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下
再びエアロックから宇宙船内部に戻る。
そして、元の場所に向かって歩いていく。
眩暈を感じた。
そう、私が人間からロボットになる時と同じ。不意に眠気が起き、意識が遠くなる。
最初は戸惑ったけれど、今では慣れてしまった。
視界が暗転し、体が大きく揺らぐ。
すぐに意識は戻った。
「……」
目を開けたとき、私は人間の姿に戻っていて、バス停のベンチに座っていた。
宇宙船に乗せている人たちすべてに、嘘をついている。
私は真相を知っているから、その嘘に加担していることになるのだろうか。
今眠っている人たちが、真相を知ってとき、どうなるのだろうか。
空を見上げた。
青く澄んだ空だった。
それでも私の目の前には、どこまでも暗く、どこまでも冷たく、どこまでも広くて果てしない宇宙空間が広がっているよう。