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まとめて一本   問x3  (トイックス)

どんなもんだい小五郎の助

その青がりの無駄に粋がいい坊主が叫ぶ

おいそこうるさいぞ

リーダー格のひょろっとした少年が静かに言う

その人間以外のほとんどの者が五、六歳という年の若さで

いま彼らは語路米町「ごろべいちょう」のがきが集まり暇なので会合をしていた

オイ寅吉それは明らかに女であり唯一赤いべべを着ていた

その女の年はリーダー格の柳吉(リュウキチ)と同い年くらいに見える、

そのほかにはちびもいるが

一番、柳吉に近い女に

柳吉よりもさらにでかい

黄色い着物を着た、お袖「おそで」と言われた女がいたが

その体の大きいやつを皆、

大袖「おおそで」とお袖とは言わずに呼んだ



えー―では第、だい、だい、だ

そのまとまりのない頭脳を持つリーダーを無視して隣で利発な顔の寅吉と名乗る少女が

しゃきっとしたよく通る声で

えー―では頼りない会長に変わり、来月あります、すすきの祭り第三百一回組合を始めます、いつの間にか棒を持った大袖が、地面にその習字の師匠を母に持つ腕前で書記の位置に立った、それを見て年端もいかないちび達が、こそこそと頼りない、会長を見て肩をすくめる

夕暮れも近くなる初夏の時間

どこかでゴーンと音が鳴り

そろそろねと身支度というほどのものもないが、ガキたちを集めて神社から出る

ねーー柳吉

不意に最後尾を歩いていたそのひょろっとしたものに

その年とは思えないしっかりとした体を

腕に絡ませる、どきつく柳一

柳吉様 祭り一緒に行ってくれませんか

ふと照れていた柳吉は上を見る彼の目線にある肩それに見え隠れする目がどこか濡れている気がした、

なっないてる

一瞬どきっとする その大人のような会話にしてももうそうで、まるでおままごとみたいだが

しかし、、、、あっ柳

それは先頭を姉さん気取りで進んでいた寅吉が後ろのことなどきずかずに振り向いた時ふいに声をとぎらす。。。。

後ろでこそこそとその二人の様子を見ている人間

皆大人のまねか、

こそこそと

そのふいんきにきずいた虎にきずき、

修羅だ―と心配になる

たぶんどこを探してもこれだけ治安というべきか

上の者が下をがみがみと使う事をしない所も少ないだろう


その言葉を虎は引っ込めてまた前を歩きだす

その歩き方は先ほどから

後ろを見た時から、どこかぎこちない

なーー清吉っとん(せいきっとん)

