英語のことわざ ひ
贔屓の引き倒し(ひいきのひきたおし)
ひいきを引きずって、かえってその人に迷惑をかけてしまうこと
kill with kindness
(親切で殺す)
東に近ければ西に遠い
(ひがしにちかければにしにとおい)
一方に都合よくすれば、他方には都合が悪くなる
どちらにも偏らないようにすることは難しい
The longer east the shorter west.
(東が長いほど西は短くなる)
東は東、西は西
(ひがしはひがしにしはにし)
東洋と西洋は本質的に異なるものだ、ということ
※イギリスの詩人キプリングの詩の一部
英語のEast is East,and West is West. から
光る物、必ずしも金ならず
(ひかるものかならずしもきんならず)
外見の立派なものが、中身もりっぱであるとは限らない
だから、外観だけで判断してはいけないということ
英語のAll is not gold that glitters. から
卑下も自慢のうち(ひげもじまんのうち)
へりくだることは、自分を相手に認めさせようとする言動である
だから、必要以上にへりくだることは自慢の一種だということ
Pride that apes humility.
(謙遜をよそおう高慢)
膝とも談合(ひざともだんごう)
困ったときには、ひとりで悩むよりも、たとえ頼りにならない相手でも相談して見れば、それなりの成果はあるものだ
Consult with your pillow.
(まくらと相談せよ)
美人は言わねど隠れなし(びじんはいわねどかくれなし)
美人の存在は、自分で吹聴しなくても自然に知れわたる
A fair face will get its praise,though the owner keeps silent.
(持ち主が黙っていても美しい顔はほめてもらえる)
尾大、掉わず(びだいふるわず)
下の者に力量がありすぎると上に立つ者は自分の思い通りに事が運べない
Make not the tail broader than thy wings.
(尾を翼より広くするなかれ)
引っ越し三両(ひっこしさんりょう)
引っ越し貧乏と言われるほど、引っ越しをすれば費用がかかる
Three removes are as bad as a fire.
(引っ越し三回、火事一回)
必要は発明の母(ひつようははつめいのはは)
必要に迫られるから、あれこれ工夫がなされ発明がうまれる
だから、必要は発明にとってまるで母親のようなものである
英語のNecessity is the mother of invention. から
火で火は消えぬ(ひでひはきえぬ)
ただやみくもに力で力をねじ伏せようとしても、事は収まらない
There is great force hidden in a sweet command.
(やさしい命令には大きな力が隠されている)
一筋の矢は折るべし十筋の矢は折り難し
(ひとすじのやはおるべしとすじのやはおりがたし)
一人一人の力は弱くても、力を合わせれば強い力を発揮できる
In union is strength.
(団結にちからあり)
一つよければまた二つ
(ひとつよければまたふたつ)
人間の欲望には際限がないということ
One bit draws down another.
(一口はもう一口を呼ぶ)
人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ
(ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ)
成功しようとしたり優れた人間になろうとする者は、まず自分自身のいろいろな欲望を克服しなければならない、ということ
He is not fit to command others that cannot command himself.
(おのれを制する能わざる者は他人を制するにふさわしからず)
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
(ひとのいっしょうはおもにをおうてとおきみちをいくがごとし)
苦しくて長い一生を生きるには、忍耐と努力をもって歩んでいく必要がある
※徳川家康の遺訓として知られる言葉
The world is long journey.
(この世は長い旅である)
人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち)
噂は長続きしないもの、だからあまり気にしなくて良い
A wonder lasts but nine days.
(驚きも九日しか続かない)
人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ)
人のうわさ話はやめさせることもできないし、防ぎようもない
People will talk.
(人は口さがないもの)
人の事より我が事(ひとのことよりわがこと)
他人の世話をやくよりも、自分のためになることをしろ
Mind other men but most yourself.
(他人もだが自分のことを第一に)
人の七難よりも我が十難(ひとのしちなんよりもわがじゅうなん)
他人の欠点にはすぐ気づくが、自分の欠点となるとなかなか気付かない
Our neighbor’s children are always the worse.
(隣の子どもがいつも悪い)
人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)
他人のものを巧みに利用して、自分の利益をはかること
One beats the bush,and another catches the birds.
(甲が藪を叩き、乙が鳥を捕まえる)
人の将に死なんとするその言や善し
(ひとのまさにしなんとするそのげんやよし)
人が死に際に語ることばには、人の心をうつ真実が込められている
Dying men speak true.
(死ぬ人はほんとうのことを言う)
人は一代、名は末代(ひとはいちだいなはまつだい)
人間は死ねばあとかたもなくなるが、名誉や名声は後世にまで残る
だから、末の代まで名をとどめるような立派なことをせよ
A man dies,his name remains.
(人は死にその名は残る)
人はパンのみにて生くるにあらず
(ひとはぱんのみにていくるにあらず)
人間は物質的なものだけで生きているものではなく、精神的支えがあってはじめて充実した生活ができる、ということ
英語では Man shall not live by bread alone.
