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すべては×××のしわざ  作者: 秋雨 肇
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行方不明の妹

2人は加賀谷の自家用車で警察署を後にした。

出発する前、織屋が上層部に捜査許可状を出してきた。

上層部も同じ職場で働く仲間が事件に巻き込まれているということを知っている為、何も言わずに捜査をすることを許可してくれた。


織屋は車に乗車するなり、鞄から資料を取り出した。

「お待たせしました、妹さんの情報を見てもいいですか?」

「ああ」

ホチキスで止められた失踪した里香の情報が書かれている書類を1枚ずつ捲っていく。


加賀谷里香 25歳

警察官の父と10歳離れた兄と共に育つ。

母親は本人が小さい頃に離婚した。親権者は警察官である父親。兄とは年齢が離れていたが非常に仲良く活発な子で優秀な成績を収めていた。小学校、中学校ではクラブ活動に専念し、高校に上がる頃、一家を支えてくれた父が心筋梗塞で亡くなる。その頃、兄は既に働いていて、兄と2人で暮らすこととなる。短大を卒業後、アパレル企業に就職をする。


「加賀谷さん、お母さんいなかったんですね…」

「里香は覚えてないと思うけどな。美人な母親だった。けど、ある日男を連れて来て子供はいらないからって離婚届を押し付けて家を出ていった。だが、俺がそれでよかったと思ってる」

「どうしてですか?」

「心から父を尊敬していたからだ。俺が警官になったのも父が正しい道に導いてくれたからだ、今でも感謝してる」

「素晴らしいお父さんだったんですね」

話しながら、織屋は資料の次の項を捲った。


アパレル企業に入社後、ストーカー被害に遭い、静岡県警に相談に訪れる。会社が終わって帰宅時、ストーカーが家までついてきた所を兄である宗一に見つかり、ストーカーは接近禁止命令を出される。


「これ、偶然見つかってよかったですね。非番の日だったんですか?」

「いや、署に呼ばれて家を出る時、玄関で争う声が聞こえたんだ。出てみたら里香に男が襲いかかってた」

「妹さん、怪我とかは?」

「幸い軽傷で済んだ。ほら、着いたぞ」


車が中層マンションの前で停車する。


「ここは?」

「そのストーカーの家だ」


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