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エクリ・チュールは止まらない  作者: 金子ふみよ
第三章
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エクリ・チュールは再来島を計画していた

 エクリの就職先、というより全員の就職先が決まった日、祝賀会が開かれた。そこで、ラングゥと話しをしているついでだった。

「だんだん時化が収まったら行こうと思うんだ」

「どこへ?」

「これが本当に望んでいるところ」

エクリは、鞄から出した記号器の画面に、あの栞を映し出した。

「立春過ぎて何日か経てば、冬の時化も収まり、それほど揺れない航行の日もあると思うからさ」

 そう言って栞の映る記号器を掲げるエクリに、

「そうか。なら俺も行く」

 思わぬラングゥの同行提案に

「なんで?」

 どんぐり眼で驚いてしまった。

「興味を持った、ということだ。エクリがさんざん俺に聞いて来たじゃないか。その結果を、エクリの発表内容も聞いた。それでエクリが行くというなら、俺も行ってみようと思っただけだ」

 ラングゥはこの晩はビアではない。フィアンやフィエと同じように焼酎をロックで飲んでいる。その中の氷が傾いて小さな音を出した。

「へえ、ラングゥでもそんな情緒的なこと言うんだ」

「あのなあ、俺をなんだと思ってるんだよ」

「秀才な残念イケメン」

「まあいいや。ハロルたちにも声かけるか」

「うん。あ、でもこれだと卒業旅行みたいになっちゃうね」

 したたかに酔っているメンバーに提案をした。威勢よく返事が返ってきたものの、後日結局ハロルとフィアン、フィエは都合がつかないと連絡があった。

 それから日を改めて、渡航の知らせをシブヤ氏に伝えた。すると、喜んで案内すると言ってくれた。


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