Tuning
かなり稚拙です。
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
市街地から電車で20分程に位置する住宅街の一角にある公園に1人の少年がいた。
ブランコに乗り、左右にゆらゆらと揺れている。
ヘッドホンから漏れているのはBLANKEY JET CITYのCamaro。
空を見上げていた。
今夜は満月。
夜空に蒼白く浮かぶ月に向かって彼は煙草の煙を吐いた。
彼の名前は圭吾。
19歳、体格は割とがっちりしてる方で顔は至って普通。
成り行きで付き合うことになった亜美という彼女がいた。
そして馬鹿だった。
生きる意味を履き違えて努力もせずに結果だけを求め、自分で勝手に世の中に失望していた。
自分は人とは何かが違い、それを認めてくれない世間が悪いと思い込んでる彼は音楽こそが、ROCKこそが自分を狂った世界から隔離して生を実感させてくれると信じて止まなかった。
圭吾は幼少時から親の影響でビートルズやストーンズを聴いていたが、小学校の時にテレビで観たBLANKEY JET CITY(以下BJC)に影響を受けてからはもっぱら邦楽ROCKを聴くようになった。
その影響は凄まじく、圭吾の人生を大きく変えてしまった。
普段の言動からそれは垣間見ることができ、学校などで圭吾は異質な存在として扱われていた。
だが彼自身は『異質』として扱われることにカタルシスを持っていて何ら不満は無く、そんな彼を受け入れてくれる友人もいた。
楽しけりゃそれで良い、そんなことを考えて遊んでるうちに高校生活が終わり、半ばニートのような日々を送るようになって半年。
近所の公園で煙草を吸って、音楽を聴きながらぼーっとするのが日課となっていた。
曲が終わると圭吾は煙草をもみ消して立ち上がり、家に向かって歩き始めた。
季節はもうすぐ夏だった。