雨の遊園地
感傷的なお年頃。
みんな雨に濡れていた
僕等はひとつの傘で寄り添って歩いた
ボクの右肩からしずくが落ちた
そんなことはどうでもよかった
キミがいてくれたなら
それだけで
明日になれば
もう二度と会えないかもしれない
分かってた
はるか遠く離れてしまうこと
太陽がキミを照らす頃
ボクはきっと星空を見ている
ボクは無力だった
空はつながっている
僕等は同じ惑星にいる
ロケットを模した遊具の前で
ボクはそう言葉にしていた
観覧車が
僕等のために動き出した
濡れそぼったゴーカート
メリー・ゴー・ラウンド
からっぽの駐車場
ぼんやりしたこの町
たぶん
ボクに顔をうずめていた
キミの瞳も
抱きしめた
肩がふるえていた
声をあげて泣いていた
観覧車が
音をたてて止まった
どんなに細くても絶対に切れない赤い糸
見えないけれどもきっとあると信じた
まだみんな雨に濡れていた
昨日までキミが暮らした家の前で
あの部屋の窓を見上げていた
右肩からしずくが落ちた
そんなことはどうでもよかった
これ以上キミの場所を失いたくなかった
ひとりで歩き出した
遊園地が見えてきた
何もかもゆがんでいた
目をあけているのに
何も見えなくなっていた
涙と雨が混じって落ちた
ボクが
声をあげて泣いていた
16/9/14 Wed. ~ 16/10/3 Mon.