目のくりくりした今年六歳になるはなたれ坊主が隣の清吉に聞く

何だと小声で聞こえないように隣の金という子供が聞く

柳きっとんと、大袖姉さんが付きあったら、、虎姉さんどうするやろか

、、、、さーーな 

不機嫌そうにきんぼうに言う虎は心臓に嫌な鼓動を感じているのを感じた

いっいまのは

脳裏には遊びとしても、どこかいいふいんきの二人がいた

一瞬にして次回の会合をどこそこでやるとか、近所の米屋とこの善吉(ぜんきち)が風邪ひいたとか

でもいま彼女の目の前は

どこかふらつき一生懸命へいぜんを装う

しかしそのいつもの天真爛漫しゃきっとしたその動きからすれば

逆に怪しいことに気ずいていない

実際子供たちはちょっとしたことでどぶ板でも踏み抜くんじゃないかと 

心配そうに見ているがそれもきずかない

それはどんなことでもきずくいつもの寅吉(本名。とら)としては異例の事であった。


なーー静きっとん

またもや隣のがきが隣を歩きていた清吉の袖を引く

何やねん、と江戸っ子のはずの清吉がつられて関西生まれの金の言葉が移り罰悪そうにこずく

、、、この後虎ねーさん言うんかいな

さーーな、言わんかもしれん

言わんのかいな

ふつふつとさっきからうるさい金坊に静かにせなあかんぞ、とどつき

うわ――んとぐずりだす金をまだどやすから、よけい始末が悪い、

一気に泣き出す金に寅吉がようすをみにくる

。内心虎としてもこのハプニングはほっとするものであった。

いつのまにか、後ろにいた柳吉も来ていて、そのあとからおっとりとしたお袖が

あらたいへんね

と平然と見ている

こいつはきっといい嫁さんになるなとふと思う虎であった


虎は我が家にいた、適当にばらつきながら帰る子供を見送って

実家の金平糖屋という菓子屋の居間にいた

その薄暗い居間でふと机にほうずきしながら考える

自分はいつから好きになったのだろう、さすがにいつまでもここにいるはけにはいかない

男っ気の多い虎でも最近そんなことをふと又思う、だとするとどんな人がいいのだろう

金 顔 家 あい

なぜか最後の単語だけこそばゆく、漢字に変換する前に思想が崩れ又顔を机に突っ伏す

もし母親にでも見つかろうもんならまた小言を言われると思うが

最近母はこの自らを男のように振る舞う我が娘にほとほと目を回し

半ばあきらめにも似た気苦労を抱えていた。

おい虎いるかそんな声がひんやりとした秋風の入る店のほうから聞こえた


柳は情けない男である

と自分で思っているからたちが悪い

どんな男も見栄で生きる時代それは

かなり生きにくいはずであるが

親のつけた名前のせいか

その武士の子とは思えないまるで流される柳のような男である

彼に意思はない

あるとすればなぜに人々は争い競うのだろうと、騒々しい江戸の街中で思う

そんな彼も清水というお人のいる寺に竹刀の稽古をしに行っている

そこで、ぎざぎざの髪の女、虎と出会ったのである。

それは雪もちらつきそうな秋の暮れ

お師匠さんの、清水 御座衛門(ござえもん)、寺の坊主でありながら竹刀の稽古もしているが

その三十ごろくと思われる男は、すらっと長い身体は鋼のように鍛えられているがそのぬめるような物腰の柔らかさでどこかさわやかでさえある又

なんとも憎めないいい男の顔が付いていた。

そのせいで女がいつも話を持ち寄るらしいがこの男には妻がいた

といってもどうやら、表向けの者ではないらしく、師匠もあまり話すほうではないので、わからないが

こんな男であるきっといい人だと思われた。

私は帰ります

縁側から酒を飲みながら聞いていた師匠は「ああ」というと

きをつけてなと言って本堂の中に入ろうとした時だった

「あの   竹刀袋に境内で竹刀を入れていた時、寺の階段を駆け上がってくる音がしてその女が今入ろうとする師匠に息を切らしながら叫ぶように言う

その髪はひどく乱れ残バラで、それが雑に切ったのが男の柳吉にも分かった

そいつは赤いべべで所々泥でひどく汚れていた

その今にも崩れそうな表情が、彼の横を通り過ぎ師匠の所に駆け寄ると域内頭を地面に当てて土下座した

私にも竹刀を教えてください

それは悲鳴とも聞き取れて竹刀を置き二人を見ていた

師匠はその様子がただ事ではないしその意気込みもまた同じであり、とりあえず

うむ と顎をさすりながら答えると

おい、柳吉この女と勝負しろ

っえ そのよくわからない答えに俄然とする

どっどうゆう

それをその長い腕で制すると

女に名前と聞く

と虎ですそう女はよく通る声で今にもかみつきそうな勢いでいう

そうか、今の話聞いただろうこいつを倒せ

なっいいだろ柳、それとも女子にお前は、負けるような稽古をしてきたか

そういう彼の声に微塵もふざけたものはなかった、 

その怖い目はどこを見るわけもなく二人を獣のような

善も悪もないような怖い目で観る

しかし 戸惑う声を一括して

負けたほうを破門にして一人のみ弟子入りさせる

そんな無茶なことを言う

事実柳は竹刀をつかんでいた、喧嘩和嫌いだが、

起こってしまえば仕方ない、そんな危うさがこの何も考えていないような少年にはある

竹刀袋かあ竹刀を彼女に一本出してほおる

彼女は着物をあたふたさせて竹刀を落し、裾を踏んでこける

しかしその時彼は切ることしか考えていなかった

それこそ普段なら散々、否定した挙句、竹刀であっても、ほらずに直接渡したはずだ

では、薄暗い境内に闇がさした、そんな暗い中をその巨大な影の脳名男は本堂から境内に足を進め、

恐ろしくまっすぐ立って、二人の中間に立つと、

はじっめ

そうする同叫んだ

その声は境内を震わせ

柳吉でさえ一瞬驚いたほどである

あの細すぎることはないとはいえすらっとした男のどこからあんな声が

だいたいこんな真剣な支障をあまり知らない、

怒るも何もない顔しか知らないのである

