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02.そして出会う

 感動的な出来事から三か月がたった。今日は北海道を離れて上京する日。空港で両親に感謝を伝えて、飛行機に乗り込む。頑張るぞ!と意気込み、出発した。


 上京してからの日々は楽じゃなった。引っ越しの片づけ、大学では全く友達ができず、アルバイト先も決まらず。毎日、壁に貼ってある奈々ちゃんのポスターを見て頑張っていた。そして上京してから三週間後、アルバイト先が決まった。自宅から徒歩30分のコンビニ。ちょっと遠い気もするがしょうがない。アルバイト先が決まってからは先が全く見えなかった。朝早くに家を出て大学に行き、夕方はコンビニで働いて、日付が変わる直前に帰宅。そこから、家事をして課題をして平日は寝不足。土日はその疲れで一日中ベットで寝る。お金は家賃、食費、学費、その他もろもろであっという間に消え、推し活は全く出来なかった。推し活がたくさんできると夢見て、上京してきたが毎日、同じことを繰り返す日々でつまらなかった。正直、毎日を生きていくのがつらかった。

 もう、終わりにしよう。大学を退学して、北海道に帰ろう。そう思っていた。なのにー。


「お願いします。」

「はい、お預かりします。」


かわいい声の人だな。手、きれいだな。

サラダ、野菜ジュース、サラダチキン。健康に気使ってるんだな。


「レジ袋どうされますか?、、、!」


 目の前にいたのは全身黒の服、マスクに眼鏡をして、黒い帽子を深くかぶっている奈々ちゃんだった。

おそらく、ファンじゃない人からしたら不審者だと思うだろう。

でも、私にはわかった。

目の前にいるのは私の最愛の推し、大海奈々ちゃんだった。


「お願いします」

「、、、あ、はい。」


震える手で袋に商品を詰めて渡す。


「ありがとうございます」


奈々ちゃんが言ったその一言で本人だと再確認。

 ただただ、嬉しかった。

そのまま30分ほど、高まる気持ちを抑えて、仕事を続ける。


 勤務が終わり、バックヤードに戻る。


 こ、こ、これは夢か?あまりにも奇跡すぎる。そして可愛すぎる。

マスクで顔、全く見えなかったけど、かわいい!!!!やっぱ、すきだなぁ。

もしかしたら、ここで働いていればまた会えるんじゃ、、!


声、声さえかけなければ、迷惑じゃないよね。

拝むだけなら。きっと、、、。大丈夫!

 

 もうちょっと頑張ってみようかな。


バックヤードを出て、店をでる。


「あ、あの、すいません!」

「はい、、、!!!」


振り返るとそこにいたのは


「奈々ちゃん!?」

「こんばんわ、急に話しかけてごめんなさい。かなちゃんですよね?」


えー!!!!そんなことある!?死ぬ死ぬ死ぬ!命日すぎる!え、ってか話しかけられた!?ふつう逆じゃないの!これ!推しのプライベートに入り込んじゃっていいのか!?どうなのこれ!?


「レジで会ったとき、もしかしたらって思って、手震えてたから、そうかなって。すみませんプライベートに」

「いや、、」


いやいや、あなたがね!?それ私が言うセリフなんよ!なんだこの生物可愛すぎんだろ!同じ人間か!?

うわぁぁ、かわいい抱きしめたい。切実に。

でもなんでわざわざ話しかけてきたんだろう。ずっと待ってたってことだよね。


「あの、なんで?」

「あ、すみません。迷惑でしたよね、、」

「あ、いや。そうゆうことじゃなくて、なんでなのかなって純粋に思ってしまって、普通、その、嫌じゃないのかなってファンに話しかけられるの」


話しかけられるのじゃなくて話しかけちゃってんだけどね推しがファンに。


「その、かなちゃんと話したくて私が、だから今から、、、」


     「私のおうち来ない?」


えーーーーーー!そんなことあるの!えーーーーーー!まじで!!夢かなこれ!

夢超えて走馬灯だろこれぇ!タメやっぱかわいい!!しかも家ぇ!やばすぎんだろ!!


でも、待て待て。落ち着け、冷静になれよ、こんなことってホントにあるのか?

もしかして、お金目的?え、奈々ちゃんってそんなことするの、、。

で、でも。正直、今の私に失うものなんてないし、いいや。

たとえ殺されても、お金取られても

奈々ちゃんと少しでも長くいられるなら

それで、、。


「行きます、行きたいです!おうち!」

「ふふ、決まり。行こうか」

「はい!」










いよいよ奈々の家へ。

次の話

ーおじゃましますー

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