01.生きがいは推し活!
私はアイドルオタクの女子高に通っている高校三年生の大見かな。
私の推しは結成五年を先月迎えた女性アイドルグループのルーナパレットの大海奈々ちゃん。グループのしっかり者で姉御肌の22歳。奈々ちゃんがデビューしてからずっと推していて、お姉さんって感じが好きなんだぁ~。私の苗字と奈々ちゃんの苗字、漢字はちがうけどおおみっていう読み仮名は一緒。勝手に運命感じてる。
毎日頑張って高校に通ってアルバイトをして、推し活代を稼ぐ日々。
アルバイトは大変だけど、推しが歌番組に出てたり、ライブや握手会で会えるときは最高にうれしくて、稼ぐことが嫌じゃなくなる。
今日は人生二回目の握手会。私は北海道在住なので飛行機代やホテル代などの遠征費ですっごいお金使っちゃうから、頑張ってもライブに行ったり握手会に行けるのは年に一回か二回。だから今日この日をすごい楽しみにしてたんだ。でもあと三か月すれば東京の大学に進学するから、たくさん会えると思うんだけどね!
眠い目をこすって朝一番の飛行機に乗って、東京の会場へ向かう。
会場に着くとたくさんのファンの人がいてうれしくなる。奈々ちゃんの推しメンタオルを持っている人を見るとなおさらうれしくなる。推しが誰かに応援されていたり、大きな仕事が決まった時は自分のことのようにうれしい。会場に売ってあるグッズを買って時間つぶし。
レーンに並んで順番を待つ!時間は10秒。心臓はバクッバクで死にそう。気を冷静に保ち、言いたいことの整理。一回目は可愛すぎて、言いたいことが飛び、咄嗟になぜか、「かなです!」の自己紹介で終えた。会った記憶もほとんどないレベル。だが、二回目は違う。ちゃんと日頃の感謝を伝えて、かわいいって伝えるんだ!
あっという間に順番が来てかなの番に。かごに荷物を入れて、最後の深呼吸。スタッフさんの「どうぞ、10秒です」で、奈々ちゃんの前へ
「こ、こ、こんにちは!あ、あのかわいいです!めっちゃ好きです!」
よし!言えた!
「ふふ、うれしい!かなちゃんだよね?」
「えっっっっ!」
「また来てくれて、ありがとう」
かなの目には涙が。
スタッフさんの「お時間です」の声なんて全く聞こえない。スタッフさんに肩を掴まれ、退散。
荷物を持ち下を見ながら歩きぶつぶつとつぶやくかな。
覚えててくれた、一年以上前のことなのに。たくさんのファンがいて自分のことを覚えているなんて。別に覚えてくれてなくてもよかった。奈々ちゃんに会えるだけで。奈々ちゃんからしたら、私は何万人という数多くのファンがいる中の一人。ましてや、年に一、二回しか会いに行けない。CDも多くは買えない。財力のない底辺オタク。
予想だにもしなかった出来事に涙があふれだす。
会いに行って良かったと頑張ってよかったと。
感動的な出来事から三か月後、私は上京した。
これから、学びとオタ活頑張るぞ!
次の話
ーそして出会うー




