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彼が言った言葉に頭の整理がつかず

席に戻ってからも外をぼーっと眺めていた。



そのあとのことは、よく覚えていない。

あれからすぐに、お店を出たのは覚えている。


でも、気づいたら千沙と部署に戻っていた。



冬木さん・・・。

今日送っていくって言ったよね・・。




なんどもなんども、そう自分に確認していた。


五十嵐さんの話を嬉しそうに隣で話す千沙が、上の空な私に気づき


「ねえ!聞いてるー?今度、麗もA部署合同飲み会行こうね?」


え・・なにそれ・・・

絶対行きたくないんですけど・・。


「・・・え?なに?そんなのあるの?」


「えー!?その話、戻ってくる道中でずっと話してたじゃん!

なにも聞いてなかったー?」


聞いてなかったもなにも・・戻ってきたことさえ覚えていないんだから。

冬木さんのあの言葉から、私の頭は混乱してしまっていた。


「もー!とにかくー!近々あるらしいから、また日程決まったらいうからね?

強制参加ですよー!麗さん!」


膨れっ面をしながら、千沙はそう言うと席に戻って行った。




それからは、なにも考えないで仕事に没頭した。

カタカタとパソコンを叩いていると、後ろから


「じゃあ、麗!おっ先〜!」


そう言って足早に千沙が帰っていくのを見て、定時になったことを知った。

そして、タイミングを見計らったように携帯が震えた。


『きっと、残業していくんだろう?キリが良くなったらデスクにおいで』


冬木さんからのラインだった。

胸が高鳴るのを抑えられず、そんな自分に嫌悪感が増した。

どうしたらいいかわからなかった。

彼の家族の話を聞いて、あれだけモヤモヤしたのに・・。

彼が家族を大事にして、愛していることも知ったのに・・。

そして、それを壊したくないと散々思っていたのに。


私は・・私は。。



ぐるぐるとする思考の中で

それでも、私はデスクに行くことを断ることができなかった。



『かしこまりました。少し遅くなりそうです。』







それから一人、また一人と部署から人が減っていき

いつものように私だけになった。



なんとか今日の分の仕事を片付け

時計を見ると23時になろうとしていた。


はっ!と少し焦ったが、あ、そうだ、今日は電車じゃないんだった・・。と

ホッとしたのもつかの間、いやいや電車の方が良かったよなあ・・と

私の頭の中をグルグルと悩ませた。



『今、仕事が終わりました。まだデスクにいらっしゃいますか?』


『お疲れ。いるよ。もう僕だけしかいないから早くおいで』




気持ちが重たいまま身支度をし、冬木さんの待つ部署へ向かった。










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