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影響


翌日。




朝いつものように目覚めると、うまく目が開けられない違和感に驚き

鏡で顔を確認した。

そこには、何倍にもまぶたが腫れた酷い顔の自分がいた。


“嘘でしょ・・”


泣き疲れて、そのまま寝てしまったんだ。

目を冷やすことを怠った昨日の自分を恨んだ。



だけど、そんな理由で会社を休むわけにはいかない。

必死でメイクをして出社した。


会社に着き、

先に来ていた千沙に“おはよう”と言い、席に着くと

私の顔を見て、驚いた千沙が近づいて来た。


「え!?ねえ!ちょっと、どうしたの?なに?目がパンパンだよ?

 なんかあった!?」


興味津々です、と言わんばかりに聞いてくる千沙に


「うん・・知ってるよ〜。昨日、夜中まで恋愛ドラマみて泣いてたせい!

 もう触れないで〜。」



至近距離で、私の顔をまじまじと見てくる千沙に

顔を覆いながら、ムキになってそう答えた。


「何その理由〜・・ちょっと、もう麗・・。彼氏作んなよ〜。」


「うるさいなあ・・。千沙に言われたくないですぅ〜。」


ブサイクな顔でそう反論すると、


「私はちゃんと行動してます〜。今日も合コンだもーん。

 麗も、一回くらい参加したらいいのに〜。」


そう耳元で上機嫌に返された。


これまで千沙には、たくさん合コンに誘ってもらっていたが

あまりにも私が毎回断るものだから、最近は話にも出さなくなっていた。

毎週のように合コンに行っている千沙に、なぜ彼氏ができないのか

疑問に思いながらも、千沙らしくていいなと笑った。


「ねえ、いま!鼻で笑ったでしょ?今日こそは!

 いい人と出会える気がするんだよね〜。

 だから、今日はお昼抜くから!少しでもお腹凹ませておかなきゃ〜。」


“はいはい” そう雑に返事をして、仕事に取り掛かった。


いつもハイテンションの千沙には、助けられている。

おかげで、どんよりとした気分も少しだけ晴れた気がした。





毎日、毎日どうしてこんなに仕事があるのだろう・・と疑問になるほど、

朝から仕事に追われ、周りが席を外して、初めてお昼の時間なのだと気付いた。

“そうか、今日は千沙、お昼抜くって言ってたもんね”


いつもは、千沙がお昼の時間を教えてくれていたが

合コンのある日は、意地でも彼女はデスクから動かない。

そんな健気なところが可愛くて、いいなと思う。



さて・・お昼にしよう、そう椅子に体を預け大きく伸びをすると

部署が違う女性たちと目があった。


予想もしていなかった光景に、咄嗟に伸ばしていた腕を引っ込め

後ろを振り返った。

そこには顔は見たことがあっても、関わったことのない人たちがいた。



「えっと・・・?私に何か・・?」


「お昼にごめんなさいね。ちょっとだけ聞きたいことがあって・・。」



丁寧に話し出した3人の中のリーダー格であろうその人は

見たことがあるも何も、冬木さんの取り巻きでいつも側にいる人だ。

私より5歳くらい上の彼女は、至近距離で見るのは初めてだったが

とても上品で大人で、それは綺麗な人だった。


“確かにこの人だったら、彼の隣にいても似合うよね・・。”

さすが、裏で“冬木さんの愛人だ”と言われるほどである。


ぼーっと見とれてしまった私は、彼女の視線を感じ、我に返り


「あっ!はい、えっと・・廊下とかの方がいいですよね?」


そう、咄嗟に答えた。

するとリーダー格のその人が頷き、先に廊下へ向かった。

そのあとを二人がついていき、その後ろに私もついて行った。



“何を言われるのか、なんとなくわかるなあ〜いやだなあ・・。”



3人の後ろについていきながら、どんどんと憂鬱な気持ちになっていった。






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