5-6 神様と仏様は?
篠田教授は、腕組みをしながら少し間をおいた。
「神様と仏様ねぇ〜。
それぞれ、色々な定義があるけど、俺の考え、定義でいいか」
「もちろんだ。
何を、今さらそんなこと言ってる。
今までだって、篠田の考えじゃないか。
どうせ、そんな話しは、学会では発表出来んだろう」
「うん、分かった分かった。
まず、神様からいこうか。
神様は、大まかに、クリエイターつまりこの世を創った創造主の神様と、そうでない神様に分けることが出来る。
創造主の神様の方は、
ちょっとトッピな考えがあるけど、自分の中でまだ充分に整理が出来てないから、今ここでは勘弁してくれ。
ただ、人間の遺伝子を構成する4っのアミノ酸があっても、自然にはDNAの二重螺旋なんかは、絶対に出来ないと思ってる。
次の創造主でない神様の方は、
どうも、あの世ではいくつかの階層みたいなものがあるようだ。
それは考え方、分け方によって、
2階層、3階層、6階層、33階層など、色々あるようだな。
もっとも、それぞれ一番上の方の階層は、部分的に創造主、つまりクリエイターとダブっているみたいだな。
そして、あるレベル以上の階層では、色々なチカラ、能力みたいなものを持つようだ。
それは、上に行けば行くほど、強く、広範囲におよぶもののようだ。
例えば、
洋子や裕子さん達の村では、弥生さんをはじめ、村長さんも、あの世とこの世を自由に行き来して、生きるている洋子や裕子さんを連れて来たり、戻したりは出来んようだ。
しかし、俺の父親だった誠治さんは、それが出来る。
弥生さんは、自分達と格が違うと表現していたようだな、境地、境界なんかと同じだろうな。
それに俺は、そのオヤジの誠治さんのチカラで、普段通らない道を通って、裕子さんに会えたしな。
ちょっと、自分の意思を勝手にあやつられたみたいで、それを知った時は、ちょっとムッとして心外だったがな。
でも、自分の意思でその道を通って、偶然裕子さんに会ったと思っていたが、そんなことも出来るのかと思うと、正直怖くなったな。
そのオヤジよりもっと格上の人だったら、もっと色々なチカラや能力があるだろうな。
それらの人は、そのチカラや能力によって、こちらのお願いを叶えてくれたりもするんじゃないかなぁ。
それはもう神様って呼ばれていても、不思議ではないと思う。
もちろん、神様によって階層のレベルも違うだろうし、得意分野も異なるだろうな。
例えば、
安産祈願だったり、商売繁昌だったり、
病気平癒だったりの、得意分野なんかありそうだしな。
もっとも、その神様によっては、願いを叶えてやったんだから、何かよこせ、くれって、言う神様もいるらしいね。
それに、願い方によっては、その願いが遠のくってこともあるようだな」
「ふん〜、神様ってそんなものなのか。
色々な神様がいるんだな。
何か、イメージと違うなぁ〜」
「そうだ、あの世のあるレベル以上は、色々なチカラや能力があるからな。
でも、俺達この世の人間から見れば、それは立派な神様だよ。
色々な意味でな」
「そうだな。
なら、仏様とは、何だ」
「仏様か、
仏教で仏と言うものは、本来なら輪廻転生の循環から解放された人だ。
もう、産まれ変わる必要がない、その必要性を感じない人のことだ。
しかし、最近では、三途の川を渡って、あの世に渡っただけの人をさす事もが多い。
輪廻転生から解放された仏様は、あの世の階層の一番上、もしくは、さらに上に行った人かもしれんな。
だから、すごいチカラを持った能力者で、ある意味、より完璧な人格者?かな。
下世話な俺には、それがどんな人なのか、想像すらつかないな。
三途の河を渡っただけの仏様は、
産まれ変わった目的を達した人なら、自分の行きたかった新しい村に行くだろう。
目的を達しなかった人は、元いた自分の村に帰るか、
それ以外の不本意な村に行かざるを得ないかもしれないな。
階段を登ったり、踏み止まったり、降りたりするようなもんだろう」
「篠田、お前、この現世ではまだ死んだことないはずなのに、なんだか、まるで自分があの世に行って見てきたように言うな。
お前もあの世に行ったことがあるのか?」
「いや、今生ではないし、産まれる前のことはもちろん覚えてないよ。
友田と同じようにな」
「なら、なぜ、そんな最もらしいことが言えるんだよ。
知らないはずのお前が。
それとも、ただの想像か?」
「いや、そんなことはないぞ。
死んでも意識が残っていることを仮定して、自然に導き出したことだ。
もちろん、過去の先輩達の考え方も参考にはしているがな」
「それだけか?
そう言いながらも、篠田は、神様か仏様に会ったことがあるんじゃないのか?
そして、色々と教えてもらったんじゃないか?」
「フッフン、何でそんなこと思うんだ」
「お前のことだからな。
昔から変な奴と、思ったことはよくあったけど、頭のいい奴なんて思ったことないからな。
どうも、お前だけの頭から、思いついたとは思えん。
確か大学時代、何やら怪しげなことをよくしてただろう。
変な宗教団体に入ったかと思ったら、
やれヨガとか滝行、山行と。
気がついたら、占いなんかにも凝ってたよな。
未来のことを知るには、これが簡単で、これにかぎる。
なんて言いながらな。
それに、いつまでも、座禅なんかしてたから、礼子さんも、いつも呆れるのを通り越して、お前が座禅してたら、またやってるって、諦めていたよなぁ〜。
少しは、礼子さんに感謝してるか」
「あぁ、礼子のお陰でここまでこれたんだ。
本当に感謝してるし、頭が上がらないよ」
「ホントかよ。
まぁ、それならいいや。
それで、会ったことあるのか?」
「あぁ、たぶんな。
いわゆる、神様、菩薩様、龍神様、鳳凰様、その他諸々の神様かな」
「物理屋のお前が言うんだから、本当にいるんだろうな」
「あぁ、いるよ。
いや、居られるよ。
ただ、その存在証明は現代物理学では出来ないがな。
それに、居るつまり存在の定義にもよるしな」
「おい、その話しは、まだ聞いてないぞ。
どんなだったか、ちょっと、ちょっと、教えろよな。
存在の定義なんか、どうでもいいから、
その神様なんかの話しをよ、教えろよ」




