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嫉妬



人気のない廊下で

3人に囲まれる私は周りからどんな風に見えているんだろう・・・。




間違いなく仲が良さそうには見えない。

かと言って、仕事の話をしているようにも見えない。


これはこれで、噂されるのかなあ・・

冬木さんの元までいかなきゃいいけど・・


そんなことを思いながら

彼女が話し出すのを待った。



「ここなら大丈夫かな。えっと、驚かせてしまってごめんなさい。

 私、冬木さんと同じ部署の白鳥です。」


そう簡単に自己紹介をした彼女に違和感を感じた。

冬木さんと同じ・・と部署名ではなくそう言った。

それも、言い慣れた様子で・・。


「あ、えっと。B部署の桜木麗です。」


おそらく、言わなくても知ってるだろうなとは思ったけれど

名乗らないのも失礼だと感じ、そう返した。


「そうそう、麗さん、よね。

 早速、単刀直入に聞くけれど、冬木さんが既婚者であることはご存知?」


「え?あ、はい。お子さんがいらっしゃるのも知っています。」


「あら、そうなのね・・。だとしたら、もう一つ。

 昨日、遅くにあなたが冬木さんの車に乗ってたところを見た人がいるんだけど

 それは本当?」


なんでこの人に、こんな問いただされなきゃいけないんだろう・・

そう不満に思いながらも


「あ、それは本当です。

 でも、たまたま残業が終わって会社を出るタイミングが一緒で・・

 それで、冬木さんが気を利かせて近くまで送ってくださったんです。」


淡々とそう答えた。


「そう。冬木さん、優しいから・・。そうね、でもどうして断らなかったの。

 こうやって噂になって、いろいろ言われたり聞かれるの嫌じゃなかったの?

 それとも、そんな深くまで考えていなかった?」


なんなんだろう、この人。

自分を、冬木さんのなんだと思っているんだろう・・。

目の前にいる綺麗なこの人が、とても哀れに思えた。


「いや・・一度はお断りしたのですが、冬木さんもお優しい方なので

 女性社員をこんな夜に見かけて、一人で帰らせるわけにはいかない・・と。

 そう仰って頂けて、それで私も何度もお断りするのは失礼かと思って・・。

 お言葉に甘えたんです。」


だんだんと、めんどくさくなって来た私は、

早くこの話を切り上げたくて

グーグーと鳴るお腹をさすりながら早口でそう答えた。


「図々しいのね。まあ、でもそんな感じなのね。

 彼は、誰にでも優しいから、あまり気にしない方がいいわよ。

 何より、家族がいるからね?

 お時間取らせて、ごめんなさいね、ありがとう。」


スッキリしたような顔で、そう言うと

私に背を向けて長い廊下を歩き去って行った。


“冬木さんになんか関わるもんじゃないな”


評判の良い彼には、やはり裏でしがらみがあって

彼の知らないところで勝手に嫉妬や妬みが渦巻いていることを思い知った。



ドッと疲れた私は、今日もコンビニで簡単な昼食を買い

残り少ないお昼時間に、かきこむように食べた。



“あんな風にはなりたくないな”


叶うことのない想いを・・

曲がりまくった感情を・・冬木さんに持つ

白鳥さんがなんだか可哀想に思えた。




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