6話:村での初めての朝
中学生の頃書いた作品の在庫セールです。
好評ならリメイクします
おはようございます
あーたらs…
…同じ事言う必要ないか。
一日目にも言ったしな。
まあそんな事は置いといて…
起きました。
やはり異世界です。
ユメオチではないらしい。
昨日と同じ部屋だ。
同室のやつは…
まだ寝ている。
それなら起床時間とかでもないのだろう。
部屋の中を探索でもしてみるか。
昨日も見た通り部屋には2段ベットが1つ、机と椅子が2つずつ、水ダルが1つある。
後は本棚が壁に固定されていて、本がぎっしり詰まっている。
ちょっと読んでみたくなったが詰め込まれ過ぎていて取り出せなかった。
ちなみに誰かが取り出そうとした形跡は全くない。
仕方ないから背表紙だけ見るか。
えーっと「帝国史」…「王国史」…「ポクチョ村開拓史」…歴史書ばっかだな…2段目は…「生活用呪文18選」…「呪いは交渉に使え!」…「覚えなきゃ損!役に立たないようで役に立つ魔法」…魔法系の本か。で3段目に「魔物図鑑」…「新版魔物図鑑」…「新版魔物図鑑NEW」…「新しい!新版魔m…
「ギャーー‼︎!」
「え⁉︎⁉︎」
声がした方を見るとアレナが起きていた。
なにやら叫んでいるが俺は怪しい人じゃないよ。
「あんただれ⁉︎」
だから怪しくないって。にしても微妙に声が幼いな。5歳だからか?
「そんなことより!いま何時⁉︎」
「え⁉︎」
「だからひどけー見て教えて!」
「う、うん…」
確かに窓際の机の上に日時計が置かれている。
「6時だけど…」
「6じ⁉︎なんで教えてくれないの!」
「え?なんで?」
「もう!いくよ!」
「???」
俺が状況を理解できずにいると、アレナははしごを下りて行ってしまった。
なんなんだ…
まあそんなこと考えていてもしょうがないか。アレナについて行こう。
そして俺もハシゴを降りてついて行く。
一階に下りる。昨日2段ベッドで寝ていた2人はもういなかった。
アレナについて行ったら会えるだろうか?
そういえば勝手に呼び捨てにしてるけれど…まあいっか。
この短時間だけの判断だけど、呼び捨てが一番しっくりする。
アレナは外に出ると真っ直ぐ昨日サナさんと話した建物に入って行く。
入口にはポクチョ孤児院本館と書かれていた。
ということは昨日寝た場所は別館なのだろう。
アレナは本館に入ってすぐ左側の部屋に入って行った。
俺も続いて入るとそこは大きめの部屋になっていた。
大き目の机が3つ置かれ、1つの机に4つほど椅子が付いている。
そして部屋の奥の壁にカウンターがついていて…その奥にキッチン…これ食堂だな。
意外と広めだ。
にしても誰も居ないんですね。アレナの様子を見るにこれは遅刻というやつなのだろうか?
アレナは奥のキッチンに入っていく。
そしてキッチンから裏口に向かい…
あ、カゴからパンとった。良いのか?
俺もパンを掴み、裏口から外へ出る。
すると、そこは畑になっていた。
ああ、みんなここに集まっていたのか。
サナさんを始めとし、何人もの子供たちが集まっている。
まあ、今の俺よりも年上の子もいっぱい居るんだけどね。
近づくと、サナさんもこちらに気づいたみたいだ。
「おはよう。随分と早起きなのねぇ。」
いやいやいや!知りませんでしたから!そんな早く起きるなんて!
「起床は4時30分なのよ。覚えておいてね。」
早いな。『農家の朝は早い』ってやつか?
「でもアレナちゃんは何回目なんですかねぇ?寝坊。」
そういうの怖いんだよ。満面の笑みだし。
「ほらとっとと食べて来なさい。」
そう言われたので、近くの丸太に腰掛ける。
アレナはちょっと離れたところに腰掛けている。
何で寝坊が俺のせいみたいになってるんだろう。
俺はパンを食べながら、畑を眺める。
パンがボソボソなのは、言わないでおこう。
畑では何人かの子供達が畑を耕している。人手が足りないのだろうか。
パンを食べ終わったので、サナさんの所へいく。
「別館の左端に物置があるから、そこから鍬を取ってきてね」
と言われた為、物置に向かう。アレナもついてきている。
建物の端に扉がついていた。ここが物置だろう。
開けると、中には農具らしきものが沢山入っていた。
奥の方に鍬が数本立て掛けられている。
俺は1番左端を選び、手を伸ばす。
「バチッ」
《この武器は【武器ガチャLV --】により使用不可です》
鍬に触れた途端、俺の手に電流が走った。
まさかこれも武器判定なの⁉︎
農具に触れられないんじゃ何もできないじゃん。
他の鍬も同じだろうし。
俺が慌てている間にアレナは右端の鍬を手に取った。
当たり前だが、普通に持てている。
「何やってんだか」
アレナはそう呟くと、外に出て行こうとする。
「あ…ちょっと待って!」
俺はアレナを呼び止めようとした。
まあ呼び止めてどうするんだという話だが。
しかし、アレナは何も聞こえてないかのように外に出て行ってしまった。
俺はダメ元で他の鍬を手に取ってみる。
予想通り全部ダメだった。
どうすればいいのだろう。
俺がどうしようか考えていると、突然sariが喋り出した。
《24時間が経過しました。【スギ角材】が使用不可になりました。武器ガチャが使用可能になりました。消費Gは0Gです。ガチャを引きますか?》
こんな時に!まあ引いてみるか。鍬が出てくるかもしれないし。
「引きます。」
また目の前にカプセルが現れる。
色はピンクだ。中身と色は関係あるのだろうか。
カプセルを開けると中身が膨らみ…。
鍬が出てきた。
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【平鍬】ランクC
攻撃力増加値18
武器スキル
【植物高速成長LV5】【良き土かなLV6】【植物操作LV3】
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【平鍬】
分類:斧
一般的な農具。
平鍬は幅広い用途があり、扱い易い。
長方形の1枚刃。
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うわ、ほんとに出たよ。
確かにありがたいけれど、なんか都合良すぎないか?
スキルもよくわかんないし、分類斧だし。
斧…。
俺は鍬を持って再び畑に向かった。
何人かが畑を耕している。
はじの方に耕されていない畑スペースがあったので、そこを耕すことにした。
多分こうかなといった感じで耕していく。
そのまま2列耕すと、他に耕せそうな畑スペースが無くなった。
でもまだ土地は余ってるのにな。
そこも耕せば3倍ぐらいにはなりそうなのに。
なんで増やさないんだろう。
サナさんに聞くと、昔はもっと畑が広かったのだが、毒蜘蛛などの魔物の襲撃で、3分の2ぐらいの土地が汚染されてしまったらしい。
そのため効率が大幅に下がったのだとか。
サナさんは畑の全てが耕された事を確認すると、今度は何かが入った袋を配り始めていた。
俺も確認しようと思い、袋を受け取りに行った。
同じ作者が今になって本気で書いた別作品、「商人さんが異世界壊して何が悪い!」もぜひ
https://ncode.syosetu.com/n3338ik/