している時、封筒が置いてあるのに気がついた。封筒には私が努める会社の名前とスキルアンケートとかかれていた。

 中身がどんなものなのか気にはなったのだが、残りは机を拭くだけなので後回しにした。


 ちょうど掃除が終わって片付けを始めた頃、後藤先輩が出社してきた。後藤先輩は、


「お、山上もう終わったか。」


と声をかけてきた。私は、


「おはようございます。

 はい、先ほど終わって、今、片付けている所です。」


と返した。すると先輩は机に目をやり、


「昨日の帰り頃に会社からスキルシートが届いていたので、来週の書類整理の日に書き忘れないようにしろよ。」


と言った。私は、


「スキルシートとはどのようなものでしょうか。」


と聞くと、後藤先輩は、


「平村は春先は足りなくなった物資の補充や冬に作った工芸品の運搬で荷物が多いが、そろそろ一巡して荷が半分以下になる頃なんだ。」


と言った。私は、


「どのくらいになるのでしょうか。」


と聞くと、先輩は、


「そうだな。

 1週間あわせても忙しい夏前や冬前で15尺(4~5m)、それ以外はだいたい半分の7尺(2m)程度になる。

 なので、週に2回行くから一人で十分まわせるようになるんだ。」


と返した。私は不安になり、


「すると、私は来年の春まで失業でしょうか。」


と聞いた。しかし、後藤先輩は、


「その点は心配ない。

 これからは山小屋にこもって林業をする人のために荷を運ぶことになる。

 ただ、下手な所にやると魔物に食われるので、どんなスキルがあるか毎年確認してレベルにあった所に配属しているんだ。」


と説明してくれた。

 私は横山さんが私のレベルは強さのわりに高くなっていると言っていたのを思いだし、レベルで合わせられると死ぬと思ったので慌てて言った。


「それは困ります。

 先日、冒険者組合でレベルのわりにかなり弱いと言われまして、レベル以外の数値で比較しないと死ぬと言われてきた所です。」


すると、ちょうど田中先輩が入ってきて、


「何の話をしているんだ?」


と聞いてきた。私は、


「おはようございます。

 先ほどスキルシートがどのようなものかという話を聞いていました。

 普通にレベルを書くと私にとって死地に向かわせられそうです。」


と説明した。すると田中先輩は、


「そんなもの、どうせ調べられやしないから、適当に書いておけ。

 俺も実際のレベルの半分以下で申告しているぞ。」


と言っていた。後藤先輩は、


「会社に嘘の報告をしているのですか?」


と慌てて聞いたので、田中先輩は当然の顔をしながら、


「就職面談の時、ここの仕事はレベルで言うと8くらいが最高難度だど聞いたぞ。

 で、俺は10で申請している。

 山上はそうだな、、、最近の動きからしてレベル8くらいで申請しておけば無難だろう。」


と言った。後藤先輩は、


「山上も超人の側なのか?

 俺でレベル5だぞ?」


と驚きながら言った。なので私は、


「超人じゃありませんよ。

 田中先輩じゃあるまいし。」


と返した。するとどうも田中先輩から不興を買ったようで、


「死ぬんじゃなかったのか?」


と、少しとげのある言い方をされた。私は「あれ?」と思ったものの、田中先輩が話半分で聞いていることがあるのを思い出して、


「すみません。

 レベルを詐称するのが嫌だという意味ではなくて、レベルがどのくらい高いかの話です。

 レベルの方は8で申請しようと思います。」


と返した。田中先輩は納得したような顔をしたが、後藤先輩は、


「いや、給料を貰っているのだから正直に書くべきだろう。

 いくら田中さんが有名冒険者のポーターをしたことがあるからといっても、それは違うと思いますよ?」


と反論した。そこで私は、


「私は意図せずレベルだけは高いのですが、体を鍛えている訳ではありませんので、普通に書くと勘違いされてしまうのですよ。

 田中先輩は、多分、うちの会社はレベル手当てが出ますが、正直に書くとレベル手当てがバカ高くなってしまうので、会社から()()()が来てしまうのではないでしょうかね。」


と話した。すると、田中先輩が、


「山上、鋭いな。

 うちの会社、本当は雇用条件がレベル10までになっていてな。

 これを越えると会社とはレベル10ということで契約することになっているんだ。

 あと、山上の場合は肉体を鍛えて今のレベルを手に入れている訳では無いので、俺がどのくらいのレベルか判定して申告することで会社と話はしてある。」


と言った。後藤先輩は、


「不正じゃなくて相談済みということですか。

 すみません。

 それなら早くそう言ってくださいよ。」


と、バツが悪そうに言った。




 その後、田中先輩と私は出発時の確認を行った後、平村に向けて出発した。

 しばらく歩いていたが、山にさしかかる少し前に、ふと昨日の冒険者組合での約束を思い出した。

 私は田中先輩に、


「そういえば、昨日、冒険者組合で野辺山さんと、田中先輩も誘って飲もうという話になりました。

 もし、明後日お時間があるようでしたら、一緒に如何がでしょうか。」


と話した。すると田中先輩は、


「いまさら野辺山と飲んでもな。」


と返した。私が、


「あと、横山さんもいらっしゃるそうですよ。」


と言うと、田中先輩は、


「それなら行くぞ。」


と返した後、もう一言、


「お前、わざと最初に言わなかったのか?」


と付け加えて凄まれた。なので、私は


「そんなわけ無いじゃありませんか。

 飲みの話を出したが野辺山さんだったので、すぐに思い至らなかっただけです。」


と返した。田中先輩は嬉しいのを悟られないようにするために凄んでいるようにも見えたが、そんなこともないかと思いなおした。田中先輩は、まだ不機嫌そうに、


「ならいいんだが。」


と言った。

 その後、山道に差し掛かったこともあり、次の休憩まで先輩の後を黙々と登った。


この世界では、一般的な肉体労働をしている成人男性はレベル4~5となります。

歩荷の仕事は肉体労働なので、後藤先輩もそうであるようにレベル5の人が多い設定です。


ちなみに、魔法だけでレベルが高い人もいるので、レベル10だからと言って必ず屈強な肉体とは限りません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