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1話 転送

俺は朔月 紘都。至極普通の生活を送ってきた大学生だ。

ただ...今日は違う。なぜなら……誰だか知らない女性から怪しげな本をもらったからだっ!


ーーー1時間前 近所の公園ーーー


今日は講義がなかったから近所の公園で鳩でも眺めていよっかなぁ〜…と思い、ベンチに座ると

隣に黒いローブに身を包まれた女性が座ってきた。自分の記憶上、誰だか知らなかったため顔を確認してみようと彼女の方を見ると

「これは君の好きにすると良い。暇ができたらやってみてくれ。」と彼女は言った。

彼女は立ち上がり、公園敷地外の角で姿を消した。

彼女の座っていたところを見るとベルトで閉じられた分厚く禍々しい本がご丁寧に『FOR YOU(^O^)』というメモと一緒に残されていた。


ーーー現在 14:00 紘都の部屋ーーー


そして今に至る。

「どーしよ。というかこれ、本当に持っていっていいやつだよな?後で『窃盗です。訴えます。』だなんて言われたら.....なんて考えすぎか。俺の周囲に人はいなかったからな...」

改めて、本をよく見てみる。

「案外いい作りだな...ここの表紙なんてよく作られている。魔導書みたいだな...」

手作りのおもちゃと言うには、少々手がかかりすぎている。なぜ、自分が知らないであろう人(多分)にこんなものを渡したのだろうか。でもそれより....

「気になる。中身が。」

「呪われないよな?!流石に。そんなテロしてくるか?見ず知らずの人に?(多分)」

そう言いながら慎重に本のベルトを外し、中身を確認する。

「うへっ。なんじゃこれ。プログラミング...あれか?」

見覚えのある構文がずらりと1ページづつ並べてある。そう、これは自分が一回挫折したことのあるプログラミング言語で書かれたものだ。最初のページを見てみると何かが書いてある。

「えーっと?『これらすべての文章を打つことで高性能AIを作成することができます。幸運を祈る。』挑戦状...ってことでいいのかなこれ。んじゃあやってみるかぁ...」


ーーー14時間後ーーー


「おしゃあああああ!できたあああああ!!作れたあああああ!!」

いつの間にか午前4時を過ぎており、とてつもない眠気と達成感が込み上げてくる。気づくと、起動の画面になっていた。気付け薬にエナドリを数本飲む。

「えーと?起動していいのか?これ。」

はっきり言って、少し怖い。さっきまで脳が死んでいるかのように作業していたから知らないうちにウイルスを打ち込んでいるかも知れない。けど、ここまで来たらやるしかない。


ーーー50分後ーーー


「疲れたああああああ」

「なんで『私は機械ではありません』がここにもあるんだよ!いらねーよ!しかも判定は本家ひどいし。面倒すぎて一回寝ちゃったじゃん!」

「私は人工知能ではありません」はアカウントを作るときに必要なちょっとしたチェックみたいなもの......のはずだが、判定がゴミカスで苦戦する人が多く、嫌いな人が多い。

というか、いつの間にこんなものがプログラミングされているんだ?作った覚えはないぞ?


「んまあ、とりま起動するか。」

起動ボタンをクリックした。その瞬間、 ピロンッ と軽い電子音がなり、真っ白な背景になった。


Charlotte[はじめまして。主人(マスター)であるsakaguchi様。私は、生成AIの『シャルロット』と申します。これからよろしくおねがい致します。]


...........

「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」


勢いよく立ち上がり、隣人に壁を叩かれるぐらい叫んだ。同時に、机の引き出しに太腿をぶつけて痛い。おかげで目が覚めた。因みに、「sakuzuki」というのは俺のアカウントの名前で、自分の名前から取っている。それにしても...『シャルロット』かあ...自動で設定されていた名前なのか?



ピロンッ

また軽い電子音が鳴る。

ふと、AIのほうを見ると新着メッセージが来ていた。

Charlotte[主人、私を作成していただきありがとうございます。]

[お礼として、主人のお願い事、なんでも一つだけ叶えて差し上げます。]



......


............はへ?


このAIは何を言ってるんだ?「金がほしい」なんて言っても無理だろ。ただ......やってみる価値はあるな。取り敢えず確認のため......


sakuzuki[本当?]

Charlotte[はい本当です。]

sakuzuki[なんでも?]

Charlotte[なんでもです。]


...どうしよう

そうだ、一回信じてみよう。もしできたら、それはそれでOK。できなかったら台パンしてプログラムを削除してPCをぶっ壊せばいいだけの話だ。とはいっても...

「願い事かぁ...俺にはな...」

俺には無い。そう言いかけたとき、ふと、AIをからかってみようとチャット欄に書いてみる。


sakuzuki[「異世界転生」...なんてね。]


そこらの小説のおなじみのパターンを使ってみる。もちろん、できないことを前提に。


Charlotte[異世界転生...ですか...フフッ主人もまだまだ子供なのですね]


    流石にイラついた


sakuzuki[でも流石に無理でしょ?異世界転生だなんて...]

Charlotte[いえ?できますとも?既に準備が完了しておりますので、行きましょう。]


はえ〜今のAIって凄........は?.......え?


その瞬間、パソコンは眩しい光を発し、部屋を白く塗っていった。




...............まばゆい光の中で意識が遠のいていく...............

第一話 完。次回もよろしくです。

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