しかし虎という女も同様かと思いその暗闇に見える赤いものをみた

しかしそれこそ、少しびくついたが

すぐに竹刀を握り直し、叫び声とともに切りかかってきた

その握り方は両方の手のにぎりを竹刀の持ち手にひっつけるという初心者のもそだなー

とふとそんなことを思う

彼はそれをひらっと避けるとその手を打つ落ちない

彼は躰はいけんだろうと辞めて手にしたのだが、

決して柳の打ちが弱いわけではない、しかしそれぐらい女の思いが竹刀を手に食い込ませるほど握っていたわけだあった、彼はついイラッとなった。それは焦りではない

それどころかこの力任せにぶつかってくる女にむなしさを覚えていた

ふいに彼はその打ち込んできた女の太刀を避けると

脳天から素早く背中まで振り上げた竹刀を打とうとした

その瞬間彼の脳内に映像が届く

それは女の腕に青いあざがあるのだ

その瞬間彼の気は一気に落ちその明らかにやる気のない体に彼女の竹刀が食い込んだ

やっめ

その声はどこかもとのつかめないどこかあざけ笑った男の声だった

その色のない声が無情にくくらい境内に響く

あしたから

と時間と用意するものを言う師匠

彼は竹刀を持ったまま走っていた、もーーやだ何であんなことを

彼は泣きそうな頬を下向きに走った

息が切れて心臓が破けそうになるそれでも走り足がもつれて、河原に倒れた



彼はあの瞬間もういいやと思った

ここでこの人を傷つけて何になる

そんなもんならやめるそれが彼の動きを止めた


おいどうした

ふらつく足で顔を涙で晴らして家の前につく下を見ていてわからなかったが、そこには一人の男がいた

し、師匠

その細長い影は明らかにその男であり

よく見るとその奥に赤い着物を着た奴も見える

わ、わたしは、声にならない

そのときだった

男の着物が揺れそれが少年を包んだ瞬間

ぎゅう~~ぅ~~~と骨がきしむ音がするきつく抱きつかれ

頭を遠慮なく髷が崩れるのも関係なく掻きむしられた

(ちょちょっと

そう言おうとして涙がこぼれる

上から いやー――お前を育ててるかいがあった

もしも 一瞬声が低くなる

しかしまた無駄に明るくなりそのひんやりとした涼しい声が胸にしみこむ

はっははいやはや仲良くやれ そういうと彼を離した

あっ後こいつが前に渡したいものがあるって

そこに三歩前にいる女が竹刀を胸に握りしめて立っていた

「あっあのこれ」そう言って竹刀をまるで崇め奉るかのように頭を伏せ腰を曲げ竹刀を突き出す

いっいいよ そうぶっきらぼうに言った



結論を言うとそのあと夜泣きそばで酔っ払いにつき合わされた

いつも静かに飲んでいるのとは違い驚く明るい笑いだ

最後らへんに引っかかっていたことを聞いてみた、それは恐ろしく聞けないしかし

あのーー師匠私は明日から稽古に行ってもいいのでしょうか

するとあっけらかんに良い良いといい背中をたたく

お前は女の手を切ったあれが本当ならそれで終わりだ

それよりも、っとそこで言葉を切り

自分を切らしたお前が憎いそういってほがらかに笑ったのであった

かくしてその固く強張った表情をやっと崩し笑った虎とかいう女

それを見てまたまた機嫌よくする師匠である。



は~~―色々あったな

寅吉と名乗ったのは師匠がきっかけである

半分切られたようなものだから寅吉

うむここでは女としてではなく男としてこい

といったのである

それは彼女があの後境内で倒れるように崩れた後

その師匠と呼ばれていた男に話したせいでもあった

彼女の家にはお種という女中がいてその子供にお玉という玉のような小さくかわいい五歳の女の子がいた

その子はいつもトラトラとその跡をひっきりなしについて回り店の者もまるで姉妹みたいだと笑った

そんな玉がある日けがをして戻ってきた

聞いてみてもその小さき口を一文字にゆがめてはなさない

彼女は近所の子供に片っ端から聞いて回った、

その結果そのうちの一人が見ていた

何でも虎の悪口を言う隣町の子供に勇敢にも、喧嘩を売って、突き飛ばされたらしい

虎はそれを聞くなりも手に飛び出していった

その結果こてんぱんにやられた

それでも気の強い女であり引きずるよに行ったからたまらない余計ひどくなって

最後は倒れて動けない 幸い襲われはしなかった

しかし虎は引けなかったわけがあった

あのお玉が付いてきていたのだ

彼女を周りでひっとらえて それに乱暴をしようとするから虎もかみつく

幸いけがこそしていない玉であるがおびえていたその体を揺らしながら虎のけがを見て泣いているのである

その日からだ玉が男を見るときつくにらむ そのせいでばからしいがお玉が店で侍相手に粗相をして、、

結局虎は悔しかった何で守れなかったんだ そもそも 彼女はその日のうちに近所で道場を探したが皆女を入てはくれず中には蹴りだす人もいた、そんなとき竹刀の音がしたそれは夕暮れのテラス中長い石段がずーーと寺の境内まで伸びていた

。そこであの男と会った その明らかにやさ姿は頼りなく

一瞬帰ろうかと思ったしかし彼女に諦めるものはない




彼女は意を決すると、立ち上がった

その鼓動は体中に響きそうだがしかし彼女は決めた

店に顔を出すと幸い誰もいない

不用心極まりないが虎は今それどころではない

あのー、、、

そう柳吉に切り出した。


柳吉は考える皆が帰った後、街を一回りした後、虎の店に来ていた


その女は店の中に声をかけるおしばらくして出てくる

しかしその顔を見てハッとするそこには女がいた


あっあの 虎は物静かを装おうとするが胸が胸が張り裂けそうで言葉がでない

、、りゅう 付き合ってくれる、、

彼がその細身の体を暗い涼しい店で虎を抱きしめていた。


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