表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋愛遊戯

雨の遊園地

作者: ソラヒト

感傷的なお年頃。



みんな雨に濡れていた

僕等はひとつの傘で寄り添って歩いた


ボクの右肩からしずくが落ちた

そんなことはどうでもよかった

キミがいてくれたなら

それだけで


明日になれば

もう二度と会えないかもしれない

分かってた

はるか遠く離れてしまうこと

太陽がキミを照らす頃

ボクはきっと星空を見ている


ボクは無力だった


空はつながっている

僕等は同じ惑星にいる

ロケットを模した遊具の前で

ボクはそう言葉にしていた


観覧車が

僕等のために動き出した

濡れそぼったゴーカート

メリー・ゴー・ラウンド

からっぽの駐車場

ぼんやりしたこの町

たぶん

ボクに顔をうずめていた

キミの瞳も


抱きしめた

肩がふるえていた

声をあげて泣いていた

観覧車が

音をたてて止まった


どんなに細くても絶対に切れない赤い糸

見えないけれどもきっとあると信じた



まだみんな雨に濡れていた


昨日までキミが暮らした家の前で

あの部屋の窓を見上げていた


右肩からしずくが落ちた

そんなことはどうでもよかった

これ以上キミの場所を失いたくなかった


ひとりで歩き出した

遊園地が見えてきた

何もかもゆがんでいた

目をあけているのに

何も見えなくなっていた


涙と雨が混じって落ちた

ボクが

声をあげて泣いていた


16/9/14 Wed. ~ 16/10/3 Mon.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