※キリストの山上の垂訓の一つ。
『新約聖書・マタイによる福音書』にあることばから
人は見かけによらぬもの(ひとはみかけによらぬもの)
人の能力や性質は外見だけでは判断しづらい
中身と外見は往々にして異なっているものだ、ということ
Appearances are deceptive.
(見かけは当てにならぬものだ)
人は見目よりただ心(ひとはみめよりただこころ)
人は顔かたちの美しさよりも、性質のよいとこのほうが大切である
The mind is the man.
(心こそその人)
一人口は食えぬが二人口は食える
(ひとりぐちはくえぬがふたりぐちはくえる)
一人暮らしはいろいろ無駄が多くて生活しにくいが、結婚して二人で暮らせば節約できる部分が多くなり、なんとか食べていける
Two can live as cheaply as one.
(二人は一人と同じくらい安く暮らせる)
一人娘と春の日はくれそうでくれぬ
(ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ)
一人娘は惜しがって、なかなか嫁に出そうとしない
A dear ship stands long in the haven.
(だいじな船はなかなか港を出ない)
人を怨むより身を怨め(ひとをうらむよりみをうらめ)
人は面倒なことが自分に降りかかると、原因や責任を人のせいにしがちだが、他人をうらむより、自分の努力の足りなさや至らなさを反省せよ
Everyone is the son of his own work.
(人はだれしもおのが所業の子である)
人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)
他人を陥れれば、いつか自分の身にも必ずはね返ってきて報復される
Curses like chickens,come home to roost.
(呪いは、ヒヨコがねぐらに帰るように、わが身に返るものだ)
人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)
他人は信用できないもの
だから、みんな泥棒だと疑ってかかるぐらい用心せよ
They that think none ill are soonest beguiled.
(だれをも悪く思わぬ人はさっそくにだまされる)
人を見て法を説け(ひとをみてほうをとけ)
他人にものを説くときには、性格などを見極めて適した説明をしろ
Cleave the log according to the grain.
(木目に応じて丸木を割れ)
火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)
燃えているものに火をかけるように、勢いの盛んなものにさらに勢いを加えること
add oil the fire
(火に油を注ぐ)
日の照っているうちに干し草をつくれ
(ひのてっているうちにほしくさをつくれ)
好機は逃さず、とらえて役立てるべきだということ
英語のMake hay while the sun shines. から
火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ)
うわさにはなんらかの根拠があり、事実がなければ噂が立つはずがない
There is no smoke without fire.
(火のない所に煙はない)
日の下に新しきものなし
(ひのもとにあたらしきものなし)
新発見・新発明というものは、これまであったものや先人が残してくれたものに、多少手を加えて新しい形に変えたに過ぎない
英語ではThere is no new thing under the sun.
※『新約聖書・伝道の書』にあることばから
ひもじい時にまずい物なし(ひもじいときにまずいものなし)
空腹ならなんでもうまい、ということ
Hunger is the best sauce.
(空腹は最上のソース)
百尺竿頭、一歩を進む
(ひゃくしゃくかんとういっぽをあゆむ)
工夫を凝らしたうえでさらに工夫を凝らす
満足することなく絶えず進歩向上をはかることのたとえ
The best may amend.
(最上の者も改められよう)
百日の説法、屁一つ
(ひゃくにちのせっぽうへひとつ)
長い間の苦労が、ほんのちょっとのしくじりで無駄になってしまうこと
One hour’s cold will spoil seven years’warming.
(一時間の寒さで七年間の暖房がだいなしになる)
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人の話を何度も聞くより、現実に自分の目で見たほうがよく理解できる
Seeing is believing.
(見ることは信じることである)
百里を行く者は九十里を半ばとす
(ひゃくりをいくものはきゅうじゅうりをなかばとす)
なにごともあと少しというところを乗り越えるのがむずかしい
だから、ほぼ終わりに近い九分あたりまで進んだ辺りを半分と思え
There’s many a slip ‘twixt the cup and the lip.
(コップと唇のあいだにも取りこぼしが多い)
瓢箪で鯰を押さえる(ひょうたんでなまずをおさえる)
とらえどころがなくあいまいで、さっぱり要領を得ないこと
There is as much hold of his words as a wet eel by the tail.
(彼の言うことは濡れたウナギの尾のようにつかみどころがない)
火を以て火を救う(ひをもってひをすくう)
弊害を排除しようとして、かえってその弊害を大きくしてしまう
One fire drives out another.
(一つの火が他の火も消す)
貧すれば鈍する(ひんすればどんする)
貧乏になればあくせくして、利口な人でも愚鈍になる
Poverty demoralizes.
(貧困は不道徳にする)
貧乏怖いものなし(びんぼうこわいものなし)
失う金も宝も持っていない貧乏人にとっては、なにも怖いものはない
He that has nothing is frightened at nothing.
(なにも持っていない者はなにも怖くない)
貧乏花好き(びんぼうはなずき)
身分不相応なことをしたり、好んだりすることのたとえ
※日々の生活に追われる貧乏人が花作りという風流を楽しむ意から
He has no more bread than needs must not keep a dog.
(余分なパンもないくせに犬を飼ってはならぬ)