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4-15 研究者浩一郎の考え


 貴子が、

「父さんは、やっぱり物理の先生、

いや研究者よ。

 だって、その力が何なのか、自分なりに調べてみたの」


 洋子が、

「本当、どうやって」


 貴子が、説明を始めた、

「私が、実際に父さんの前でやってみたの、大学の実験室で。


 最初は、手を当てることから、そこが暖かくなって、免疫が活性化されて治ると考えたみたい。


 しかし、それでは手を当てなくても、かざしただけでも、かなり離れたところからでも出来る説明にならない。


 それに、どうもその力は、離れてる距離と余り関係ないみたいって言ってた。


 で色々な測定器で測定しても、

少なくとも今父さんの手元にある測定器、大学の測定器では、その力が何なのかが分からなかったみたい」


 よく理解した洋子が

「フーン、そうなんだ。

 つまり、今ある大学の測定器の検出感度では、検出できなかったってことね。

 あくまでもそれは、今父さんが、使える測定器、大学にある測定器ではね」


 貴子が続けて、

「そうよ、でもあの言い方なら、他の測定器でも同じだろって、感じだったな。


 それに父さん、こんなこと言ってた。


 今知られている物を動かす力は、4っしかないんだって。

 二つは、原子核の中でしか働かない、

強い力と弱い力、

もう一つは、

電気の力、

最後は、

引力、

この4っなんだって。


 しかし、手当の力はそのどれでもないのではってね」


 驚く洋子が、

「えぇ、なら大発見じゃない。

 すごいわ、父さん」


 貴子が、違う話しをしだした、

「でもね、実際にこんなことがあるらしいわ。


 アメリカで、バーニングマンというフェスティバルがあるのよ。

 沢山の参加者が、仮装したり、音楽を演奏したりして、踊ったりして、最後に木で作られた大きな人形などを燃やす奇祭なの」

 

 初めて聞いた洋子は、

「へー、そんなお祭りがあるんだ」


 貴子が、説明を続けて、

「そうなの、大変人気のあるお祭りらしいよ。


 それでね、ある時、ある物理学者が、外から絶対に影響を受けない箱を作って、その中に乱数発生器を置いたんですって。

 なら、どうなったと思う」


「どうなったの、まさか壊れちゃたりしてね」


「ある意味でそれに近いんだけど…」


「本当、冗談で言ったのに」


「人形を燃やし始めてから乱数発生器の乱数に偏りが出てしまったのよ。

 もちろん、それが終わったら、もとの状態に戻ったらしいけどね」


「乱数発生器の乱数の偏りねぇ〜。

 その外から影響受けない箱が、怪しいわね」


「そこは、絶対に外から影響を受けない箱が作れたって言うことを、信じるほかないわよね」


「それには、まだあるわ。

アメリカで起こった大きな飛行機事故の時も、乱数に偏りが出たって言うの。


 そんなことから、人の意思や感情は、乱数発生器に異常を与えるのではないかと考える人もいるみたいね」


「いるみたいって、言うことは、まだ学会などでは認知されていない。

 つまり、まだ、定説になっていないってことね」


「そうね、もしそれが事実なら、

その偏りを与える力もさっきの4っの力のどれでもないのでは。

 と、父さんは思ってるみたい」


「その偏りを与える力は、姉さんの力と、同じものかしら。

 どう思う、姉さん」


「そうね〜、

父さんは、研究者らしく例を上げただけで、それらが同じ力によるものかどうか、何も言わなかった。

 でも、その可能性は信じていると思うわ。

 私は素人ながら、同じものって思うけどね。

 でもそのあと、こんなこと話してくれたよ。


 今私達が見える物は、この宇宙全体の約5%ぐらいなんですって。

 残りの約25%は、見えない物でダークマターって呼ばれていている暗黒物資があるって、

残りの約70%は、ダークエネルギーって呼ばれているんですって。


 つまり、私達に解るのは、この世の中のたった5%しかないから、残りの95%の中に何があっても不思議はないのではって、父さんは考えてるみたいね」


 洋子が自分の手を上げて、

「ちょ、ちょっと待って、それは、今こうして私手を見てるよね。

 この見える手はたった5%で、あと95%も見えない何かがこの手の中にあるってこと」


「そうよ、手の中だけでなく、その周りにもね」


「ウヘー、気持ちわる。

 でも確かに、この手の中の何か分からない95%が、何か作用して、様々に影響を与えてても、不思議ではない気がするわね」


「そうよ、だから、父さんは、この残りの95%の部分に何があっても、今までに知られていない力があっても不思議でないって思ってるらしいのね」


「確かに、不思議な話しよね。

 それに、分からないずくめだわ」


「不思議な話しと言えば、以前、こんな不思議な話しを父さんしていたわ。


 父さんの友達で、若い時にお世話になったお寺があったんですって。

 その友達が、その40年後にそのお寺に行ってみて、またその1年後に行ってみたんですって。

 そうしたら、その友達が言うには、1年前に行った時にあった建物がなくなっていたって。

 不思議に思って、友達は、お寺の人に聞いてみたら、数十年前になくなったと。

 いや、そんなはずはない、去年来た時にはちゃんとあったと言うと、他のお寺と勘違いしてるんでしょうと、言われたらしいの。

 信じられないかもしれないけど、その人は、約数十年前の過去に行って、また現在に戻って来たのではと、考えるようになったと。


 私思うんだけど、父さんは友達の話しって言うけど、これ絶対に父さん自身の体験ね。

 話してる時、妙に信憑性があったもの。

 父さんは、私達の知らないことや体験を、まだまだ沢山してるんじゃないかしら。


 数十年前の過去に行って、また戻ってくるような父さんだもの。

 だから、あの世の行き方なんかを知ってても、ぜんぜんおかしくないわね」


「その話しは、本当」

「本当よ、今度詳しく父さんに聞いてみたら。

 その時、私から聞いて、私は友達ではなくて父さん自身の体験じゃないかって言ってたって。

 きっと父さんのことだから、実は自分のことだと言うと思うよ」


「そう、今度聞いてみる。

 あの父さんのことだもの、たぶん姉さんの言う通りだと思うわ」


 礼子が、

「もう、遅くなって、面会時間もそろそろ終わる頃だから、貴子ちゃん、帰りましょうよ。

 洋子ちゃんもいいわね。

 また、明日3時頃にまた来るわね」


「うん、分かった。」


「じゃ、またね、洋子ちゃん。

 おやすみなさい」


「おやすみ、洋子」


 洋子は、それに応えて、

「おやすみなさい、また明日、宜しくね」と。


 礼子と貴子は、連れ立って自宅への帰途につくことにした。

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