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3-10 続いた幸運の理由


 貴子は、前日の話しを思い出しながら、三人に話しだした。


「まず、輪廻転生の大切なポイントは、


 あの世とこの世では、断然、あの世の方があまり悩みなない。

 だって、死んで肉体がないんですもんね。

 例えば、病気の不安とか死の恐怖みたいなことなんかね。

 だから、この世よりあの世の方が断然幸せな生活のはず。


 それが、その幸せな世界から、この不自由で悩み多き世界にワザワザ来るんだから、それなりの明確な理由があるはず。


 たぶん、その理由がなんとかなれば、死んだ時、それまで以上の幸せな世界のあの世に行けるんじゃないかなぁ。


 そうしてまで、こちらの世界に来るんだから、その理由を解決できる条件、解決し易いまたは適した条件を、

つまり、時代や場所、家族なんかを、当然に選ぶはず。

 その方が自然で、道理にかなってるからね。

 それは、子供が親を選んで生まれてくるってことね。


 この世に生まれて、当初の目的、宿題が達成出来れば、死んだ時、前のあの世より幸せな世界のあの世を過ごせる。


 宿題が、達成出来なければ、死んだ時、元の世界に戻る。


 もし、この世で宿題が増えれば、元の世界より、より制約の多い世界のあの世へ行くことになるのではって思う。


 また、この世は深い深い井戸の底と同じで、出れるのは死んだ時ぐらいかな。


 では、その井戸の底で何をするか。


 つまり、この世をどう生きるか。

 結局、出来ることをするしかない。

 出来ないことは、出来ないんだしね。


 ここで、問題が三つあるわ。

一つは、この世での宿題が分からない、あるいは忘れていること。


 もう一つは、その宿題をこなす方法があるにもかかわらず、その方法に気づかないことがあること。


 最後に、薄々その宿題に気付き、それをこなす能力があっても、それをするかどうかは別、と言うこと。


 もちろん、その宿題をする時と場所なんかを選ぶ時には、アドバイスをもらっている可能性が高い。


 その宿題をこなす時に、この世での人からのサポートだけでなく、あの世からの事情を知っている何かのサポートもあるのが必然と思う。


 なぜなら、この世の人などのサポートだけで、宿題が解決できるとは思わないし、それが出来るぐらいの宿題ならワザワザこの世に来なくても、あの世だけで解決出来そうだから。


 人々は、一般的にそのサポートをする何かを、守護霊や指導霊などと呼んでいる。

 と、まぁ、こんなとこかな。」


「貴子さんって、すごい人ですね、ホント」


「父さんの受売りみたいなものよ」


「裕子お姉さんも一回でわかるなんて、すごい。

 私何だか、昨日よりよく分かった気がする。


 つまり、私も、貴子姉さんも、裕子お姉さんも、皆んな、何らかの宿題を持ってこの世に生まれたわけね。

 今回死んで、前よりいいあの世に行くためにね。


 そして、それをサポートするのは、周囲の人だけでなく、守護霊や指導霊様がいる。


 そう言えば、私が飛び降りた時、花屋さんが普段しないことを偶然したって聞いたけど、あれは守護霊様がなんらかのことをしたのかな」


貴子がそれを受けて、

「そう言えば、父さんこんなこと言ってたなぁ。

 いわゆる、霊現象と言うのは、

見たり、聞いたり、感じたりなんかして、

もうちょっと具体的に言うと、

幽霊をみたり、幽霊や死んだ人の声を聞いたり、何か得体の知れないものを感じたり、することは、多くの場合。

 その人の脳の視覚野や聴覚野、触覚野、扁桃体、う〜んそれとなんだったかなぁ〜、情動野とか、視床下部……とか言ってたかなぁ、まぁその周りの脳領域に幽霊か何が働きかけて、

それが大脳新皮質に行って人が認識し解釈するとか何とか言ってたようなあ〜。


 とにかく、普通、霊現象は人間の脳の深いところを刺激して、人は認識するの。

 だから、一緒にいても、見える人と見えない人の差が出るの。


 それに、霊なんかは、脳のマイクロ何たら量子何たらに信号を送って、それが脳の深部を動かす。     

 なんて、お話しもあるとか言ってような記憶があるわね。


 もうちょっと言い方を変えると、

霊は人の深層意識や潜在意識に働きかけるの。


 しかし、たまに、ちょっと物質化するこもあるみたい。

 この場合、写真や映像に撮られたり、ちょっとした物を動かしたりするって。


 多分、花屋さんが偶然ダンボールをあそこに置いたのは、案外、洋子の守護霊様が花屋の奥さんの潜在意識に働きかけたんじゃないかなぁ〜、

よく分からないけどね。

 それに、他の偶然も同じだと思うよ。」


「何か、話しが難しくて、ごちゃごちゃしてよく分からないけど

とにかく、

今回の偶然は、私の守護霊様が色々な人に働きかけて起こった、と言うことね」


「そうだと思うよ」


「なんで、守護霊様はそんなことしたの」


「それは、たぶん、洋子ちゃんの宿題の手助けか、解決し易いようにお膳立てをしてくれたんじゃないかなぁ」


「なら、私の宿題ってなに」


「それは、私には分からないよ。

 分かって教えても意味がないしね」


「なんで」


「自分で気が付いて、それを信じて、自分でするのが宿題だからよ。

 人に手伝ってもらったら、自分でしたことにならないでしょ」


「あっ、そうかぁ。

 小学生の夏休みの宿題じゃないってことね」


「そうよ、洋子ちゃんにしては、なかなか物分かりがいいじゃない」


「えへへ、貴子姉さんに褒められちゃった。

 その勢いで、

なら、どうしたら、自分の宿題を気付けるの。

 これくらいは、いいでしょ」


「そうよ、それが正に問題なのよねぇ〜。

 こっから先は、まだ父さんと話したことないのよのねぇ〜。

 だから、どうやったら、宿題が分かるか私も知りたいのよねぇ〜」


貴子と洋子の話しを黙って聞いていた裕子と礼子も一緒に考え込んでしまった。


 しばらくして、洋子の夕食が運ばれて来た。

 洋子は、躊躇なく夕食を摂り始めた。

 それを見た三人は、安心して自分達も外へ食事を摂りに出た。

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