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5ショートストーリーズ6

猫かわいがり

猫かわいがりってのはね…

 今日もいつもの定位置で安息を貪っていたら、同居人のアーヤが

言った。


「アンタ、またそんな所でぬくぬくして。ほらほら、一日中じっと

していたら体に悪いわよ? そうだ!」


 アーヤの次の言葉を待たなくたってオレにはわかる。例のアレの

お誘いだ。


「お散歩に行きましょ? リードはどこだったかしら?」


 オレの意向などまるで無視して、同居人アーヤはオレにリードと

やらをつける。逆らっても無駄な事は分っているので、オレはされ

るがままだ。


 だけど精一杯の抵抗の証として、オレはアーヤと並んで歩くのだ

けは断固拒否する。だってそうだろ? オレはアーヤをボスとして

見たことは一度たりとも無いのだ。


 アーヤの先に立ち、細い裏道を進もうとするオレ。時には同じ場

所でじっと佇み物思いに耽るオレ。いくら慣れているとは言っても


「あ~、このコは! しょうがないわね、もう!」


 結局アーヤはいつもの様に、オレを抱いて散歩とやらを続けるし

かないのだ。


「ねえ、ちょっと見た? あのコ、リードつけてるけど抱かれてる」

「抱いてたら散歩の意味無いじゃんね」

「ね! ああいうのを猫かわいがりって言うのよ」

「そうそう、超過保護って奴?」


 すれ違った女子高生たちがオレを見てくすくす笑ってる。オレは

いたたまれなくなり顔を伏せたが、アーヤは平気の平左衛門だ。


 こういうとこなんだよな。コイツの無神経な所! 猫かわいがり

もいいけど、もっとちゃんと可愛がって欲しいよ! 散歩だって要

らないっての。


 オレ猫なんだからさ!


ですよねw

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