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プロローグ

二十年前、俺は異世界に転生した。


転生したきっかけは、正直わからない。


いつも通り朝起きて、会社に行き、仕事を終えて帰宅する。

そんな、どこにでもある平凡な日常を過ごしていたはずだった。


なのに気がつけば、俺は異世界で赤子として生まれ変わっていた。


転生してからの二十年、俺は前世の知識を活かして様々なことを成し遂げた。


異世界の魔術理論を改良して魔術全体のレベルを底上げしたり、現代知識を使って便利な道具を作ったり。


その功績が評価され、平民だった俺はついに貴族へと成り上がった。


順風満帆。


まさに理想の異世界ライフだった。


……そう、あの日までは。


俺は、仲間だと思っていた連中に裏切られ、殺された。


——殺された?


じゃあ、なぜ俺はこうして意識があるんだ?


そう思うだろう。


答えは簡単だ。


俺は、ループしてしまったのだ。


ループ——簡単に言えば、死ぬたびに時間が巻き戻り、過去へ戻る現象だ。


ただ、俺の場合は赤子ではない。

体感では、五歳くらいの頃まで巻き戻っているようだ。


まさか異世界に来てから、こんな能力が備わっていたとは思わなかった。


……いや、気づけなくて当然か。

死なないと発動しないのだから。


それにしても、ループ系か。


こういうループものって、大抵は何かしらの目的がある。

魔王討伐だったり、世界滅亡の回避だったり、それを達成するまで終わらない——そんなイメージだ。


だが、俺の場合は違う。


目的もなければ、使命もない。


なら、なぜ俺はループしている?


誰が、何のために、俺をループさせている?


考えれば考えるほど謎だ。


……まあ、いい。


せっかくループしているんだ。

なら、これはむしろチャンスじゃないか?


この無限に遊べる異世界を、隅々まで楽しみ尽くせるチャンス。


よし、決めた。


俺はこのループを利用して、この異世界を遊び尽くす。


ああ、それと——。


何回ループしたか忘れないように、今日から日記でもつけるか。


タイトルは——『異世界ループ日記』。


……うん、安直すぎるが、まあいいだろう。

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