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プロローグ

初投稿です。

右も左も分かりませんが、宜しくお願いします。

「ふっざけんなこのクソ親父っ!!」


元日早々、閑静な高級住宅街におよそ似つかわしくない大声が響き渡った。


********************


話は少し前に遡る。


つかさ、お前いい加減結婚について真剣に考えろ。」


お節料理をつつきながら、父である最上聡もがみさとしに諭された司は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。


「興味ないね。」


即答した司に、聡の表情が険しくなる。


「司。あんたもう四月で三十なのよ?なのに仕事ばっかりで未だに女の子の影一つないじゃない。今年はお父さんが社長職を退いてあんたが社長になるんだから、今まで以上に忙しくなるのよ?このままだと一生独身に「独身で結構。興味ないってば。」


母、はなの言葉を途中で遮り、司はピシャリと言い放った。


「俺は結婚なんて興味ないし、一生する気もない。もうこの話はしないでくれ。」


態度を改めようとしない息子に、両親は揃って眉間に皺を寄せた。


「…さきが結婚したときに言ったでしょ?三十までは好きにさせるけど、三十過ぎたらちゃんと結婚はしてもらうって。」

「俺は了承した覚えはない。母さんが勝手に言っただけだろ。それに俺はまだ二十九だ。」

「三ヶ月なんてあっと言う間よ。あんたが連れて来ないんだったら、お見合いしてでもしてもらいますからね。」

華の言葉に、司はお雑煮を噴き出しそうになった。


「見合い!?」

「そうよ。幸い心当たりは沢山あるんだから。あんたの意思を尊重しようと思っていたけど、あんたにその気がないのならこっちで話を調えますからね。」


司は青くなった。母の心当たりなど、絶対にろくでもないことは目に見えているからだ。

…少なくとも、自分にとっては。


「司。あと三ヶ月、三十になるまでは待ってやる。だが誕生日を迎えても相手を連れて来なかった場合は、こちらで用意した相手と見合いして結婚してもらうからな。」


父の最後通告。その辛辣な物言いに、司は拳を震わせた。


「ふっざけんなこのクソ親父っ!!」

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