表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

5歳男子についてのアレコレ

5歳男子の行く末がちょみっと不安

作者: 葉室ゆうか

 5歳男子の母、葉室ゆうかです。『ハム』と名乗っていますが、ボン○スではありません。(体型は近いですが)


 前作をお読み戴いた方には今回は軽いので安心してお読み戴けると確信しております。

 また、お初の方にもすんなり入って戴けるよう親切設計をしております。ご安心下さいませ。


 この話には、①5歳男子、黒曜こくよう(仮名)②逆子・筋腫・妊娠糖尿病を抱えて高齢出産を果たした母、葉室ゆうか(作者)③『普通の人そう』と思って結婚したら、とんでもない曲者だった旦那(以下パパ)の③人が主だった登場人物です。








「パンツ一丁ゲェええムっ‼︎」




 ──────それは突如、始まった黒曜ごさい主催の謎ゲーム。




 パパが大きな声で何か変な事を言い出した…。


「パンツ一丁は誰だッ(パパ)」

「──────俺だ!(黒曜)」

「お前かっ⁉︎」


 …………突っ込んだ処で二人が振り返る。



「「どう?」」(バカ親子)

「…何が?」(ハム)

「黒曜がママが楽しく参加出来る遊びを考えたんだよ〜〜」(パパ)

「…それが、か?」(ハム)




『俺だ!』───── 一位。

『……(突っ込まない)』二位。

『お前かっ⁉︎』─────三位。




 どうしよう。この男達バカども、渾身の力で殴りてぇ。




「…ふぅ、ママはワガママだなぁ。じゃ、くろォ何か別のヤツやったげて」

「んじゃ、【お尻早出しゲェーム】っ!」



 生暖かい眼差しで見つめる私。



 出してるよ、お尻。

 どうしよう…コメントが何にも浮かばない。

 キラキラした目で此方を見つめてくる親子。



「…いや、出さんし」



 寧ろ何故それを敢えて今選んだ(チョイス)


「「ママは「ワガママじゃねえ」」」


 今日も母は元気に突っ込む。


 ある日も──────


「ママ、『さいげつ』って知ってる?」


 さ、歳月、ですか…?


「黒は、知ってんの?」


 したり顔の息子が頷いて、

「さいげつ。────それは普通の日がお休みになると言う「それは『祭日』」」


 母のツッコミは秒速だ。


「そうとも言う」


 いや、寧ろそうとしか言わん。

 5歳男子、何を突然言い出す…?


「ママ、お酒をお爺ちゃんがお酒を飲むのは駄目だよね…」


 朝、8時半です。


「…?(お酒?)ん?ジィジは大人だからさ〜。いいんじゃない?飲んでも」(ウチの爺ちゃんは飲む人)


 神妙な顔の息子が、

「──────○○君(同じきく組)のお爺ちゃんは飲み過ぎて死んじゃったんだって」





 重い。

 朝の8時半だぞ、息子よ。

 お前ら保育園でナニ話してんだよ…。




「…まあ、飲み過ぎたらダメかな…程々に(ちょっと)飲むのはいいらしいよ」

「そうだね(何故か悟った風)」




 トイレに入っている母にドア前で不穏な動きをする息子。

『うふふふ』と笑いながら、かちかちカチカチとスイッチをオンオフしている。




 但し、【換気扇】の。




 ああ…やっぱアイツ、ちょっぴり残念なパパの血を見事に引いていやがる。

 アレだ、電気のスイッチと間違えたんだな単に。

 そう、思っていたのに…




「ママ、いい匂いがしたりしなかったりするでしょう!」←得意そう




 え?まさかの確信犯?

 そして、やっぱりバカ?

 そこは臭かったり臭くなかったりじゃねぇの?


 そして息子は母が何故か己の仕打ちに堪えないと眉を顰め、遠慮がちに一回、電気のスイッチをカチ、とやり雷を落とされてシオシオと自分がトイレに行かされて、母の電気カチカチの報復に合うのだ。



 5歳男子はまだまだ子供。

『すーぐハタチになって独り立ちしちゃうんだよ』とか、『反抗期が来たら返事もしないからイライラしちゃう』とか言われて、この先に戦々恐々としながらも、母はついつい安心してしまう。


 子供はいつか大人になるもの。

 分かってはいるけど、あの子がいくつになっても『私の子供』な事には変わりはないのだ。


 たとえ、タイヤのパンクをスタンドで修理している間に洗車待ちの美女をナンパして数分で名前まで聞き出す妙義に顔が楳図かず○の漫画みたく固まっても。

『ねこね○日本史』のオープニングテーマで、テレビの前を陣取って創作ダンスを踊っている馬鹿な子供は間違えようもなく私の息子なのだ。


 変な二親を持ったせいなのか、はたまた本人の資質なのか、顔を見つめるだけで『ちゅーしたい人〜〜?』と聞いて自分が手を上げてしまう可愛らしい愛すべき人。


 貴方がいつか大人になって、ママをババァと呼ぶ日が来ても。

 友達の弟みたいに戯れて鼻フックを笑顔で掛ける青年に育っても。


 保育園で送迎の愛車に水筒を忘れて、呼び止めるも他の園児の声に紛れて気付かない私に、




「ママ!ママ!─────俺のママ‼︎」



 と、必死に叫んで呼ぶ声を母は一生忘れる事は無いでしょう。


 ちょっとこの先が心配だけど、貴方よりヘンな貴方のパパが『男の子はみんなあんなモンだから』って言うから。

 きっと変なまま大きくなっても、いつかママみたいなオタクなモノ好きが貴方に寄り添ってくれるでしょう。



 パパとママの子なんだから、きっとどんな貴方でも全然気にしないヨメが来てくれると信じています(希望)。


 5歳男子は野望に満ちている。

 5歳男子は魔法の杖を持っている。


 どうか、それを失わないでほしい。

 母が、父が、いつか『お写真』になる日が来ても。

 草葉の陰に噛り付いても、お迎えを蹴り飛ばして貴方の行く末を見守り隊。


 そうして、母は老化と日々戦いながら、『残念』な方向に導こうとするパパと今日も一戦交えるのです。



 そんな息子はドライブ中の昼食だっちゅーに籠にお菓子を入れている。


「ゴハン買うって言ったでしょ?」

「あのね、ママ。これは隠し味です」



 それは決して昼食の隠し味ではない。




「──────目を瞑って、手で隠しながら食うお菓子を『隠し味』とは呼ばん!」





 後ろでニヤリとパパが笑う。(仕込んだのはお前か)

 ローソ○の店員さんの肩が震えている。

 るーるるるるっるー今日もいい天気ィ〜〜。



 …『残念だ』なんて思っていません…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 悪さをしたので(お姉ちゃんに浣腸をする)お尻を引っぱたくと「もっと痛くして疲れさせて下さい」と言ってくるうちの息子(5)と、いい勝負だと思いました・・・。 (変態にならないか心配中)
2018/11/13 17:29 退会済み
管理
[良い点] 素敵な日常をご馳走様です。 [一言] 永遠に五歳だったらいいのにね、と思ってしまうくらい可愛いですね! でもきっと6歳になっても10歳になっても二十歳を過ぎても、ずっと可愛いクロくんでしょ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