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2-14 心理学者 裕子の考え


「そうですね〜。

心理学者の端くれのカウンセラーとしては、色々と思うことがありますね。


 初めに、洋子ちゃんが飛び降りた件ですが、

 まず、私としては、その時の気持ちや行動に着目して、もっと洋子ちゃんの話を聞いて、それから一緒に原因を考え、対策を考えたいですね。


 次に、飛び降りた時、淳一君を見たのは、ゾンディの言う家族的な集合意識て、ひょっとしたら説明できるかもしれかません。

これは、淳一君とも話す必要もあると思います。


 それから、処置室で見下ろしていた件ですが、これは完全な脳死状態になる前の脳活動によって生理的に起こる現象の可能性もあります。

これに関しては、洋子ちゃんの話を細かくヒヤリングして、そして処置室内にいた人達のヒアリングをし、それを付き合わせる必要があります。

 私は、脳死に近い状態の脳の活動については余り詳しくないので、それに詳しい人に聞いてみる必要もあります。


 それらが分かってから、何が起きたか、今後どうすればいいかを洋子ちゃんと一緒に考えてみたいと思います。


 また、この病室で黒くいものを見たこと、人の背後に何か見えることに関しては、まずは洋子ちゃんに詳細を話してもらう必要がありますね。


 それと同時に、大きなショックを受けた直後に、人はどのようになるのか、調べてみる必要もありますね。

 確かに、いくつか心当たりがありますが、例えば、失語症や記憶障害、それと……

 

 それに、死後の世界や輪廻転生を仮定すると、今までの色々な問題、悩み事なんかを解決できる話は、とても興味があります。

 今までの話では、色々ななぜに答えることは出来るかも知れませんが、

その後どうやったら、洋子ちゃんが幸せな生活、人生を送れるかの回答になっていません。


 なぜそうなるか、なったかより、

どうしたらいいか、

今後の未来のことの方が大切だと思います。

 そう言う意味では、先生が、これからどうされるか、対応に非常に興味があります。


 洋子ちゃんと私の互いに懐かしく思う点については、既視感、デジャブの一種だと思います。

 これについては色々な学説がありますが、実験で確認されたことはないと記憶してます。

まずは、二人の生い立ちを調べて、どこかに交差するところがないか、探してみたいですね。

それからの話ですね。


 洋子ちゃんの気持ちは、よく分かりませんが、私は洋子ちゃんをずっと昔から知っているような気がしてならないのです。

 それに、会った時、何か、あっと心に響くものがありました」


「お姉さん、私もです。

 私もお姉さんとは、随分前からの知り合いのような気がします。

 それに、私も会った時、ビビッとくるものを感じました」


 礼子は、三人の話を聞きながら、昨日の淳一の話や花屋での偶然、浩一郎がこの時点で斉藤先生を呼んだことなどに思いをめぐらせていた。


 また、今後の成り行き次第では、洋子や淳一の将来のことが心配になった。


 それに、夫として信頼している本来物理学者であるはずの浩一郎が、この事態にどう対処するかも興味があった。


「洋子、斉藤先生のカウンセリングを受けてみるか」


「カウンセリングとか受けたことないけど、今は裕子先生と出来るだけ一緒にいたいわ。

 だから、カウンセリングで一緒にいれるなら、カウンセリングを受けたい」


「そうか、わかった。

 今の状況なら、正式にカウンセリングを受けるには、精神科医の診断がまず必要だから、主治医にその旨を話して、精神科医のコンサルテーションを手配してもらおう」


「あなた、主治医と精神科の教授とはもう話はついてるのでは」


「うん、おおよその話はしておいたよ。

 しかし、一番大切なのは、自分でカウンセリングを受けてみて、良くなろうという本人の意思だからね。

 洋子がまずは、主治医に事情を説明して、精神科の方へ紹介してもらう必要がある。

 それから精神科でアレンジしてもらって、精神科医の見立てでカウンセリングで処置する必要があると診断してもらう必要もある。

 だから、上手くいって、正式に斉藤先生のカウンセリングが受けれるのは、早くて三日後くらいかな」


「もっと早くならないの」


「う〜ん、精神科の病気で、

例えば、暴れまわって拘束が必要な状態なら、すぐにでも救急として主治医は精神科の医師にまわすと思うけど、そんな状態ではないだろう。


 第一に目が覚めた一日目だからね。

 主治医は、まずはもう少し様子を見たいと思うよ。

 それに、色々な検査も必要だろしね」


「検査って」


「高いところから落ちて、目がさめたら、変なこと言い出したんだから、まずは脳のCTかMRIを撮って、器質的な状況確認をする必要があると考えると思うよ」


「分かったわ、差し当たり食事の件と何か見える件はどうなるの。

 これが何とかならないと、人に会うことも、食事もできないわ。

 色々な理屈より、まずは現実に今困っていることはどうしたらいいの」


「じゃあ、その話をしようか。

斉藤先生も参考なると思うから、ぜひ一緒に聞いて、やってみて欲しいな」


「はい、それが洋子ちゃんのためなら」


「斉藤先生自身のためにもなると思うよ」

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