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エクリ・チュールは止まらない  作者: 金子ふみよ
第三章
33/71

エクリ・チュールは噂される

 その後、どこが火元なのか入らないが、くすぶるように噂が出始めた。エクリ・チュールがしでかしたと。しかも尾鰭がばっちりついていた。曰く、エクリ・チュールは古文書を解読して呪術を始めたらしいと。噂とはいえ、それが暴風雨級になっているわけではない。あくまでひそりひそりと点在レベルだ。というわけで、イツヅ担当官は聞いてないふりをすることにした。これもまたエクリのエクリらしい点だった。ラングゥのように文筆活動に著名と言うわけでも、ハロルのようにすでに舞台を何度も経験しているというわけでも、フィアンやフィエのように才能が知られているというわけでもない。素行不良でもない。それでもエクリはある意味で大学では有名だったのである。あくまで普通の学生に見える。けれども「ああ、大学ならこういう学生たまにはいるよな」みたいな学生を何種類がカテゴライズしたならば、その一種類には該当するだろう。かといって嫌われているわけでも邪険にされているわけでもない。エクリの人柄はどちらかと言えば、好評に受け入れられている。それでもエクリはそんな風に見られてしまうし、本人はいたって普通の一般的な学生と思っている。それでも、エクリの思考や言動、それになんといっても報告書やレポートなどで表出するエクリらしさが、他の人からすれば際立つものだった。

 その噂は七十五日を待たず、数日で鎮静化した。


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